【タロット解説:正義】真実剛健な女裁判官

連載趣旨＆タロット知識

※前回と同じ内容のため、飛ばして頂いても構いません！

【連載趣旨】
→タロットの意味や登場人物の紹介
→もしも現代にいたら？（私が個人的な解釈で例えます）

タロットの意味を一枚ずつ覚えていくのは難しい…と悩んでいるうちに
「この世界でタロットの登場人物たちが生きていたら、どんな人たちなんだろう？」と想像するようになりました。
私の勉強も兼ねていますが、同じようにタロットリーディングに苦戦している方々に少しでも参考になれば…と思い掲載することにしました。

もちろん、これから勉強する予定の方や全くタロット占いする予定のない方がご覧になるのも大歓迎！
少しでもタロットに親近感を持ってもらえると嬉しいです。

【知っておくとわかりやすくなるタロット知識】

☆タロットは全部で78枚（大アルカナ22枚と小アルカナ56枚）

☆アルカナとは→ラテン語で「隠されたもの」「秘儀」という意味

☆大アルカナとは？
→「愚者」「死神」などの、抽象的な概念をあらわすタロット。22枚を通して、魂の成長のストーリーを描いています。小アルカナと一緒に使う場合に出てくると、特に重要なメッセージが込められていると考えられます。

☆小アルカナとは？
→「ワンド(14枚)」「ペンタクル(14枚)」「ソード(14枚)」「カップ(14枚)」という4つのスートからなる、日常的な事柄を表すカード。各スートごとにストーリーがあります。

→これらは西洋の４つのエレメント（要素）に対応しており
「ワンド（杖）→火」
「ペンタクル（金貨）→地」
「ソード（剣）→風」
「カップ（聖杯）→水」
になっています。

大アルカナ　１１番　「正義」

【正義の意味・背景】

中性的な見た目の女性が、天秤と剣を手にじっとこちらを見つめています。

彼女の使命は公平な判決を下し、必要な者には適切な救済、あるいは処罰を与えること。正義を執行することなのです。

彼女が手にしている天秤では、裁かれる人のこれまでの行いの結果、つまり罪の重さが表れます。もう片方の手に握られている剣は、使い方によっては人を救う事も、傷つけることもできる代物。
彼女はその剣の振り時を、決して間違えてはならないと感じているのです。

そのためには私情や感情に左右されず、まるで天から覗くかのように、客観的な事実だけを見なければなりません。多くの裁判をこなしていくため、合理的、理論的な思考も必要になってくるでしょう。

他者を裁く時だけではなく、日頃から常に正しい判断を下そうと、自分を律しているのです。

【もしも現代にいるなら】

彼女を例えるならば「真実剛健な女裁判官」。

カード本来の姿そのままの例えですが…。これが一番合っているでしょう。

法律を基に、刑事裁判であれば証言や証拠などの確かなものを吟味し、被告人に罪があるかどうかを判断し、
民事裁判であれば両者の証言をしっかりと聞き、どちらにも肩入れせず、
できる限りどちらも納得できるように仲裁します。

そんな彼女の前で嘘をついて逃れようとしたり、賄賂を渡して味方につけようとしたりすれば、直ちに邪な気持ちを見抜かれて断罪されてしまうでしょう。

事実と真実を重んじ、誠実に、公正な判断を下す。
それが彼女にとって正しいことであり、正義なのです。

【裏を返すと…（逆位置の意味）】

感情や私情が入ってしまい、公正な判断ができない。

自分自身が不当な扱いを受けてしまう。または自分自身が法やモラルを犯してしまう。

そんな状態を表しています。

善悪や自己と他者、理性と欲望などのバランスが取れていない状態ともいえるでしょう。判断を下すには、少々危なっかしいかもしれません。

「自分が正しい」と感じていることも、相手を侵害していないか今一度振り返る機会といえるでしょう。

また、世の中は正しいことだけでは成り立たない、複雑な構造ですが
それに流されてしまうと、いつか報いを受けてしまいます。
反対に、もしも今不当な目に遭っているならば、その相手は必ず報いを受けるはずです。

どんな時でも冷静な目を持ち、焦らずに対応することを心掛けましょう。

それでは最後に、「正義」から一言。

「どうか冷静に。正義も振りかざせば武器になってしまうのだから。」

ご精読ありがとうございました！