日常から「怯え」がなくなると、とても生きやすくなる。
金曜日の夕食後が、一週間で一番幸せな時間かもしれない。
息子はタブレットに向かい、真剣な表情で将棋の対戦をしている。娘は、のんびりとテレビを見ている。
そして私は、まだ洗っていない食器の山を見て見ぬ振りしながら、まだ湯気のたつコーヒーを、ゆっくりと飲んでいる。
コーヒーを飲んでいることを目ざとく見つけた娘が、「私も」と近寄ってきた。
そんな娘のために、あたたかいココアを入れる。
娘は、私の横にちょこんと座り、フーフーしながら飲む。そうして、「ホッとするね」と一言つぶやく。
あたたかい飲み物は、気持ちをやわらかくする。
3人とも、1週間よくがんばった。
息子と娘は小学校を。私は仕事を。
昨年、仕事を10年ぶりに始めた。
仕事をしていると、週末に「今週も終わったー」という達成感を味わえるんだった。ということを思い出した。
専業主婦として、モラハラ気味な夫と生活しているときは、週末が近づくと、気が重くなっていたのに。
「ホッとできる」場所は生きていくうえでとても大切だ。
夫が近くにいるだけで、緊張感が走るようになり、精神的に限界を迎えた結婚生活13年目。夫と住んでいた家を飛び出した。置き手紙を残して。
そうして手に入れたのは「ホッとする」空間。「安心」というのは、こんなに生きてくうえで重要なものだったんだなと思う。
家を出た直後は不安しかなかったけど、そして、今も、経済的にはちょっぴり不安だけど、とても穏やかな気分で、毎日を生きている。
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