「PUBLIC HACK: 私的に自由にまちを使う」読みました。今まさに読みたい内容でした。面白かったです。
常々、「こんだけ豊かになった社会では、これからは、まちづくりではなく、まちつかいの方が必要だ」といってきたけど、それをパブリックハックという概念で説明されている。
ただ、この観念をわざわざ言わないといけない状況に私たちの社会はあって、本書はそのことに対する問題提起でもある。
例えば、法的には何の問題もない行為でも、それに対する不安を抱えた人々からの通報があれば警察は動かざるをえない。本書の言い方によれば「傍観者の通報者化」が起こる。
つまり「ハック」の例えを借りるなら、人々に法や行政に関する知識が乏しいので、その行為者が「ブラックハッカーかホワイトハッカーか」見分けがつかない。だから安全側に寄って通報する。そして日本の行政もそれに従う傾向がある。結果、社会は保守化し、イノベーションが阻害される。