「より少ない生き方~ものを手放して豊かになる~」を読んで
最近、また本を読んだ。
ミニマリズムにはずっと興味があった。
小さい頃から部屋の片付けが苦手で、私の部屋は物置同然だった。私だけじゃなく、家族みんな苦手で、新しいものは買うけど古いものを処分しないから、家にはものが増える一方だった。
インスタでミニマリストのアカウントとか見て、部屋めっちゃ綺麗だなぁ…でもなんにもなさ過ぎて怖いくらいだ…くらいしか思ってなかった。
大学で実家を出てアパートに一人暮らししたけど、やっぱり部屋は汚くて。
綺麗な部屋には憧れたけど、片付けが本当に出来なかった。
だってゴミ出し面倒だし。掃除すら嫌いなのに。
けど、留学に来るのに、考え方が変わった。
というか、変わらざるを得なかった。
留学に持って行けるものはスーツケース二個に収まる分だけ。
だから、かなり厳選せざるを得なかった。
ここでまず、仕方なくではあるが、「持ち物を減らさざるを得ない環境」に身を置くことになった。
次に、洗濯のルール。
日本で一人暮らしをしていたときも、洗濯は毎日はしていなかった。2,3日に1回くらいだったと思う。
でも、カナダはその先を行く。笑
ホームステイも、現在のシェアハウスも、洗濯は週に一回だけ。
それに、こっちの人は一回着ただけでは普通、洗濯しない。
初めてホームステイ先で洗濯をするとき、ホストマザーに「洗濯物の量多くない!?次から減らしな」って言われてびっくりした。
私だって、できるだけ洗濯物の量を減らそうと、頑張って同じ服を何回も着た。けど、多いらしい。
次のシェアハウスでもそうだ。「あなた、量多いわね。次回から減らしてね」
「え?みんな一枚の服何回着てるの!?!?そんな洗濯物の量少ないの?服、着てる??????」
ちょっと不満もあったけど、自分の中の許容範囲を広げて、今までよりもより、同じ服を何回も着るように心がけた。
そしたら、どうだろう。
「あれ、自分が思ってたより、そんなに服っていらないのかもしれない」
そう思い始めた。
この本は、最近引っ越しが決まって物の整理をしなきゃいけないと思っていた私の目にとまった。
留学を機に、ミニマリズムという考え方がいかに人にいい影響を及ぼすか、なんとなく理解し始めていた私にとって、この本は「やっぱりそうだったか」という確認と、「なるほど、追求していくとこんなにも人生のビジョンがクリアになるのか」という新しい世界を教えてくれた。
特に心に残っているのは、「親が限度を決めないと子供はずっと欲しがる」という章。
これは第10章「家族でより少ない生き方をする」の中の1章で、小さい子供を含めた家族全員にミニマリズムの考え方を普及するにはどうしたらいいかが説明されているんだけど、その中で、具体的なエピソードが紹介されている。
著者の友人のサンティアゴは、著者よりずっと稼いでいて、その娘がほしがる物は全部買え与えていた。だから、娘は同級生よりずっとたくさんのおもちゃを持っているのに、「何をしても娘は満足しない」と悩んでいた。
そんな友人に、著者は以下のように声をかける。
これは子供だけじゃなくて、大人にも言えることなんじゃないかって思う。
というか、限度を自力で決められる大人にこそ必要なんじゃないかなって。
大人は自分で稼いだお金を全部自分の意思で使える。
だから、限度を自分の意思で決めるのが難しい。
ちゃんとした思考で物を買わないと、いくら買っても満足できなくなって、物質主義まっしぐらになりやすいんじゃないかと思った。
今あるものの中に不要な物があれば、それを取り除く。
取り除いたことによって生まれる物理的、心理的リソースを、もっとかけるべきもの(これは、物がなくなるとさらにビジョンがはっきりしてくるから悩まなくても見えてくる)に費やし、人生の幸福度を高める。
本の中で今の私にはピンと来なかったのは、「お金を手放して、お金のありがたさを知る」という章だ。この章は、手放すことによって生まれたリソースを、慈善活動に使おうという趣旨の章だ。
これが今の自分にとって納得できないのは、支出が収支を上回っているからに他ならない笑(笑えない)
けど、慈善活動じゃなくても、普段お世話になっている人たち、友達に、出来る範囲で感謝の気持ちを表すことなのかなって思った。
今の私に出来るのは、そんなところだろう。
いつかちゃんと自分のお金でやりくり出来るようになって、心に余裕が生まれたら、きっと、著者の境地にたどり着けるのかもしれない。
あとは、この本全体的に、前に出てきた話が後ろの方で再度登場してちょっと読みずらかったり、訳が結構直訳に近くて堅い感じがした。
でも、ミニマリズムがただ単に部屋を片付けることだけを指すんじゃなくて、人生のビジョンを明確にするのを助けてくれるっていうのが新しかった。
引っ越しを機に、いらないものをちゃんと処分してみよう。
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