2歳児をリビングに残し、一人浸かった湯船

娘との日々を綴ります。

お見苦しければすみません。
今日はちょっと、言い訳ばかりたくさん並べます。

伝えたいのは最後の方だけ。
みんな知っていること。

あの日は芯まで冷えていて、
自律神経の乱れた私には、とにかくキツい一日だった。
体がこわばっていて、背中が痛い、頭が重い。
娘は眠いのか機嫌が悪く、なにかにつけて駄々をこね、

欲しいと言った苺のパックを手に待ち、
スーパーの床にひっくり返って泣く。

陳列棚に手を伸ばす娘を、
何とか笑顔と甘い言葉で押さえ込み、

コロナコロナと勝手に感じる他人の目と
自分の不安を洗い流すため、

見かけるたびにアルコールを手にかける。
緊急事態宣言が出ると言うし、
食材を買いに行く頻度を減らそうと、

気合を入れて買い込んだ袋は重く、
抱っこをせがみ始めた娘を見て、後悔。

これが途方に暮れるというやつ。

立ち尽くす足に気合を入れ、

歯をくいしばりながら、

重たいスーパーの袋と保育園バッグと
成長曲線の上を行く15kg間近の娘を抱え、

腕がちぎれそうという悲鳴と泣き言を心にしまい、

娘をあやし、
家路を急ぐ。
作った食事は、娘に受け入れられず、
仕方なしに出すのは、今日も大好物のレトルトカレー。

成長曲線の上をいくといっても、食べないのだ。
好きなものしか。
少し緊張しながら、娘に「お風呂行こ〜?」
と誘う。

「イヤ〜!」

...ですよね。

いつもなら、私はここから寸劇さながらに、

アンパンマンやバイキンマンやしまじろうを操り、
お風呂での実験や遊びのアイディアを生み出し、

彼女を巧みにお風呂に誘います。

2、3回の試行でいつも彼女は折れてくれ、
その日もきっと、そうなったでしょう。

でも、私は元気な母を演じられなかった。

今日はお風呂を諦めて、
布団に誘って寝かしつける体力を残しておこう。

そう思った矢先、彼女が言うのです。

お風呂入るやだ。
ママ入って!

え??入っていいの?

うん!!
入って!

えー!!

そんな選択肢があるとは思わず、私は驚きました。
(あ、選択肢は本来はないんです。すみません。)

しかし、寒いし具合も悪いし、お風呂に入って体を温めたい。

彼女を置いてお風呂に入れないことも無いかもしれない。

10分...10分で上がれば、大丈夫かもしれない。

意を決して、私はベビーゲートを並べ、

各部屋のドアを閉め、

机の上の小物を片付け、

テレビをつけて、

娘をソファに座らせました。

ママ、ほんとにお風呂入るよ?
娘ちゃんは入らないの?
うん!
ママ、入って!

すでに娘の視線はテレビに釘付け。

私は脱衣所のドアを開けたまま、
娘の気配を感じられるようにして、

いそいそとお風呂に入りました。

一人でちゃぷんと浸かる湯は、なんだか不思議。

30秒ほどの沈黙の時間。

リビングに耳をすませながら、
頭を洗い、体を洗い、泡を流し、

大急ぎで脱衣所へ。

緊張と不安が混じる気持ちで、娘をのぞき見ました。

彼女はソファに深く腰掛け、くつろいでおり、私があがったのに気づいて言います。

ママ、お風呂入った?
見て〜、歌ってるの。

私は2歳児の無邪気な姿を見ながら、中学生頃になった彼女の姿を想像していました。

いつか、これが日常になるんだなぁ。

そして、いまが非日常になる。

ママ、お風呂入ったの?

彼女はワクワクしたような顔をして、また聞きます。

彼女にとっても、それは非日常だったんでしょう。

片付け忘れた箱ティッシュの中身が散乱していて、私はそれを詰め直しながら、ほこほことした気持ちを感じていました。

でも、もうしません。

そのあとの娘の反乱でしっかり体も冷えてしまい、

あんな入り方じゃあ、お風呂に入った気もしなかったですから。

コロナの終息を祈っています。
医療従事者の皆様、保健所の皆様、毎日、本当にありがとうございます。

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