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焙煎集

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詩的焙煎の記録
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2023年4月の記事一覧

14.タンザニア・フルーツマウンテン

14.タンザニア・フルーツマウンテン

焼く、挽く、淹れる、飲む、同じようにみえることの繰り返し。毎日同じようなことではあるけど、毎日少しずつ違うことの繰り返し。繰り返しを繰り返す。季節が変わり、時代が変わり、世界が変わっても、或いは変わらなくても、繰り返す。今日も焼く。前回深煎りに焼いたタンザニア・フルーツマウンテンを中煎りに。名前から連想するに、恐らく果実味が特徴的な豆なのだと思う。味と香りに果実味をもたらせたらいいのだけど。気温1

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13.ペルー オルテギア

13.ペルー オルテギア

焙煎における失敗とは何だろうか。成功も失敗もない、そう言えばそうなのだが、そう言って仕舞えばそれまでなんだろう。正解も間違いもない、成功も失敗もない、なんて容易く言いたくない。美味しいと思ってもらえるものをつくりたい。前回深く焼き過ぎて失敗したペルーを中深煎りに。気温は13.4℃と少し低め、色の変化を見逃さないように中火で慎重に焼き始める。1ハゼは、9分20秒あたりから始まる。前回同様、爆ぜる音は

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12.タンザニア・フルーツマウンテン

12.タンザニア・フルーツマウンテン

焼く、挽く、淹れる、飲む。黙々と、粛々と、淡々と。いつもと変わらない日常のようで、日々変わり続ける日常は、まるでそう珈琲のようだ。いつもと同じようにコンロ周りにアルミホイルを敷き、ピッキングし、タイマーをセットし、火をつける。気温20.7℃、強めの中火で、深煎りを目標に焼き始める。色の変化スピードが早く、まだ爆ぜてないのに1ハゼの音も聞こえたように感じて、慌てて火加減を調整する。強めたり、弱めたり

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11.ペルー・オルテギア

11.ペルー・オルテギア

どんな道を歩もうとも、駆け出しの若者にできることは何度も失敗すること。量より質を問うことができるのは熟練の達人のみであり、未熟者は質より量をこなすのみである。今回はペルー・オルテギアを深煎りに。気温は20℃と春の陽気、焙煎の進むスピードは早くなりそうなので、火加減をいつもより弱めて、中火で焼き始め。1ハゼは8分40秒あたりから、火加減の調整からかイメージより少し遅めの1ハゼ。12分30秒あたりまで

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10.ケニア AA

10.ケニア AA

焙煎の回数も10回を超え、慣れた手付きで準備を始める。初心忘るべからず、とは言うものの、あの瞬間あの場所あの状況あの自分が心に抱いていたものを忘れずにいることは簡単ではない。それより今の自分が今こここの瞬間に思うことの方が大切なんだろう。今回は焼き終わりの見極めが難しい中煎りを目標に。気温は17℃、生豆の状態で重さは103g、前回のマンデリンと比べて欠点豆も少なく、さっとピッキングし、強めの中火で

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9.インドネシア マンデリン G1

9.インドネシア マンデリン G1

今回の焙煎はマンデリンを中深煎りに。前回同様、やはり欠点豆が多い。ピッキングの練習である。豆を見て、観て、視る。今は100gと少量だから選別しやすいけれど、当然量が多くなればなるほど、難しくなるわけで。時間をかけても丁寧に、おいしいものは丁寧な仕事から生まれることを知っているから。気温は12℃と高くはなかったので、強めの中火で焼き始める。1ハゼは9分頃から始まる。換気扇の音に勝る太く強い音が響く。

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