見出し画像

二次元ってやっぱり良い

「二次元の人はかっこいいけど、抱きしめてはくれないじゃない」

学生時代の私が、マジで言ったことのある一言。

今も昔もアニメやゲーム、漫画のキャラクターは大好きで「推し」もいるけれど、いわゆる「ガチ恋」の領域まで行く事はなかった。

だって、彼らは直接会うことも触れる事も叶わない。
私だけを見てくれる事はない。
結局一方的に想うだけだ。
(これは芸能人やネットタレントにも当てはまるのではないだろうか。)

それに、二次元で魅力的な人というのは、だいたい一癖あるキャラクターだったりする。
例えば、学園の俺様系イケメン王子。
漫画や実写映画で「俺の女になれよ」なんて言われながら壁ドンされるシーンにキュンとする人も少なくないであろう、人気鉄板のキャラクター。

でも、でもですよ。
もしこれがリアルの世界なら…あら不思議。
「いやいやいや、学校で何やってるの?」って思ってしまうのでは?
ちょっとイタいと思ってしまうのでは?
そもそも、どんな美形であっても、「なんで上から目線、命令形…?」って思うのでは?

そう、いくら素敵でも二次元は二次元。
リアルな世界でそれは通用しない。
二次元の世界の住民はあくまで人生のスパイスとして愛でるもの。
やっぱり本気で人生を捧げて熱を注ぐとしたら、リアルに生きている人(※芸能人とかではなく、自分の日常世界の中で生きている人)の方が魅力的なのだ。

きっと、そうなんだ。



…と、思っていた。かつては。

冒頭の発言をしてから、一体どれだけの時が過ぎただろう。
その間に、誰かに告白して振られたり、誰かに告白されて付き合って別れたり、マッチングアプリで出会おうとするも一か月で挫折したり、無節操な事をして後悔したり、特に何も起こらない関係に浸かっていたりと色々あった。

現在、特別好きな人がいる訳でもなく、「恋愛意欲ある・恋愛意欲ない」「恋人欲しい・恋人別にいらない」を反復横とびしているような状態。

一方、二次元に対しても、未だにガチ恋する程の推しはいない。
同担拒否(推しが同じ人とはあまり絡みたくないという感情)もないし、推しのグッズやカードが手に入らなくてもガッカリはするものの泣くまではしない。
推しに口説かれてる自分なんて全く想像できないし、正直、一作品の消費者として天から推しを眺められるだけで十分なのだ。

でも、今になってこれだけは言える。

二次元はやっぱり良い!

学生時代に思っていた「二次元キャラクターは私自身を見てくれる事はない」というのは確固たる事実だけれど
それはつまり「リアルでは引かれるような愛し方をしても、対象にはなんの問題もない」ことなのだ。
推しのイラストを何時間も眺めて「尊い〜」とうっとりしていようが、ボイスを何度も聴いて歓喜の悲鳴をあげようが、彼らに迷惑をかける事はない。(世間の目は置いておいて)

それに、「会うことも触れることも叶わない」というのも、逆手にとれば「どんな姿でも受け入れてもらえる」のだ。
私が推しの登場するゲームをしている時は、だいたいパジャマでスッピン。到底外出できない格好だ。しかも大体は朝なので寝起きの状態である。
でも画面の中の推しはそれに気づく事はない。いつも通り「おはようございます!」と爽やかな挨拶をしてくれる。
アプリのサービスが終了しない限り、何年経っても、私がどれだけ歳を取ろうとも態度が変わる事はないのだろう。それもありがたい。

そして「一方的に想うだけ」の最大の利点は、「それが一番ラクで楽しい」ということだ。

これまでリアルな恋愛をしてきたけれど、それには必ず何かしらの悲しみや怒り、落胆などの感情が付いてきた。
人なんだもの、当然だ。全てが完璧でもないし分かり合える訳でもない。
不快な事をされたり、隠し事をされていたり、疲れてしまったり…でもそれを乗り越えてこそのリアルな恋愛は、二次元キャラクターを愛でるだけでは味わえない魅力がある事は重々承知している。

ただ、やっぱり、一方で…。
好きな時に、好きなように、推しを愛することができる幸せ。これもまた素晴らしい。
ストーリーにもよるけれど、例えば恋愛テーマの作品であればほぼ確実、登場する彼らは独自で恋人を作る事はない。浮気はないだろうし、主人公(我々)を尊重しない・
敬意を払わないなんてこともないだろう。パワハラ・セクハラ・モラハラ・DV…?そんな概念はそもそも(少なくとも乙女ゲームの世界の)彼らの辞書には載っていないに違いない。

もちろん彼らにも短所はあるだろうけれど、だいたい主人公(我々)が見るのは彼らの光る能力や人となり。または陰を感じる訳ありの弱さ。それもまた愛しいものだ。

自由に手放しに愛せる存在…これは絶対にリアルでは手に入らない!


…という訳で
また新たなコンテンツにハマって、新たな推しに熱を上げながら健やかに生きている今日この頃。(もちろんこれまでの推しも引き続き)

恋愛ドラマ見たり人の話聞いたりしていると、ちょっと…いや、すごーく羨ましく感じることもあるけれど。

恋愛とは違うけれど、楽しいからいいや。
世間的に、新たな出会いを探すのも難しそうだし。
もうしばらく(?)いいや、このままで〜。

野乃

サポートに相応しいnoteを書けるように、サポートに相応しい人物になれるように、今後も努めて参ります。 もしも、万が一サポートして頂くようなことがあれば…泣いて喜びつつ大切に使わせて頂きます!