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ある大学生の一日(朝)

リベンジ夜更かしからの、惰性の入浴。
深夜25時に寝床に着いた後、眠たくなるまでよしもとばななの『ジュージュー』を読んでいた。

6時30分のアラームを止めて二度寝。
7時15分に起床すると、蝉の声が響き渡っていて夏。本日は土曜日だが、振替講義の日。

米パンをトーストにセットして、母特製にんじんポタージュをカップに注ぐ。小鳥の世話。
パンが焼けたので、ニュースを見ながら朝ごはんを食べる。今日も各地は猛暑日で、パリ五輪の開催が近付いて来ているらしかった。

洗顔、歯磨き、メイク、日焼け止め、髪の毛のセット、夏の準備は暑さとの戦いである。
着る服を考える。一度決定しても、着てみたらなんか違うみたいなことが多々あって、その度に脱ぎ散らかしてしまう。
帰宅後、片付ける気力がない日々が続くとすぐに部屋が散らかるので、この習慣は本当にやめたい。かなり服が好きで、こだわりが強いのに、おそらく(可能性残したいがゆえの副詞を挿入)ハイセンスの持ち主ではないので試行錯誤が必要。やれやれ。

水筒を洗いお茶を入れ、ハンカチを持って出発。
家を出ると共に、隣の親友の家からも人が出てくる。親友か...?! と喜んだのも束の間、出て来たのは親友の父親であった。元気よく挨拶。チンピラチックな(ヤバ造語)サングラスをかけていたので少しビビられていたような気がする。

駅までの道では、相変わらず猫を探している。今日は見つからなかった。暑い暑い、自然サウナ自然サウナ。今年の目標は暑さと仲良くすることなので、暑さをサウナだと思い込んで生活している。体感ちょっとだけマシ。気持ちの問題。
気持ちが大事。いちばん。

電車。いつもより少し人が少ない。
車内ではひたすらにホワイト企業を調べていた。
絶賛就活中の身であり、今は様々な軸からエントリー先を検討している。自分のやりたいことや信念を曲げるつもりはさらさらない。ただ、絶対的にお金持ちになりたいので、いろんな部分と折り合いをつけた生き方を模索している。
文化に触れるためのお金を躊躇せず使える大人になりたいし、1人で子供なんかも育てられるだけの財力が欲しい。
折り合いつけるって言っても、くだらないことは絶対にしない。思考を放棄せざるを得ない道なら、そんな道は願い下げである。ここでもまた、こだわりの強さが出ている。いいとこ。

電車を降りてバスに乗り換え。
アプリで検索したところ、休日ダイヤで大学直通のバスはもう無いようなので、絶望していた。一番近いバス停からだったとしても、この蒸し暑い中を10分強歩かなくてはいけないのは辛い。しんどいなーと思っていたら、奇跡的に検索結果には出てこなかった大学直通のバスが来た。奇跡や!神様ありがとう!
悠々とバスに乗り込んで、就活情報集めに疲れたので読書。昨晩に引き続き『ジュージュー』を読む。
この本は、何気ない暮らしの中で感じる大事なことを丁寧に丁寧に描いていて、私もこんな文章が書けたら…と憧れてしまう。
この先何度も読み返すだろうし、この本が好きかもしれない友人のことが頭に浮かんだので、お勧めしてみようと思う。

この作品に限らず、よしもとばななは、一貫して何気ない暮らしとその中で生まれる大切な感情を描いている。そんな彼女の作品が本当に好きだ。

そうこうしていると、大学に着いた。
バスの運転手さんにお礼言って降車。警備のおじちゃんと目を合わせて挨拶。静かな休日の学内を歩く。
冷房の効きすぎた教室で、生き方がかなりカッケェ教授のモチベが上がる講義。

学びきって昼。
学内の食堂は、おそらく休日なので空いていない。イチョウが青々と茂る道を少し歩いて喫茶店に入る。カランコローンと陽気にベルが響いて、おばちゃんがいらっしゃいと言う。いつもよりちょっとすいてる?
照りつける太陽の中、光が柔らかくなって差し込む店内へと、私の空腹は吸い込まれていった。

ある大学生の一日(昼)編に続く、かも。

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