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ひとものこと|当たり前のことを当たり前に行えるのが最高のサービス

乃木坂しん」支配人 兼 ソムリエの飛田泰秀による連載エッセイ「ひと・もの・ことで命を吹き込む」の第2回目は、五感を使って働くことの意味について。

五感をフルに活動させて働くこと

みなさん、こんにちは。乃木坂しんの飛田です。

少しずつではありますが、日増しに暖かくなってくるこの頃、いかがお過ごしでしょうか。私はというと、この投稿が皆さんの目に入るころには非常事態宣言が明けているとよいな、と思いながら深夜に黙々と原稿を仕上げております。

さて、今回は前回お話したように、私の経歴をお話ししようかなと思っていたのですが、それは、そのうち少しずつでよいかなと、何とな~く気が変わったので、今日はお店で気にかけていることを少しお話ししたいと思います。すいませんが、そんな勝手な自分をどうかお許しくださいね。

私は、お店で働き始めたスタッフに必ず尋ねていることがあります。

それは、「レストランで働くにあたり、何が重要だと思いますか?」です。

知識でしょうか? 経験でしょうか? ホスピタリティでしょうか? 愛想でしょうか?それともクレンリネス? それらは間違いなく重要ですね。でも伝えたいことはもっと漠然としていて大枠のことです。

レストランで働くにあたり私が最も重要だと思うことは、「五感を大切に。そしてそれをフルに活動させて働くこと」です。

それって当たり前だよね。と思っている同業のあなた! とても優秀ですね! ぜひ私と一緒に働いてください。

しかし当たり前のことなのですが、なかなかどうして、これが実はできていない人も多いのではないかなと思います。そしてこれはサービス側だけではなく、料理人さんにも当然いえることではないでしょうか。

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五感を使うことは変化に敏感になること

五感とは、ご存じの通り「視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚」のことです。

私は、お店に入ったその瞬間から、五感を使う意識を常に持つように心がけています。

それは、最初に入店しスタッフみんなにあいさつしたときから、人、お店、周囲に対して何か違和感がないか、匂い、汚れ、音、物の位置、場所、明かり、活けている花など、多岐にわたります。営業中ももちろん同じですが、それに加え営業中には同じようなケアーをお客様に対しても同様にしています。

そんなことを気にしながらお店にいると、それがだんだん自分にとって日常になってきて、いつの間にか日々の違和感にスタッフの誰よりも早く気が付くことができるようになってきいます

そうすると何が起きるか。とうぜん営業中はお客様よりも早く気が付くことが多いので、違和感に早めに対処ができますし、先回りすることで未然に防ぐことにも繋がります。また、サービスでも、お客様に言われる前に先にご提案することが出来るようになるのです。

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レストランの「トイレ」には気配りが詰まっている

そういったいかに先回りして気付けるかというのは、お店の「トイレ」の掃除にも表れてくるものだと私は思っています。

レスストランの「トイレ」はとても大切です。

当店では、お客様がご使用になるたびにトイレチェックに入るというのは基本ルールとして徹底しています。なぜならせっかく当店を楽しみに来店されて、料理を楽しみ、快適に過ごしていただいているのにもかかわらずトイレが乱れていると、その気持ちが薄れ、満足度が下がり、信用力がなくなるのではないか、と私は思っているからです。

トイレが清潔に保たれているのは当たり前のことで、お客様に気づかれているようではいけません。手洗い周りは水滴がない様に、鏡が汚れていないか、忘れ物がないか、トイレットペーパーが乱れていれば直す。まだだれも使用していないような雰囲気を心掛けるそしてこの作業時間を30秒から45秒を目安に片手で終わらせるように工夫しながら行います。もう片方の手ではドアを開けたり、閉めたりする必要があるからです。

ちなみに、当店ではトイレットペーパーを片側だけ折るようにしています。 折っていると確認した証にもなりますし、三角折よりも片方折の方が個人的に好きということもありますので。

話しは変わりますが、私は座ってする派です。自分で掃除するようになるとよく分かります(笑)。

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お客様の好みをお聞きすることも大切

トイレを例にとってもわかります通り、「お客様に言われる前にやっておく」ということは多岐にわたります。

店内の温度などもその一つです。入店したとき、夏でしたら暑い中いらっしゃるお客様のために最初は冷たいぐらいにしたり、冬はその逆でしっかりと暖かくしたりしてお迎えします。

その後、部屋に入って身体が慣れてきたかなと思った頃に弱めるか、スイッチを切る。お客様に言われる前に常にオンオフを繰り返したり、お伺いしたりして調節するようにしています。この場合、気をつけたいのは、空調はお客様それぞれにお好みがあるということです。そのため、空調設備の温度表示を信じるわけではなく、また自分の感覚だけで決めるのでもはなく、常にお客様の様子を見たりお聞きしたりしながら調節することが大切だと思います。

日本料理の場合であれば、煮物椀を召し上がった後にも一度様子を見たり、締めのご飯を召し上がった後は糖質の関係で体温が上昇したりするので、そういったことにも気を使いながら調節します。

この手のお話は、話し始めたらキリがないことですので、今日はここまでにさせていただき、また少しずつお話ししたいと思いますますね。さらにお話を聞いてみたい、してみたいという方はぜひ私までご連絡をください。実際にお店で体験していただきながらお話しをさせていただけましたら最高ですね。

お店でサービスを担当する者としては、お客様のご希望を気づかれずに先回りして対処していくことなども1つですが、「当たり前のことを当たり前にやること」が最高のサービスだと思っています。私もまだまだ未熟で、とても至らないなと毎日反省しておりますが、ここでも当たり前に日々精進を心掛け、皆様へのお役に少しでも立てるようにと思っています。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。次回も徒然なるままに書き綴っていこうと思います。

聞きたいことなどがあれば是非コメント欄に投稿してみてくださいね。

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乃木坂しん
東京都港区赤坂8-11-19 エクレール乃木坂1F
☎03-6721-0086
ランチ(水〜土) 12:00〜15:00(13:00LO、*前日までの予約制)
  おまかせ10,000円、15,000円、18,000円
ディナー(月〜土) 17:30〜23:00(21:30LO)
 おまかせ 15,000円、18,000円、28,000円
※消費税、サービス料10%別
※緊急事態宣言中は、夜の営業時間を変更して営業しておりますので、店舗までお問い合わせください。

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次回のnote更新では店主の石田のコラム「3月の煮炊き」の予定です。お楽しみに!アカウントのフォローもしていただけるとうれしいです!

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編集・写真=江六前一郎

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