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20年ほど前、地方から上京してきた大学生が、都会の空を流れる流星群をみた話。

「なに書こうかな」と、noteの海を回遊していたときに出会ったお話。
このnoteを読んで、私も、ずいぶん前に見た流星群のことを思い出した。

今からもう20年ほど前のこと。
地方から上京して、寮に住んでいた大学生だったころの話。


「しし座流星群が大出現」というニュースを聞いて、寮で一緒に暮らす友人たちと、夜中、4階建ての寮の屋上にのぼった。

11月。夜の空気は冷たかった。
屋上からは、高層ビルの光や、小さく赤く輝く東京タワーが見えた。

「はなは、東京が似合わないよね。変な人に、だまされないようにね」
そう笑いながら、地元の高校の友達に、送り出されたことをぼんやり思い出す。

夜中でも、まだ光が残る都心の様子に、ぼーっと目をやりながら、自分なんかが都会に暮らしていることが、不思議な気持ちになる。


都会に住んでいると言っても、寮で一緒に生活していたのは、北は北海道から、南は沖縄まで、さまざまな場所から親元を離れて上京してきた子たちだ。

部屋は個室だったが、ご飯は食堂で食べ、お風呂は大浴場、トイレは共同だったため、顔を合わせる機会が多く、住んでいる人はみんな顔見知りで、安心できる居心地のよい場所だった。


寮だからこそ、真夜中でも一緒にいられる。
夜中に、みんなで屋上にいるという非日常な状況に、テンションがあがっていた。

*****

ワイワイ話しながら、流星群が見られるのを待つ。


いくつか星が流れる。
そのたびに歓声があがった。

流れる星に、何を願ったのかは忘れてしまった。
しかし、あの時の屋上での興奮は、今でもまだなんとなく覚えている。

東京タワーの赤い照明が24時で消えて見えなくなった瞬間「わーっ」という歓声があがったことも。


私の流星群の思い出は、楽しかった寮生活の思い出とともにある。

これを書きながら、「久しぶりに、寮の友人たちに連絡を取ってみよう」と思った。


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