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変わりゆく朝の渋谷を撮り歩いた話【写真30枚】

この工事はいつ終わるのだろうか。渋谷駅周辺の再開発工事が始まってから20年。一向に終わる気配が見えない。

2000年に渋谷マークシティが開業。以後、渋谷駅周辺の再開発が進んでいき2019年にはまだ記憶に新しい渋谷スクランブルスクエアが誕生した。この再開発プロジェクトは今のところ2027年以降のリニア中央新幹線が開業するまで続いていく見通しだという。

そんな再開発工事の裏では二度と見ることができなくなった景色がある。
昭和26年(1951年)には渋谷の東横百貨店の屋上と玉電ビル(東急東横店 西館)の屋上を繋ぐケーブルカーが運行開始。名は「ひばり号」

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運行開始直後のひばり号の人気は上々で乗車待ちの列ができていたほど国民に愛されていたが、玉電ビルの工事に伴いなんとわずか2年で廃止されてしまったという。

もし今もひばり号が走っていたら窓からは大迫力のスクランブル交差点を見ることができただろう。昔話すぎるのと例えがぶっ飛びすぎてしまってはいるが、このひばり号もビル工事の犠牲となってしまった存在と光景。

存在が無くなってしまってからでは遅い。今の景色と文化を撮るのが写真の醍醐味でしょう。そんなことを自分に言い聞かせていつものように渋谷の朝を撮り歩いてきました。

これはそんなとある日の撮影記。

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今回は光の魔術師(勝手に命名)ことSeiji(@dfg_mgk)さんと撮影に行ってきました。8時にTSUTAYA前で落ち合い雑談しながら渋谷を練り歩いていく。


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撮りまわっているとやはり巨大クレーンが目に付く。変わりゆく渋谷を象徴しているのは巨大なオフィスビルや迷路のような駅でもなければこのクレーンなのかもしれない。

この位置にこのサイズのクレーンが置かれているのも今しかないんだよなぁと思いながら構図に入れ込んでいく。再開発プロジェクトが終わった後に写真を見返すと今日の記憶がフラッシュバックしてくるだろう。


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Seiji(@dfg_mgk)さんは圧倒的に光を読む能力が長けている。季節や時間帯によって変わっていく光の傾きや方向、質感などを熟知しており、一緒に撮影しながら感心していました。

一方、私はというと大雪の日にも撮るくらいには渋谷によく来るので撮影スポットを人よりは多く知っていると自負しています。

いい感じの光が入るであろう場所を提案する自分と、見事なほどに光を読むSeiji(@dfg_mgk)さんが上手くハマっていき自分たちでも驚くほど納得度の高い写真が次々に撮れていきます。

人と撮影しても両者の長所が存分に発揮されることは実はそんなに多くなく、片方の長所しか発揮できずもどかしい気持ちになることが多いのですが、撮影フィーリングと生まれる写真が比例していく感覚は久しぶりだったので撮影開始1時間ほどでだいぶ心は満たされていました。


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撮影に用いたカメラは現在Panasonic様からお借りしているGH5M2
お借りしてから3か月が経過し徐々にクセを掴みつつあります。過去にレビュー記事を書いているのでぜひご覧ください。


レンズはLEICA DG SUMMILUX 25mmF1.4
自分好みの焦点距離換算50mmということもあり、基本的にはこのレンズを付けっぱなしで撮り周りました。

そしてLEICA DG NOCTICRON 42.5mmF1.2
先日レビュー記事も書いたこのレンズはやはり最高の描写をしてくれます。毎回その描写力につい甘えてしまうので今回はここ!という要所とボケの表現が欲しいときにのみ使用しました。


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東急百貨店付近に着いたのは10時半ごろ。撮影に夢中になりすぎてあっという間に2時間半も経過していました。

撮影の狙いどころについて会話するのはもちろん、合間に今お借りしているLUMIXについてや二人とも共通して使っているFUJIFLIMのレンズの話で盛り上がる。機材の選択理由から撮影思考が垣間見えてくるので機材の話も楽しくて好きだ。


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徐々に光の質が変わってくる11時。冬の朝特有の柔らかく差し込んでくる光から徐々に上から降ってくる硬い光へ。

シルエットや差し込んでくる光を撮影するうえで意識するのは背景とモノの動き。一部にのみ光が当たっている場合は被写体以外の情報が遮断されるので人の動きを強く意識する。ただ通行人を入れるのではなく、躍動感が伝わるようなフォームであったり疾走している瞬間を狙って撮ることで被写体により注目するからだ。

逆に複数箇所に光が当たっている場合は背景をより広く、情報量を多く入れる。前面に光が当たっている背景を選択すると写真がのっぺりとした印象になってしまうが、光の当たっている箇所はまばらであることで写真に立体感を生み出してくれる。


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朝の短い撮影の締めはやはり進化を続ける渋谷の開発模様。老朽化が進んでいる渋谷駅西口の上で進んでいる工事の様子は迫力があった。

他にも撮影した写真を何枚か載せて今回の撮影記は終わりとさせていただきます。

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