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昔の音と虫の鳴き声

アンティークのシンギングボウルが
私には良いと思いました。

何種類かネパールから
シンギングボウルを取り寄せました。
(概ね、3-5日程度で日本まで届くようです。遠いようで、近い国ですね。)

概ね低価格帯のものばかりですが、
種類はたくさんあるようです。
まだほとんどわかりません。

ですが、興味深いものは、古いものでした。

数十年か100年以上前なのか、
よくわからない、サビや汚れの多いものが
ネパールにはごろごろとあるようです。

青サビ等もあって、
売る前にある程度綺麗にする必要が
あるらしく、あまり人気もないそうです。


木材の端材で自作したスティックで軽く撫でるようにたたいてみたところ、
秋に鳴く虫とそっくりな音がしました。

これには、本当にびっくりして、
もしかしたら、
虫の音を作ってみよう、って考えたのかもしれない、と思いました。

自然の音を再現する、あるいは、綺麗な音を作ろうとしたのか、
たまたまなのか、わかりません。

秋には様々な虫が鳴きますし、
特に九月から冬に入る期間、
日中から夜にかけて、
もう様々な昆虫が鳴いています。

虫の鳴き声は、楽器以上に、
人が演奏できないような、
とてもきれいな音色です。

実際に今の季節は、
音楽はCD,LPともに家では
かけないくらいです。

さて、アンティーク系ですが、
鉄の素材の比率や配合は不明、
手打ちで作られていること、
音は控えめ、
独特の形、
と言ったところが概ねの特徴です。(例外あり)


パッと音を聞いただけで判断すると、
響き具合は近年の綺麗な装飾のもの
よりもたいていは劣ったように聞こえます。

素材は銅や青銅などが多いらしいですが、
実際は不明だそうです。
概ね5-7種類の金属の
合金だろうと言われています。

初めは、おとなしさや物足りなさを感じたアンティークのボウルですが、
私がまだまだ甘かったですね。

まさか、昆虫の鳴き声のような音がでるとは
全く想像すらしなかったわけです。

相当高度な技術、また素材は近年のものにくらべて、薄くて軽いです。

もしかしたら、良い原料がたくさんあったのかもしれません。

シンギングボウルは、実は
割れて音がならなくなることが
あります。

あるいは、落として見た目は完全品でも、
音が割れる場合もあります。

薄いものは、当然、作っているときに
ヒビ割れてしまう可能性もあるし、

昔のものは、なんと割れた箇所を
修復しているものもありました。

そのためなのか、不明ですが、
近年のシンギングボウルは、
厚めが多く、
頑丈に見えます。

よく響く音で、音はきれい。

そして、大半は綺麗な
デザインで装飾されています。

満月のシンギングボウルも
あるようですが、
どうなのかわかりません。


アンティークのボウルを
ゆっくりと木の棒で叩く。

確かに秋のとある虫の
鳴き声とそっくりです。


非常に小さな余韻のある響き具合は、
近年の手打ちのシンギングボウルより
上品できれいです。

もしかしたら、夜中に虫の音色と合わせて演奏していたのかもしれない、

冬になって、虫の鳴き声が聞こえなくて、
寂しくなった。

そんななか、虫の鳴き声がするようなボウルをつくってみよう、
となったのかもしれない。

ま、想像です。わかりません。

ですが、よくよく見てみると、
風鈴ですら、
松虫や鈴虫、という名称のものがあります。

虫と南部鉄器、何かしら共通点は
あるようです。

鈴虫やマツムシの音色を
イメージしたものだろうし、
昔の人の遊び心などもあったかと
想像はできます。

土取利行さんは、縄文鼓という音楽も
演奏されています。

土器の中で、明らかに調理以外で
使われていたと考えられるものを
発見されたようです。

実際に古代に音楽が
演奏されていたかは
不明です。

それでも太鼓のようにして、
演奏されています。

サヌカイトという、石をつかっても
同様に演奏されています。

昔を想像して演奏する音楽ですが、
想像してつくる、
個人的には大好きです。

そんなことも思い出し、まずは原点から、
というわけで手に入れました、
サヌカイトの原石です。

確かにキンキンと音がして、興味深いものです。

香川県産、サヌカイトの原石です。
キンキンなります。

当初、音がする石を発見した時は
驚いただろうし、

鋭い破片の形を整えて、
弓矢の先、ヤジリ等の刃物を
作っていったわけです。

ただ、サヌカイトは結構硬い石で、
レンガ用の手挽きのノコギリでは容易に
切れそうにありません。

ダイアモンド砥石でも
平面にならすのは、
困難でした。

天然砥石にでもなれば、
おもしろいとも思ったのですが。

硬すぎました。

とりあえず、マイナスドライバーやノミと
金槌で少し形を整えてみました。

音のなるものを作ってみようと
思ったわけです。

とはいっても、なかなか思うように
は進みません。

ですが、破片、相当鋭い刃です。

自作のヤジリ!?カッターナイフです。楽器を目指しましたが、途中でずれるのも
ありです。
十分切れます。結構鋭い切れ味でした。なるほど、弓矢で使えそうです。


カッターナイフくらいの
切れ味は余裕でありました。

カッターナイフで紙を切る、
ハサミで紙を切る、
石で紙を切る、
まったくの別物に感じました。

石で切るのは、意外に新鮮な感じです。

ちょっ難しいかもしれませんが、
料理包丁の形にして
刃を整えるのも興味深いところ。

同じ調理でも、
道具変われば別世界ですね。

先の音の話とはずれてしまいますが、
何かと想像してしまうと
おもしろいです。

きっと洞窟の中では、音は鳴り
響くだろうし、

実際、先のシンギングボウルでも
じっくり聞けば聞くほど、
神聖な感じがしてきます。

改めて外の昆虫の声を聞けば、
どうやって、この音を出しているのか。

冬になれば、こう言った昆虫は
凍死します。

その間、必死に鳴くのか、
何か考えていると想像しても、
きっと何も考えてないだろう。

ただ、とても新鮮な音に聞こえるのは、
自然音だからですね。

自然を神のように信仰していたというのも、
こういう神秘な音を聞いていると
何となく想像できます。

自然音が音楽の原点のように
思いました。

こんな赤も、自然色なわけです。
よくわからない野山の花ですが、
これも自然が生み出す色。



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