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スピード休職6

病欠で消化していた有給も、残り一日分。
背水の陣だ。と思ったらソッコー背水に飛び込みました。
もう後がない。
ここからが本当の背水の陣だ。
ソッコー飛び込みました。
欠勤、欠勤、欠勤。

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こんにちは!のがのです。
長々と書いておりますが、やっと休職への道筋が見えて参りました。
ここ数年、毎日毎日、職場での出来事が白くバシッと光って思い出されます。無い胸が潰れます。
「フラッシュバック」とは、言い得て妙ですね。
書いたら楽になるのかなと思いましたが、
あの職場に怪文書を送り付けたい気持ちに拍車がかかっただけでした。
でも、誰かが読んでくれていると思うと、私の気持ちが成仏していくようにも感じられます。ナムナム。
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【 臨界 】

クタクタだった。自分が煮物だったらどんなに美味しいだろうかくらいにクタクタだった。
仕事が多すぎる。こんなに出来ない。簡単なことが出来ない。
印鑑の押印だけで頭がいっぱいだ。

見かねた上司に呼び出される。
どうせまたろくな事じゃないだろうし、ろくな事じゃなかった。
ゴキブ…上司「のがのさん、今日すべき仕事は何?」

今日すべき仕事を伝える。私にとってはもう、いっぱいいっぱいな量だった。助けて欲しい。溺れてしまう。限界なんだ。

上司「それだけでしょ?できるよねぇ?」

こいつの前では泣くまいと、表面張力ギリギリで耐えていた涙が、臨界を超えて一粒、ぽろっと落ちた。
ショックだったけど、喚いたりはしない。
上司の顔を唖然と見たまま、涙が勝手に、ただ静かに、ぽろ、ぽろと落ちる。それはシュバルツシルト面に落下し、何を書いているんだ私は。
そのあとどんな会話があったのか、覚えていない。

その時の煮物にとっては、郵便物開封の儀だけでも重労働だった。私宛の郵便だ。書類作成やなんらかの依頼書が必ず入っている。ひとつ開封する毎に、ひとつ仕事が増える。もう、どうしたらいいか分からない。
付箋だらけのパソコンの上に封筒を並べ、フリーズすることしかできなかった。

わかってくれ。実は私はクタクタで美味しい煮物なんだ。煮物に仕事はできない。煮物であることを隠してここまで頑張ってきたんだ。何を書いているんだ私は。

【 自意識の肥大 】

自席に座れなくなった。
椅子を見るだけで不安になる。呼吸が浅くなる。
照明も音楽も、見慣れた何もかもが恐ろしい。
座っていると、私を監視する無数の目に睨みつけられているような恐怖。叫び出しそうだ。

今はわかる。その目は自分を咎める自分の目だったんだと。

誰かに見られている、誰かが悪口を言っている、誰かが笑っている、とか思い始めたらそれは不調のサインだ。それは全て、自分に見られ、自分に悪口を言われ、自分に笑われているのだ。自意識が肥大して、他人と自分の区別がつかなくなっている。

「この場所が怖いんです。座ることができません」
ゴキブ…じゃない方の上司が怪訝そうな顔をしている。理解されなくていい。私はその場から逃げた。それでも、私を睨みつける無数の目達が追いかけてくる。

【 限界の限界が限界で限界 】

体調不良が始まった1年半前から、毎日が限界だった。
高くなっていく限界のハードルを、まだいける、まだやれる、
と越えてきた。
それが突然、やったこともない棒高跳びになった。
高いのはもちろん、低いのだって、もう越えられない。

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読んでくださってありがとうございました。
成仏。

次回で休職できるかな。

2024年 4月  溶けきった煮物




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