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30年同じ会社に勤めていてもいまだに辞めたがっている人

職場を辞める原因で、筆頭にあげられる理由のひとつ、「職場の人間関係」。とくに上司と部下の関係が、取りざたされています。

「給与が低い」「いまの仕事にやりがいが感じられない」など、職場を辞める理由は、他にもありますが、やはり「職場の人間関係」が集団のなかで、日常を営むうえには、重要な要素となるのでしょう。

おもしろいことに、この「職場の人間関係」を理由に、会社を辞めていても、いざ転職活動をする段階では、前職を辞めた理由は、「やりがいが感じられなかった」「以前から転職希望先の事業内容に関心があった」に、すりかわるようです。

転職市場にでてくる表向きの転職志望理由での「職場の人間関係」は、ランキングには下位にくるようです。

では、「職場の人間関係」に不満を感じる理由はなにか。

もちろんパワハラのような理不尽なことが日常的に起こり、精神的に追い詰められているのでしたら、精神衛生上、転職を早期に考える必要があると思いますが、そうでない場合の「いさかい」「対立」などの「人間関係」の悪化はなぜ起こるのでしょうか?

たとえば二者の関係性でいうと、それぞれにもっている「ルール」が、ぶつかり合うことで、関係性が悪化してくるのではないでしょうか。
Aさん 「職場の伝達事項は、メモによって円滑に行うこと。」
Bさん 「職場の伝達事項は、口頭にて円滑に行うこと。」

Aさん、Bさん、どちらが上司で、どちらが部下かによって「伝達事項」の方法が違ってきますが、これが他人にどうしてもゆずれない強固な信念が、ぶつかりあったら、人間関係は悪化しそうですね。
そんなささいな積み重ねが、「人間関係の悪化」を起こすのでは、ないでしょうか。

また、まわりの人たちからけむたがられている人の存在。
特に、ある持ち場で一定の影響力をもち、公的利益より自分のルールで、成否を判断する人。
やっかいなゲートキーパー的存在。

そういう人は、勤続年数があり、周りからは、その会社に永遠にいるのではないかと、感じさせる人。

では、こういう人が、なかなか会社辞めずに、長く勤められるのは、なぜなのでしょう?

それは、その会社にとって、そのような人を必要としている会社全体の「価値観」が、どこかで生きているからではないでしょうか。

30年以上会社を辞めたい気持ちを捨てきれない


ところで、私のクライアントさんで、学校卒業から同じ会社一筋で、大手企業に30年以上勤めている方がいらっしゃいます。

仕事の取り組み方は、まじめで、今部下40人を抱える部長職を担っております。
そんな彼の悩みは、「会社を辞めたいと常に思っている」ことです。
これといって「職場の人間関係」に問題を抱えているわけでは、ありません。

むしろ、優秀な人であるからこそ、キャリアアップを意識して、転職・独立を念頭においていることなのでしょう。
今は、数年後の役職定年をむかえるにあたり、じっくりと独立の準備をしておられます。

コミュニケーションで職場環境を改善する試み


ある小規模製造業の幹部の方は、会社従業員の離職に歯止めをかけようと、今年から「コミュニケーション」を重視する取り組みを始めました。
「職場の人間関係」の改善をはかるには、結局「コミュニケーション」を円滑にすることが重要だ、とのとらえかたです。

会社全体の価値観を徐々に変えていき、優秀でまじめな人が働きやすい環境を整える。
いわば「悪貨が良貨を駆逐する」ことを排除する取り組みです。もちろん従業員の「価値観」「ルール」を把握することも積極的に行っています。

「コミュニケーション」をどう生かすかで、進むべき道が変わってきますが、幹部自ら取り組みを始めたのは、その会社にとって心強いですね。



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