📘️ Book Club：UXデザイナーにとって最も重要なスキル、ピッチとは？ピッチング戦略とスキルの伸ばし方

noko

2021年11月26日 03:37

ピッチとは？

ピッチは、UXデザイナーにとって最も重要なスキルの1つです。

「エレベーターピッチ」という言葉が営業職でも使われるなど、「端的に事業や製品の詳細について説明する」ことを意味する用語として使用されています。

💡エレベーターピッチとは、エレベーターに乗っているくらいの短い時間で自分自身や自社のビジネスなどについてプレゼンする手法のことです。

プレゼンとピッチの違いは？

「ピッチ」と「プレゼン」は大まかには双方が「説明する」という点で似ていますが、大きな違いは「ピッチ」は相手に全く事前情報がない状態であることが想定されている点です。つまり、新しい何かを生み出す際に「ピッチ」が活用されます。

今回はクライアントの心を動かす為に役立つ戦略を含め、ピッチングに対する具体的なアプローチをご紹介します。これらのピッチング戦略の一部またはすべてを組み込むことで、ピッチングスキルを次のレベルに引き上げることができると思います。ぜひこのアプローチを試して見てください。

リサーチですべてをサポートしよう！

十分なリサーチを準備していることは、ピッチを上げるための最も効果的な唯一の方法です。

UXデザイナーにとって、リサーチの分野はデザインプロセス全体に浸透しています。あなたは間違いなくあなたのリサーチ結果をあなたのピッチに持ち込むべきです。

クライアントは、おそらくドメインである業界をすでに調査済みでしょう。例えば、あなたがヨガのアプリの制作に携わる場合、あなたのクライアントはスポーツ医学に精通していたり、ヨガ指導者の資格があるかもしれません。リサーチでそのドメインをサポートする場合は最大の競合他社やイノベーターのことも調査、また主要なプレーヤーである競合他社を調査して、それらを互いに差別化する独自の要素またはプロセスを作り出していくことが大切です。

また、クライアントの業界だけでなく、UXデザインの世界でも最新のトレンドを認識しましょう。これらをデザインピッチに組み込み、プロジェクト全体に現代的なセンスをもたらす例を提供する必要があります。

十分なリサーチを準備することは、ピッチを上げるための最も効果的な唯一の方法です。リサーチにより、自分の主張を確かな事実で裏付けることができ、クライアントの質問に答え、クライアントが提供する情報に関連する関係を築く準備が整います。

2.思考プロセスを示しましょう。

提案の最初のルールは、クライアントにデザインプロセスを説明することです。

UXデザイナーとして、クライアントに売り込むとき、デザインプロセスのより難解な側面を見落とすのは簡単です。図や画像を使ってあなたの思考プロセスを説明しましょう。

デザインプロセスをクライアントに説明することには、次の3つの利点があります。

→ クライアントに意思決定プロセスへのより多くの文脈を与えます。
クライアントは、UXデザイナーとして問題に取り組む方法を確認する機会を得ます。さらに、デザイナーではないクライアントを混乱させる可能性のある情報に構造を与えます。

→ デザインプロセスは証拠となり、決定を裏付けることを示しています。
クライアントは、あなたが結果志向であることを確認し、問題の定義から解決策の作成まで、あなたがどのように作業したかをつなぎ合わせることができます。また、プロセスを確認することで、クライアントが提示した問題の解決にあなたが完全に投資していることも示しています。

→ それはあなたのクライアントとの信頼関係を築くのに役立ちます。
デザインだけでなく、デザインプロセス全体であなたの知識と腕前を示すことは、クライアントの会話の専門家としてあなたを確立します。提案に自信を持ち、意思決定の根拠に基づいてデザインソリューションをバックアップすることは、提案するデザインを作成する際に正式なプロセスに従ったことを示しています。

したがって、ヒューリスティック分析を実行した場合でも、忠実度の低いワイヤーフレームを作成した場合でも、結論に到達した方法と理由をクライアントに説明してください。

これは、あなたが予想していたよりもはるかに大きな影響を与える可能性があり、あなたの分野の専門家としてのあなたの評判を強化することさえあります。

3.問題解決を中心にピッチを調整する

デザインの中核は常に問題解決です。

UXデザイン、そして一般的なデザインは広大で、一見すべてを網羅しているように見えますが、デザインの中核は常に問題解決であったことを忘れてはなりません。

したがって、ピッチ内のすべてのものは、問題解決プロセスとそのさまざまな側面に結びつく必要があります。美学と機能性に焦点を当てることは確かに重要であり、多くのクライアントと共感を呼んでいますが、問題解決アプローチはピッチの包括的な物語を形成する必要があります。

たとえば、課題を問題ステートメントとして、または視覚的に適切に定義する機能は重要であり、クライアントがノイズを遮断し、本当に必要な作業を分離できることを示します。また、ピッチ内のすべてのものが問題の解決方法を伝える必要があるため、ピッチが合理化されます。

以下は、ピッチプレゼンテーションの準備をするとき、またはピッチに統合するときに自分自身に尋ねるのに役立つ質問です。

あなたが解決する必要がある問題は何ですか？
あなたが問題を解決することで誰が利益を得るでしょうか？
問題を解決する最も効率的な方法は何でしょうか？

これらの質問に答え、明確な問題ステートメントを提供する準備をしてください。ピッチは自動的にスムーズで流れるような物語を採用しましょう。

4.ユーザー中心性を強調する

ピッチ中にどのようなコミュニケーションをとる場合でも、それをユーザーに結び付け、特定のアクションやデザインの選択からユーザーがどのように利益を得るかを確認してください。

クライアントに売り込むとき、売り込みをクライアントに集中させたくなるかもしれません。ただし、クライアントが問題のデザインソリューションを使用する可能性は低いことを覚えておくことが重要です。

したがって、ソリューションをデザインするときは、代わりにクライアントのターゲットユーザーに焦点を当てる必要があります。

ピッチ中に伝達するものは何でも、必ずユーザーに結び付け、特定のアクションまたはデザインの選択からどのように利益を得るかを確認してください。ピッチにいくつかのUXペルソナを含めると、デザインを通じて1人以上の異なるタイプのユーザーのニーズに対応するために行った取り組みを示すのに役立つ場合があります。

役立つ演習の1つは、ピッチからすべての人称代名詞、特にクライアントを指す人称代名詞を削除することです。

ユーザーペルソナは、クライアントのターゲットユーザーの属性と傾向を強調することにより、ユーザーの理解を示します。さらに、特定のデザイン上の決定を、特に特定したユーザーベースの特定の部分に向けることができます。

たとえば、ターゲットユーザーが高齢者であるアプリでユーザー補助オプションを提供できます。これはユーザーを動的に理解していることを示しています。これにより、デザインソリューションがより魅力的な候補になります。

5.フィードバックを受け入れよう。

どんなデザインの売り込みも…あなたが伝えているアイデアだけではありません。ある意味で、それはUXデザイナーとしてのあなたを売り込むことでもあります。

デザインの売り込みについて注意すべき点は、伝えているアイデアだけではないということです。ある意味で、それはUXデザイナーとしてのあなたを売り込むことでもあります。

クライアントは、デザインソリューションを承認するかどうかだけでなく、UXデザイナーとしてあなたをどれだけ気に入っているか、そして今後あなたと協力したいかどうかについても決定する必要があります。このため、UXデザイナーとしてのあなたの個性と属性の特定の側面を、デザインソリューションとともに伝えることで、ピッチを新たな高みへと駆り立てることができます。

これらの属性を伝達することは、デザイン作業を伝達することと同じくらい重要です。 UXデザイナーはそれぞれ異なるため、問題解決者としての仕事や強みのさまざまな側面に光を当てることを選択しますが、UXデザイナーが普遍的に強調すべき品質の1つは、コラボレーションの能力です。

あなたの売り込みを通して、あなたのクライアントはおそらく彼らの考え、印象、そして改善のためのアイデアを検討するでしょう。これらを却下はせずに、フィードバックを寛容に受け止めとください。ピッチ中にフィードバックを受け入れてもいいかと思います。

あなたが彼らのフィードバックを受け入れ、クライアントを満足させるためにビジョンを調整しましょう。ピッチ自体の間にクライアントとの関係を構築し始めます。この関係を、プロジェクトで実際に作業することに簡単に移すことができます。

まとめ

ピッチを上手に使い、効果的にデザインを売り込むと同時に、あなたのUXデザイナーとしての尊敬を得ましょう。これらの5つのヒントを適用することで、最もタフなクライアントでさえも説得することができると思います。よろしければ、あなたのピッチにもこのアプローチを活用して見てください。

私も、色々勉強中なので、皆さまの、ご意見・ご感想をお聞かせください。お読み頂きまして、ありがとうございました。

メルボルンを拠点にプロダクトデザイナーとして働いています。主にデジタル・プロダクトの制作に携わっています。

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