水2リットルと青いパンツ
みなさんは占いを信じるだろうか。
ぼくはどちらでもない。
しいて言えば、意識するかしないかの問題だと思っている。健康面で指摘されれば、健康に気をつかうようにはなるかな、くらいだ。
だから、自分の生活を見返すキッカケとしては面白いなと思う。
今日は、パイセンと一緒に初めて占いをうけたときの話。
ーーー
ぼくが初めて占ってもらったのは、どこかのショッピングモールの2階。仕切りの壁だけある簡易的な、あれ、だ。
パイセンと2人で好奇心というより暇をつぶす目的で入ってみた。
「1回1000円ね、どうする?ふたりでみる?それともひとりずつ?」
確か50代くらいの女性だったかな、あまり覚えてないが、席が一つしかないのに2人でみるってどういうこと?ボブスレー??と思ったことは覚えている。
「じゃあ、ひとりずつで。」
まずはパイセンから。名前やら生年月日やらを書いて、みてもらった。
「そうね、あなたは海ね。」
「はあ、うみ??」
ぼくは内心うしろで笑っていた。なぜって、岐阜で1番海が似合わない男こそ、このパイセンなのだから。なんたる皮肉。
パイセンは身長180センチのガリガリで気怠そうな高橋一生をイメージしてほしい。斜に構えたアルパカともいえる。ところで、海のない岐阜県で海が似合う男は産まれるのだろうか。
他に何か言われてた気がするけど忘れた。ただ、その占い師のアドバイスはこんな感じだった。
「あなたは海だから、水ばっかりなの。植物は水のやり過ぎでどうなる?そう、腐っちゃう。だからあなたは太陽が必要ね。」
おー、なんかそれっぽいな。でも太陽が必要とはどういうことなんだろうか。
「なるほど、で、僕はどうしたら?」
「赤いパンツね。」
は?
失礼だが、は?と思ってしまった。あまりにも唐突だったから。
「赤いパンツぅ?」
パイセンも半笑いだった。
「パンツである必要あるんですか?笑」
「んー、パンツじゃなくてもいいけど、とにかく赤いものを身につけなさい。」
「赤ってコーディネート難しいじゃない?あなた赤着なさそうだし、パンツなら隠れるじゃない?」
いや、もはやピーコやん。コメントがファッションの人やん。赤は目立つから、靴下で差し色くらいじゃなきゃダメよ。じゃねーわ。
「ハンカチとかにしときますね。」
「じゃあつぎ、のぶや!」
パイセンはおれを逃してはくれなかった。ぼくも、あれこれ書いてみてもらうことに。
「あー、なるほどね。あんたら相性いいわ。」
そりゃ2人でここにきてますからね。そう思ったが、口に出すのはやめといた。
「あなたは、太陽ね。太陽3つ!」
ええっと、、SUNってこと?
もうここまでくると、絶対に笑ってはいけない効果でめちゃくちゃ面白くなってきた。だって太陽3つってノリがイカ2貫やん。千鳥やん。
「あなたは海、そしてあなたは太陽。相性バッチリね〜。」
いや、それはもう分かったから。なんか、もっと具体的な何かを教えてくれ。もはや占い師の声が、大吾で再生されてしまう。
「それで太陽3つとは??どういうことなんですか??」
「うん、あなたはとても才能に恵まれていて、周りを照らし続けるわ。でもね、ずっと日照りが続いたら才能も乾いていってしまうの...」
なんか微妙にいいこと言うんだよな。占い師は続ける。
「そうならないためには...」
「そうならないためには??」
…
すごく嫌な予感がした。うん。みなさんもそうだと思う。占い師の答えはこうだ。
...
...
...
「青いパンツを履きなさい。」
パンツっ!!!もうえぇんじゃパンツはぁ、、くどいぃ。
ぼくのノブが四角い顔をしてツッコむ。
「あー、でも加湿器でもいいわ。それかお水、2リットル毎日飲みなさい。」
どういう占い??
お肌とか喉とかに気をつけるために夜は加湿器たいて、普段は常温の水2リットル飲んでます。じゃないわしょうもない。なんでもありか。
20分そこそこの暇つぶしだった。
話のネタとしては、まあよかったのかもしれない。占い師さんにはとても失礼だが、本来の楽しみ方ではなかった気がする。
もはや終盤あの人も笑ってたから良かったと思う。
ぼくの占い初体験はこんな感じだ。
後日談だが、パイセンは真っ赤なパンツ履いてるし、ぼくも真っ青のパンツを履いている。水も飲んでいる。
もしかしたら、あの占い師は未来がみえてたのかもしれない。
いや、シンプルに胡散臭い。
(終)
*パイセンとのくだらない話シリーズも合わせてどうぞ。
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