不安が抑えきれない 24/07/16

雨は上がって、しばしば晴れ間も見える。朝には蝉の鳴き声がしていて、また季節が一歩進んだような気がした。そろそろ、梅雨明けだろう。そんな中で私は、この所固く結んでいた紐がパッと解けてしまったように、抑え込んでいた不安が抑えきれなくなってしまって、朝からずっと緊張感が治まらない。今日は何も予定が無いのであるが、常に何かに追われているような気がしてならない。時折足の組み方を変えてみるが、この組み方で本当にいいのだろうかと、何度も狼狽えてしまう。カーテンを閉め切った薄暗い自室が普段よりも心地良く思えた。不安を眺めた後に、何も問題のない自室を眺めると、狼狽えた心が一時だけ落ち着くのである。

読書も捗らなかった。絶えず本の持ち方に違和感があったので、読書という時間はこんなに不安定であっただろうかと、少し残念になった。第一、字が滑ってしまうのである。読んでいたのが太宰治の小説であったから、読み慣れている分なんとか読む事自体はできて、なんとか助かった。昨日の散歩中にコンビニのイートインで本を開いていた時の方が目を文字に据えて読書ができていたが、それは言うまでもない。こうなってしまうと、ウイスキイを飲みながら大相撲を観るという事ぐらいしか、落ち着ける手段が無くなってしまう。まだシラフであるのでこれは経験則なのであるが、こういう本の持ち方や足の組み方にすら違和感があるような時は、ショットグラスを持ち方だけはどうも納得してしまうのである。幸いな事に、そういう贅沢が叶う環境に居る。こうしてまた今日も、紐を強く結ぶのである。

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