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人口世界一:江戸時代の暮らし、政治

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#町づくり

徳川幕府が敷いた制度の歴史的変遷 - 【人口世界一:その3】

徳川幕府が敷いた制度の歴史的変遷 - 【人口世界一:その3】

今回の記事から特に徳川幕府が江戸、ないしは日本を統治するために敷いた制度が確立するまでの歴史的変遷にフォーカスを当てて深掘りしていきたいと思います。

天下の統一徳川時代の特徴として最も重要なことは、戦乱が生じなかったということです。まず室町時代から遡って天下の統一までの流れを見ていきたいと思います。

1467年から77年に至る応仁の乱によって、それまで794年以来天皇の宮廷がおかれ、寺院や公家

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朝廷の管理と武士の役割の変遷 - 【人口世界一:その5】

朝廷の管理と武士の役割の変遷 - 【人口世界一:その5】

江戸時代の江戸の町、ないしは日本全国を統治する諸制度の成り立ちや、その詳細を纏めています。

前回までの記事はこちら。

今回の記事では幕府としての朝廷の扱いと、武士の役割がどの様にして兵隊から官僚的なポジションに転換していったかについて調べていきます。

朝廷を管理下に置きたかった幕府徳川家が取り組んだ特に重要な施策として、天皇に対して将軍が効果的な支配権を握る状態にすることが挙げられます。

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庶民の身分管理システム - 【人口世界一:その6】

庶民の身分管理システム - 【人口世界一:その6】


昨日は徳川幕府が採った、朝廷の管理施策と武士の役割の変遷について調べました。

今日は江戸の町の大部分を占めていた一般大衆にフォーカスをあて、江戸の町づくりのためにどの様な制度を敷いていたのかについて調べを進めたいと思います。

庶民の登録制度と身分の世襲化徳川の平和を支えた施策として、人口の凡そ半分を構成する庶民に対しては、幾つかのグループに分ける施策がとられていた様です。

1630年代、徳

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江戸時代の対外政策 - 【人口世界一:その7】

江戸時代の対外政策 - 【人口世界一:その7】

前回は江戸の幕府が敷いた庶民の管理システムについて言及しました。

今回はこの時代の海外、もしくは外国人との関わりについて深掘りしていきたいと思います。

家光の鎖国政策の実態徳川期の日本の対外関係の特徴はなんといっても『鎖国』です。

17世紀に徳川幕府は、商品とともに宗教を売り込もうとした国々との交易を断ちました。この方針によって、1540年代以来貿易とキリスト教布教の両方を追求していたスペイ

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制度によって栄えた都市と自由によって進化した農業 - 【人口世界一:その8】

制度によって栄えた都市と自由によって進化した農業 - 【人口世界一:その8】

今回は今までにまとめた徳川幕府が敷いた制度が、結果としてどの様に都市や人々の生活を発展させたのか、その辺りについて深掘りしていきたいと思います。

都市部の発展の流れ徳川幕府が開かれる直前の16世紀に、日本列島のいたる所で都市は数も規模も拡大しつつありました。その理由として、互いに競い合っていた大名たちが城下町に恒久的な守備隊をおき、そこに配下の将兵たちを呼び集めて編入させたことが挙げられます。こ

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都市部と農村部のパワーバランスの逆転その1 - 【人口世界一:その9】

都市部と農村部のパワーバランスの逆転その1 - 【人口世界一:その9】

前回は17世紀の都市部の成長と農村部の発展についてまとめました。

今回は、その好況に続く次の150年間の社会状況についてまとめたいと思います。特にこの期間には、都市部の停滞と農村部の好況というとても特徴的な経済環境が出現した期間でもあったのでその辺りを中心にまとめていきたいと思います。

都市部の景気停滞〜人口の減少〜都市部に関しては、本州の中心部の大都市とりわけ37の主要城下町が1700年から

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都市部と農村部のパワーバランスの逆転その2 - 【人口世界一:その10】

都市部と農村部のパワーバランスの逆転その2 - 【人口世界一:その10】

前回の続きです。

まずはこの時代の女性の働き方と男性の家事への関わり方をまとめたいと思います。

女性の経済活動への関わり徳川時代の社会通念上は、女性は学問を修める必要はなく、台所にとどまっていればいいと主張されていました。その様な見方を説いた古典的な修身書が儒教思想に基づく『女大学』というもので、内容としては女子を教育するための一般原則と従順な振る舞いに関するものでした。

然し乍ら、実際は女

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