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外国語を頑張っている人ってどうして話すことにこだわっているの?

ポルトガル語を教えている語学講師です。

長年の講師経験を通じて、さまざまな生徒と出会いました。その中で最も驚いたのは、ほとんどの生徒が外国語を話すことに強いこだわりを持っていることです。外国語を話したいという欲求は、誰にでも備わっている普遍的な願望かもしれませんが、筆者にとっては最初は予想外でした。

外国語へのモチベーションや目標は人それぞれ異なりますが、話すスキルを重視するという発想は、筆者にはありませんでした。筆者はオタク気質で、人との関わりよりもメディアとの関わりを重要視しています。日本語へのモチベーションも、好きな日本の文化を日本語で理解することに集中していました。

日本語の世界で生きるためには、情報へのアクセスが重要だと筆者は考えていました

この記事で述べたように、外国語は単なるツールではないと筆者は考えています。
そのため、日本語を学ぶ決意には、新しい文化や世界に触れたいという強い欲求がありました。特に、筆者は日本のアニメや漫画が大好きで、オタク文化に関するありとあらゆる情報にアクセスしたかったのです。英語圏の情報では不足を感じていました。

情報にアクセスするという欲求が強かったため、会話などはあまり重視しませんでした。要は、文字が読めることや音声が聞けることが重要でした。アニメの内容などを翻訳したものではなく、生のものを楽しむことを望んでいました。今振り返ってみると、この考えが良かったと感じます。翻訳されたものとオリジナルとでは、表現の仕方や文化的な違いなど、さまざまな違いがあることを理解することができました。

しかし、この話をすると「じゃ、どうやって日本語が書ける・話せるようになったの?この記事が役立たないよ!」と思われるかもしれません。正直に言うと、筆者の話す能力はあまり高くないと考えています。日本で生活するためには、ある程度の日本語能力を持っていますが、発音やイントネーションなどで筆者がネイティブではないことが周囲にすぐわかります。

メディアへのこだわりは、日本語へのモチベーションにつながりました

文字や音声に過度に注力してしまった結果ですが、逆に話すことにこだわらなくてよかったと考えています。なぜなら、先ほど述べたように、メディアとの関わりを重視する人だからです。これは、日本語だけでなく、母語のポルトガル語にも当てはまります。もし話すことに焦点を合わせていたら、日本語の学習を早々に諦めていたかもしれません。

日本語が書ける・話せるようになったのは、自然な流れだと考えています。
いつの間にかできるようになった感じです。確かに、これを言ったら「いやいや、何かの必殺技があるだろう?日本に留学して上手くなっただろう?」と思われることがあるかもしれません。

留学は確かに日本語能力の向上に貢献しましたが、筆者は人に積極的に話しかけるタイプではないため、その効果は限定的だったと思っています。

今もスマホの言語設定は日本語です!

一方で、日本語の環境を自分で整えることが得意で、スマホの設定から情報源、趣味(アニメの場合、日本語で観ることなど)まで日本語に切り替えました。そして、留学の時だけでなく、日常生活の中で常にその環境で過ごしてきました。必殺技といえるかもしれませんが、日本のものが好きな筆者にとっては、とても自然な流れでした。

筆者が苦手とする人とのコミュニケーションを避け、自分のスタイルを貫き、今の自分があります。これは誰にでもおすすめできる方法ではありませんが、自分の道を歩むことは決して間違いではありません。むしろ、語学学習においては必要な要素の一つであり、この方法を選ぶことで、皆が目指している場所に辿り着くこともあるのです。

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