マガジンのカバー画像

ミニストーリー 「神くん」

5
神くんの1分ストーリー! 短めのお話で、一息ついてください!
運営しているクリエイター

2021年5月の記事一覧

神くん 「24時間」

神くん 「24時間」

いわゆる下界に住む者たちは寝るのが嫌いなようだ。

生き物は久しく眠るようになっておるはずなのだが、、なぜこの者たちは寝ようとしない?
寝るところがないのか?
いや、狭い箱が無数にあって、そこで寝る者がいることも知っておる。

夜中だというのに街のあちこちが明るくて仕方ない。これだけ明るいと、うむ、寝れないのも理解できる。

しかし今日も私は注目を浴びている。夜中でも、この神々しさは消せないようだ

もっとみる
神くん 「箱」

神くん 「箱」

いわゆる下界というところは窮屈だ。

こんなに狭い箱をなぜ好む?雨露をしのぐのも箱、移動するのも箱。
他の手段は、どうやらないらしい。彼らのことを非常に頭の良い者たちと見ていたが、まだまだ成長の余地はあるようだ。

しかしここは狭い箱とはいえ、何十人もいるので比較的大きい箱なのかもしれない。
座る者もいれば、私と同じく立っている者もいる。
同じ箱が何個も連なっていて、ずっとガタンガタンと揺れている

もっとみる
神くん 「神木」

神くん 「神木」

いわゆる下界というところは何かと疲れるらしい。

食べるためには働かなくてはならないし、働くためには健康でないとダメなようだ。
ならばじっとしてれば良いものを、と思うが、どうやらそういうわけにはいかないらしい。

しかし、そんな中でも次世代へバトンを繋ぐことを忘れない、まさに生命の鑑ではないか。
万物の霊長とはよく言ったものだ。

少しばかり、彼らを励ましてやりたい。
休みになると、神社仏閣を訪れ

もっとみる
神くん 「墓地」

神くん 「墓地」

いわゆる下界というところは何かとめんどくさい。

どこへ行くにも歩かないといけない。
むしろ、どこかそれを楽しんでるようにも見える。彼らにとって、「健康」のために必要なことのようだ。

自分にとって「健康」というものは必要のないものなので、ここはもう歩くのをやめよう。
というより、一度試してみたいことかあるのだ。
すでにリサーチ済みである。

歩道の端に立ち、おもむろに手を挙げる。
すると、一台の

もっとみる

神くん 「人気者」

いわゆる下界というところに来たようだ。

なんて騒がしい。頭がキリキリする。よくこんなところで生活してるな、とつくづく思う。
とはいえ、元はと言えば自分たちが創造した物がここまでになったんだから、彼らの努力も認めてやろう。

最近は彼らも「生命の起源」みたいなものに近づきつつあるようで、大したもんだと思うよ。頭良くなったんだねー。えらいえらい。
何にも考えてない奴らと思っていたけど、気がついたらこ

もっとみる