業務効率化を広める。その裏で。
こんにちは。私は地方の非ITの中小企業の情シスでマネージャーをしています。こちらの記事は、Power Automate Advent Calendar 2023 12月18日担当分の記事です。
1年目の社内勉強会 その後
1年目の社内勉強会。
ひたすら有志の勉強会や本で学ばせていただき、社員の方々が興味ありそうなお題や内容にして、細々ではあるけど、少しでもちょっとした自動化で業務が楽になればと動いていた。
そのあたりのお話はこちら↓
(ちょうど1年前の記事!)
そんな日々の自転車操業勉強会も功を奏し、
我が情シスに専属の業務効率化推進のための講師メンバーを採用してもらえることになった。
その方は、ほんとデキる方だった。
技術だけじゃなくて、コミュ力もあるし、我が社に1番大事なレベルに合わせた寄り添い力、そして課題発見能力にも優れてて、それを参考にちょうどいい勉強会をあちこちで開催してくださった。目に見える成果。眩しい…
ここからもっと弊社は強くなれると確信した。
こんなご縁に恵まれたことに感謝。そして自分の運の良さに自信を持った。これまでくじ引きというくじ引きを外れただけある。全ての運はこのために残してあったんだな。
グッジョブ、昔のハズレまくりの私。
少なくとも半年ほどは新しい勉強会に寄り添っていこうと思っていたのだけど、私の手作り感&一夜漬け感溢れる勉強会が恥ずかしすぎるほどの素晴らしさと知識もあり、ちょうど入らねばならないintuneとEDR沼、3~5つほどのSaaS導入や移行、ISMSもPマークの認証取得もすぐそこに鎮座していて、そちらに力を割かねばいけない状況もあり、ありがたくお任せしよう。
と思っていた。
が、それじゃだめだと気づいた。
業務効率化を広めたら
1年の勉強会は絆に繋がり、講師じゃなくなった私にも自動化の話をしてくれる。
その話の中で共通して誰もが伝えてくれる言葉があった。
「評価に繋がらない」
ああ。界隈で、よく聞く言葉だ。
評価とは
給与や賞与の話だけではない。一番大切なのは周りの理解だ。
これまで「自動化」や「効率化」という業務がなかった世界で
それらの業務を「仕事」として認める周りの理解だ。
スキルを身に着けても、いざそのスキルで実務に生かそうと思うと
本番環境で業務に支障がでないように入念な検証も必要になるし
アイディアが湧いてもトライエラーの繰り返しになる。
それらを優先的に業務として認めてくれる周りの理解が圧倒的に足りない。
ここは上長が理解して指示をするところなのだと思うが
それらの時間に回してもらいにくい。
「自動化」と「効率化」が進めば、日々の業務は楽になる。
けれどワカラナイのだ。なぜなら、業務効率化の勉強会も初めてだったように業務効率化のスキルを身に着けた同僚の仕事も初めてなのだ。
上長の理解
管理職。
小さなアレコレ、大きなアレコレ、他部署とのアレコレ等色々。
社内外問わず打合せで1日が終わることも多い。
そんな中、手を動かすのは自分ではなくなる。
仕方ないと思うし、それでいいと思うし、そうあるべきなのだと思う。そうゆう役割を担っているのだ。そして打合せのための準備。打合せ後の整理に共有。それは大事な仕事だ。
そんな中でも正しい評価はできるだけしたい。大変さも理解して、労ってあげたいし、感謝しつくしたい。と、きっと他の部署の方々も思っているのではないか。
しかし打合せで忙しい管理職にその自動化の裏側の大変さを伝えることは難しい。意識的にアンテナ張れてる方でないと技術の深さは伝わらない。その自動化の素晴らしさも苦労も伝わらない。
伝える努力
問題は伝わらないことだ。
だから、伝える努力をしないといけない。
せっかく、私の拙い勉強会から興味を持って独学してくれた方々や、目標設定に載せて達成を目指してくれた方々がいるのに、何かを自動化して業務効率化することは評価に結びつきにくいのだ。そして、それで辛い思いをしてしまっている。つまり、業務効率化のための勉強会=幸せになれない。
伝える努力。知ってもらうために、さて、どうすべきか。
可視化
会社横断のプロジェクトがある。
1年ほど前。会社のIT課題が山盛りあるのに全貌が見えなくて、自分だけでは力不足で、でもなんとかしないといけなくて。起案して社長のありがたい理解をいただき、当初は業界に詳しいコンサルさんと共にはじめたプロジェクトだ。
今は自走して、課題をITで解決するために複数のプロジェクトが社内で走っている。
総務部門も対象のプロジェクトがあり、その報告会の中でとある効率化の進捗を数字で示していくことを社長は望んだ。
どれだけ業務の時間を削減できたか、だ。
そのひとことから、私も総務部門の上長との打合せでは「ここも先に数字で示しておきましょう」など促して完全可視化をお願いした。
プロジェクトの役員への定期的な報告会はもちろんその上長からだ。
日々数字を追い、グラフにまとめる。
数字に伸びがなければ理由を言わねばならない。
当たり前のことかもしれないが、弊社はこういったことができていなかった。
そして上長にとっても、こうして社長への報告が必要になってくると業務効率化は本当に自分ごとだ。
とりあえずこのプロジェクトに関しては、「伝わっている」と思う。
効率化を進める本人たちに言わせれば「まだまだわかってもらえない」という不満もあるだろうが、かなり目立つ立ち位置にこのプロジェクトは置かれている。
このまま数字を伸ばしていけば、きっと評価に結び付くだろう。
他にたいしたことはできていないが、幹部の方々に伝えた。
打合せの中で、現在の自分の懸念点としてあちこち伝えた。
「ここをなんとかしないと、勉強会を繰り返しても、スキルを身に着け実務に生かしてくれる方がいても、評価されなければ他に行ってしまいます。
なぜなら、それらのスキルの保持者は価値ある人材と評価され、他社がほしくてたまらないのです。求人でそのスキルが欲しいと呼びかけてもなかなか会えません。検索してみてください。仕事がしやすいように、そのスキルが生かせるように考えてもらえませんでしょうか」
効果
それらのことが効果はあるのかないのかわからない。
私には他部署の評価を見る権限もないし、その方々の目標設定もどう書いているのか知らない。本当に評価されていないのかも知らない。
ただ、何人もに別々に言われた状況、弊社の環境やこれまでのやりとりから事実なのは理解できた。
こうして書いていると上長に対して「やたら専門用語使ってないだろうか」と心配にもなった。誰もがわかる言葉で伝えないといけない、と次に誰かから相談されたら答えておこう。
こうしてnoteにまとめていて、気づいたことがあって、即 総務部門のトップにお時間頂いて話してきた。
「毎月の勉強会。これまでは情シスで『こんなことできるようになってほしいよ』、情シスに問い合わせで届いた質問を見て、『ああこんなことを知らないのか、知っておいた方がいいよ』、ということをアイディアにして勉強会のネタにしてきました。もちろん勉強会後に皆さんからアンケートもとってその意見を勉強会に反映したこともあります。
この勉強会は一年目は私が。二年目は⚫︎⚫︎さんがやってきました。三年目は、総務部門を統括する⚪︎⚪︎さんの想いを乗せた勉強会にしてみませんか。
⚪︎⚪︎さんが考える、もっとこうなってほしい、こんなことができるようになってほしい。それを情シスの勉強会で反映させたいと思っています。
そして、もし可能なら、その勉強会で学んだことで実務に生かして成果を上げる方がいたら評価にも繋げてほしいです。そうしていただくことで情シスの勉強会への取り組み姿勢も変わってきます。⚪︎⚪︎さんにアシストしていただけると、こちらとしても本当に助かります。
3年目の勉強会は「情シスのこうしたい、⚪︎⚪︎さんのこうしたい」を合わせてより強い総務部門を目指していきませんか。」
こちらの想いも意図も伝わったと思う。まずは情シスから案を出す。これからの方針を一緒に考えていく。新しい3年目がこれから始まる。
決意
私が入社したころ、弊社の情シスはほとんど機能していなかった。
詳しくはこちら(入社1日目~)↓
毎日毎日、ただ一生懸命に目の前の課題に立ち向かう。
しかし数年経って、振り返ると色んな事が良い方向で大きく変わっていると気づく。
魔法なんて使えないから、一瞬では変われないかもしれないけれど
こうしたい!こうなりたい!という気持ちを持ち続け
色んな方法で伝えていけばきっと届くはずだ。
そして同じ気持ちの仲間も増えるはず。
きっともっと良く変えることができる。
業務効率化のための勉強会=幸せ
そうなるように、これからも地道に動いていく。