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2月のふりかえり〜日常とnote、本と映画〜

2月に私を産んだ母は、みんなから、「一番寒いときに産んだね」と言われたらしい。

そんなとき、近所のおばさんから、

「いまが一番寒いから。これからは、だんだんと暖かくなっていくからね。」

と言われたのが、印象に残っているという。

2月が好きなのは、誕生月だから、というのもあるけれど、そんなふうに春へと向かっていくところが好きなのかもしれない。


日常について

さて、今年の2月も、いい月だった。
多くの人と会えた。

ずっと延び延びになっていた両家の顔合わせもようやくできたし、そのときに久しぶりに従妹や叔母と会えた。

一緒に留学した友人と、今は日本で働いているかつてのルームメイトが、家に遊びに来てくれた。

noteで出会えた友人ふたり(親子)と昨年に引き続きお会いできた。

中高からの友人二人と、益子で陶芸をつくって、宇都宮で餃子を食べた。


みんなと久しぶりに会えたこともうれしかったけれど、それと同じくらい、もしくはそれ以上にうれしかったのが、「いつでも連絡してね」とか「またすぐに会おうね」と言い合えること。

また会いたいなと思う人がいることがうれしいし、人と会うことがまた日常に戻りつつあるのがうれしい。


noteについて

一方、そんな日常が戻りつつあるからか、noteを書く意欲が低迷気味。

だれかと会ったことを、文章として残しておきたいような、ただ心の中にしまっておきたいような、そんな二つの気持ちを揺れ動いている。

でも、そんな折、noteの力を改めて実感するようなできごともあった。

noterさんたちの知恵をお借りしたくて、美術館に求めるものをお聞きしたところ、たくさんの方々が答えてくださって、

こんな理想の美術館を描くことができました。

みなさんからせっかく理想の美術館についてお聞きしたので、それに近づけるために、自分にできることをやらねば!と気を引き締めている。

おすすめの展覧会について、私なりの美術鑑賞方法を書いてみたので、

美術展を観ようか悩んでいる方、美術鑑賞の仕方がよくわからないなと思っている方の参考になれば。


その一方で、真面目なことばかり書いていると、くだらないことも書きたくなってしまう性分でして。

真面目に美術と向き合いたいけれど、しようもないことも書きたいんだ!

この温度差に、みんなついてきてくれるかな、と不安になりながら書いている。

でも、みなさんからいただく温かいコメントを読むと、大丈夫そうかな、と思える。


インプット

◇本

1月に読書の方針を決め、毎月テーマを決めて読むことにしたので、今月もひきつづき読んだ。

今月のテーマは、「経済」。

マックス・ウェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』
(尾高邦雄『世界の名著50 ウェーバー』中央公論社、1975年)

でも、このテーマに沿って読めたのは、この1冊だけ。

これを読んで理解するのに時間がかかってしまったということもあるし、1月に読んでいた本の関連書籍を読みたくなってしまったということもあって。

そして、いま、小室直樹『日本人のための経済原論』(東洋経済新聞社、1998年)を読みはじめたところ。

経済学なんて、これまで難しそうだから全く興味がなかったけれど、読んでみるとこれがとても面白い。

勉強すると、誰かに話したくなる。

もう少し自分のものにできたら、noteでも、美術以外の学問分野についてもお話してみたい。

テーマ以外に読んだ本も紹介。

・土井善晴『一汁一菜でよいという提案』新潮社、2021年

父がくれた本。顔合わせのために帰省したとき、仕事しながら家事ができるかなとぼやいていたら、この本を渡された。
この本を読んだら、具沢山のお味噌汁とごはんがあればいいんだと思えて、ごはんづくりのプレッシャーが減った。
父は、私たちのために、いつもおかずを何種類もつくってくれていたけれど、それをプレッシャーに思わなくていいよ、というメッセージかな。


・ルトガー・プレグマン『Humankind 希望の歴史(上、下)人類が善き未来をつくるための18章』精興社、2021年

先月の読書のテーマが「歴史」だったので、歴史の本を読んでいたのだが、だんだんと人類の愚かさに嫌気がさしてきて、未来が暗く見えてきてしまっていた。そんなときに、このタイトルが目に入って、縋るようなきもちで読んだ。いま世界で起きていることに無力感を覚えている人に、ぜひ手に取ってほしい本。
この本を読んでからは、現実に悲観してばかりいるのは、ただの怠惰だと思うようになった。何をしたって変わらないんじゃなくて、何もしないから変わらないんだよね。変えたいことを、変えなきゃね。


・宮下志朗『モンテーニュ 人生を旅するための7章』岩波書店、2019年

モンテーニュの『エセー』は、エッセイのはじまりと言われている。この本を読んだのは、一応エッセイのようなものを書いている身として読んでおきたいというのもあったし、モンテーニュの生きた16世紀という時代に興味があるからでもある。ちょうど歴史の本や、ウェーバーの『プロ倫』を読んだこともあって、プロテスタントが台頭するこの時代が、近代の境目になったと感じたので、この時代の作家たちの作品を読みたくなった。今に通じる感覚も多くて、いつか引用したいなと思って、たくさんメモをとった。

研究をしていると、原典だからこその面白さや発見もあることは重々わかっているけれど、こんなふうに日本語でやさしく解説してもらえるありがたさも身に沁みる。

・森見登美彦『四畳半神話体系』太田出版、2005年
・森見登美彦著、上田誠原案『四畳半タイムマシンブルース』KADOKAWA、2022年

友人がおすすめしてくれた本。
文学部の友人たちの中に、森見さんが好きな方が結構いる。
私は、そんな友人たちを横目で見ながら、なんで君たちは黒髪の乙女側の人間なのに、こんな汚いお話を好んで読んでいるのだろう?、と不思議だったけれど、いま読むと、バカバカしさの中に青春の眩しさがあるのかもという気がする。

年初に映画「バタフライ・エフェクト」を観たけれど、『四畳半神話体系』は、そのアンチテーゼみたいな感じだ。少しの変化が大きな変化を招くのか、少し変わっても、結局行きつくところは同じか。どちらも、そうかもしれないなと思える。


・洞田貫晋一朗『シェアする美術森美術館のSNSマーケティング戦略』翔泳社、2019年

みなさんから理想の美術館について伺ってから、図書館で『博物館研究』のバックナンバーを読んだり、関連書籍を借りたりしている。今日読み終えたのがこれ。美術館のSNSマーケティング戦略についての本だが、美術館広報だけでなく、個人の発信にも通じることが多いなと感じた。

個人的になるほどと思ったのが、「SNS疲れを利用する」という考え方。SNSをやっていると、アイデアが尽きたり、数と向き合うことに疲弊してくる。でも、そういうときこそ、頭を真っ白にして、考えすぎない投稿ができたりするのだとか。言われてみると心当たりがあるような。



◇映画

・余命10年
最近、愛犬の最期に立ち会ったとき、そして、夭折した佐伯祐三の絵と向き合っているとき、私は同じような感情を抱いた。この映画を観たときにも、その感情を思い出した。実話ベースとはいえ、役者さんはただ演じているだけなのに、本物のきもちを揺さぶれるんだから、すごいなぁ。


・エルピス―希望、あるいは災い―
腐敗しきってしまっているマスコミや政府のなかで、なんとか正義のために足掻く人たちを描いたドラマ。これを制作した放送局は偉いなと思った。

このドラマを見ていると、足掻いている人を応援しているはずなのに、よくそんな他人のために頑張れるな、って冷めた気持ちも心の奥底にあることに気づく。普段は、そんな冷たさになんて気づかないふりして、「知りませんでした」、あるいは「仕方ないよ」って、さも善良な人間みたいに振舞っているんだなって。
外野で騒ぐのには限界があるし、かといって内部で忖度なく動くことなんてほぼ不可能。私は来年から政府のおひざもとで働くことになるけれど、ちゃんと自分の正義を貫けるかな、と問いかけながら観ていた。


・岸辺露伴は動かない(シーズン2、3)
ちょっと蟲師っぽいよね、とぺこりんと言いながら観た(二人とも蟲師が好き)。最近、私がテーブルでお茶して寛いでいると、「おいおい、ここは君のカフェじゃないんだぞ!」とぺこりんが茶々をいれてくる。

・コンフィデンスマンJP 英雄編

ぺこりんが好きなコンフィデンスマンシリーズの最新作。うきゃきゃ!と笑いながら観ているかわいいぺこりんを見るために、私はこのシリーズを観ている。


3月の目標

①早寝、早起き
10時に寝て、5時に起きたい。

②『英文法解説』の練習問題を最後まで解く。

③3月のテーマ読書「哲学」に関するものを、3冊以上読む。


早起きは、さっそく2日連続失敗しているが、明日から気合いを入れ直そうと思う。

3月もいい月になりますように。


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