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気づけば、春で。

諸々のことを、考えなければいけない。
今やっている仕事のことや、住まいのこと、体のこと、食生活、病院などなど。今は物理的に相手とも距離があるので、結婚式や披露宴のことも、一つ決めるのに結構時間と体力が要る。

ただ、たぶん当たり前だけど、忙しくても周りがなんと言おうとも、今は人生で一番自分の体を大切に考えなければいけないと思う。それは自分のためというより、自分の中に芽生えた小さな小さな命のため。そして、その誕生を心から楽しみにしていてくれる大切な人のため。また、楽しみに待っていてくれる両親たちのためでもある。

今週、15週目に入ったところだが、体調の方はずいぶんと落ち着いている。産婦人科でエコーの映像を見せられて感動しつつも、これが本当に自分の体の中なのだろうか?と信じられない気持ちになる。でも、日々起きる体の不調や疲れ、そして少しずつだが明らかに大きくなっているお腹を見ると、やっぱり実感せずにいられない。

ー私は、母親になるらしい。

というよりその小さな命を授かった時点で、生まれる生まれないは別として、それはもう母親なのだろう。

ひどくはないとはいえ、やはりつわりはあるので体の悩みはある。
時期はちょっとうる覚えだが、6〜7週目くらいでつわりの症状が出始めて、ずっと気持ちが悪かった。ただ私の場合、吐いたりする”吐きづわり”ではなく、食べたら落ち着く”食べづわり”の方だった。

一番症状が出た6〜9週頃は、とにかく酸っぱいものが食べたくて、梅干しおにぎりをどんなときも欠かさずに持ち歩いていた。そう、ベッドの枕元にさえ置いてあったのだ。なんせお腹が空くと、気持ち悪くてしょうがなくなってしまうからである。

私の相手のご両親が、結構本格的な梅干し作りをしており、その味はびっくりするほどに美味しい。塩分量を変えた減塩梅干しも作っていて、そのおかげで塩分の摂りすぎにならずにも済んだ。その時期、無限に美味しい梅干しがもらえたのは、本当にありがたかった。もちろん、今もお昼のおにぎりに入れて会社に持って行っている。

体の異変は、それだけではなかった。
初期は口周りの肌が荒れたり、夜中に気持ち悪くなったり、微妙な出血などもあって心配になった。でもしばらくするとほとんど血は出なくなり、ちゃんと検診を受けて、先生にも問題ないと言ってもらえた。

初産の私にとっては、全てがわからないことだらけで、毎分毎秒が手探り状態だった。親や友達にいろんな話を聞いても、参考にはなるがやっぱり実際に体験しないと自分の中には落とし込めないものが多かった。まぁ、当たり前の話なのだが。

そんな不安定な時期も乗り越えて、もうすぐ安定期に入る。

初春の嵐も過ぎ去り、気候の方も一気に春めいてきた。世間も世界も落ち着かない時期が続くが、私は今、これまでの人生であまり経験したことのない、一人の人間として自分自身と向き合うという緩やかな時間に、ちょっと感動している。

まだ見たことのない新しい自分への期待。
でも、やっぱり何かを無くしていくような不安。

こんな今の自分も悪くないな、と思う。

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