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【作例あり】XF8mmF3.5 R WR レビュー いざ超広角の世界へ

遂にXシリーズに登場した超広角単焦点レンズ「XF8mmF3.5 R WR」

このレンズを心待ちにしていたフジユーザーも多いのではないでしょうか。単焦点で最も広いレンズは14mm、ズームレンズでは8-16mmという焦点距離のレンズがありますが、価格も高くデカ重なことを考えると初めて現実的な超広角レンズが登場したと言っても過言ではないかもしれません。

今回はこの「XF8mmF3.5 R WR」をレビューしていきます。


XF8mmF3.5 R WR

Xシリーズのレンズはで最広角となる焦点距離8mm、35mm判換算12mm相当の単焦点レンズ。

長さ約52.8mm、重さ約215gの小型軽量設計となっており超広角の世界を気軽に味わうことができます。日常や旅行だけでなく風景や建築物の撮影等あらゆるシチュエーションにおいて使用が可能となっています。

超広角レンズには出目金レンズと呼ばれる前玉が飛び出した形状により保護フィルターをはじめとするフィルターを装着できないデメリットがありますが、このレンズはフィルターの装着が可能となっています。

さらに鏡筒は10カ所にシーリングを施した防塵・防滴・耐低温(-10度)構造になっているため、厳しい環境下においても撮影が可能なのは撮影者にとっては心強いでしょう。


XF8mmF3.5 R WRのスペック


まずはレンズのスペックからチェックしていきましょう。

価格:約110,000円
焦点距離:8mm(35mm判換算 12mm)
F値:F3.5
最短撮影距離:0.18m
レンズ構成:9群12枚
絞り羽根:9枚
フィルター径: 62mm
手振れ補正:なし
長さ:52.8mm
重さ:215g

価格については11万円前後となっています。安いと捉えるか高いと捉えるか何とも言えない絶妙な価格設定となっています。実際に使ってみた感覚としてはアリな価格かなと思いました。安い価格ではないですが、他にないレンズかつ軽量コンパクトということを考えると悪くないという感覚です。

解放F値は3.5と少し心もとないのがどう出るか。超広角レンズで屋内撮影が多いことが想定されるレンズだけにもう少し明るい方が理には適ったかなという印象。これがF2.8になったとて次はもう少しコンパクトにできなかったのか!という意見も出てきそうですが。

最短撮影距離は0.18mと短く、被写体からレンズ先端までの距離は10cmまで寄ることができます。これによりどんな写真が撮れるかは後程作例を載せます。

レンズ構成は非球面レンズ3枚とEDレンズ2枚を含む9群12枚。歪曲収差や球面収差、非点収差を抑制しており、これも写りが気になるところですね。フォーカス方式はインナーフォーカス方式となっています。

何と言ってもこれらのスペックを長さ52.8mm、重さ215gの軽量コンパクトに抑え込められているのが最大の特徴でしょう。


XF8mmF3.5 R WRの外観


次にレンズの外観を見ていきましょう。

鏡筒にあるのははフォーカスリングと絞りリングのみでシンプルなデザインとなっています。

前玉は若干出ていて僅かな膨らみがありますが、フィルターやキャップ装着の妨げにはなりません。

持った時のサイズ感はこんな感じ。

重量は全く違いますが、サイズ感はキットレンズのXC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZに近い気がします。

Xシリーズのレンズにはもっとコンパクトで軽いレンズがあるため、持った瞬間に圧倒的な軽さを感じるわけではないですが、これで8mmの超広角を撮影できるのか、とかねてよりのフジユーザーは感動するのではないでしょうか。

そのくらい超広角は選択肢が少なく、サイズと重量にも苦しめられてきましたからね。


 


X-T5とXF8mmF3.5 R WR

X-T5に装着してみました。

X-T5の高級感とレンズの質感、そして絶妙なボディバランスと相性の良さは抜群です。


X-S20とXF8mmF3.5 R WR

こちらも新発売のX-S20にも装着してみました。

強化された動画性能と小型軽量の超広角レンズは自撮りに最適な組み合わせです。セットで使う想定をされているだけあって相性の良さが感じられます。

そんなX-S20のレビュー記事も公開しているのでぜひご覧ください。


XF8mmF3.5 R WRのレビューと作例

さぁそれでは実際にこのレンズで撮った作例と使用感について記していきます。


縦横無尽、全てを写す

想像以上の画角の広さ、どこを撮ってもダイナミックに写る超広角での撮影は単純に楽しいです。肉眼とこれまでのレンズでは見ることの出来なかった光景に感動したのが最初の感想です。

逆に広いがゆえに何でも写り込んでしまうのが超広角の難点ともいえます。常に撮影地点、周囲の状況、構図の組み立て等に注意を払っておかなければこのレンズを活かすことは難しくなります。

標準域や望遠域であれば注目したポイントをどう切り取るか考えますが、このレンズにおいては何かを注目するというよりも視野にぼんやりと写っている状態からさらにもう3歩下がったものを俯瞰して見る目付が必要になります。いきなりその目付をするのは難しいですが、慣れていけば使うポイントが何となく分かってくるという意味でも辛抱強く付き合っていく必要があるレンズなんだと認識しています。

気になっていた解像感について。この新幹線の写真は解放絞りF3.5で撮影しましたが、ピント部はしっかりと解像しており、周辺部については若干甘いかなと言ったくらいで思っていたよりは解像します。

F5.6、F8ともなると周辺部の解像感は改善されます。理想は絞り開放からしっかり解像されることですが、小型軽量であるにもかかわらずここまでの描写性能をしてくれるのは個人的には好印象です。

この画角ゆえに周辺が引き伸ばされているような写りをしますが、これを違和感と捉えるか面白いと捉えるかで分かれそうですね。


超広角ならではの奥行き感

何も広さとダイナミックさだけが超広角レンズではありません。

肉眼よりもさらに誇張された遠近感。それほど長くない道であったとしてもあたかも果てしなく続いているような道に見えてしまう、気持ちのいい表現ができるのも超広角レンズの特徴の一つ。

このように近いものはより近く、遠いものはより遠く誇張されて歪むことをパースと言います。このパースを活かすには周辺部に配置する被写体に近づく、もしくは上を見上げるように撮るのが効果的です。

FUJIFILMの色や質感については以下の書籍にて言語化されています。作例も多く掲載されていて、写真集としてでも楽しめる本となっています。おすすめです。


デフォルメで印象的に

最短撮影距離が18cmということでレンズの先端部から被写体まで約10cmまで近づくことができます。

先ほども触れたように超広角ならではの引き伸ばし効果も相まって印象的な写真を撮ることができます。


頼もしい逆光性能

ここまで広い画角ともなると自然と太陽などの強い光源が入りこんでしまいますが、厭らしいフレアやゴーストが出ないのは結構嬉しいポイントなのではないでしょうか。

広く撮れることで出来る幅広い表現、解像感、軽くて小さい、おまけに逆光性能も良いときたら結構盤石なレンズなのではないでしょうか。

AFも速い、正確、静かですから使い方次第ではどんなジャンルにでも用いることができます。これまで埋めることの出来なかった最後のピースが遂に揃ったように思います。


他の作例

上記のレビューでは載せきれなかった他の作例を載せておきますので、参考程度にご覧ください。


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