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小室等さんのこと

「小室等さんと平和を歌う」というコンサートに行ってきた。
ギター一本。
昭和のフォークシンガーだ。
79歳だそうだが、座って歌うなどという事はなく
しっかり立って衰えない声で弾き語りを見せてくれた。

「雨が空から降れば」という曲は
劇作家の別役実さんの作詞である。
火星から落ちてきた火星人のスパイが、
雨の中、公園の池に針をつけていない釣り糸を垂れる
という場面で歌われたそうだ。
その時のスパイ役が、あの日本昔話の常田富士男さんだったとか。

北島三郎で有名な「帰ろかな」は永六輔さん・中村八大さんの曲だが
元々はジャズアレンジで歌える曲だと、
そういう感じ(セブンスとかナインスとか?)のアレンジで歌ってくれた。

平和ということで、
「死んだ男の残したものは」やその続編とも言える
同じ谷川俊太郎さん作詞の「おしっこ」という曲、
チェルノブイリの原発事故後に、支援していた人たちと
ベラルーシに行った時の話などもしてくれた。

色々話を聞く中で、
「あれ、この人もあの人も亡くなってしまったんだな」と思う。
「逢いたい」という言葉を何十回と繰り返す曲を聴きながら
自然に泣けてきた。


誰かの死は乗り越えるもんじゃないんだな。
そっとそこに置いて、時々振り返って見るものなんだな。
小室さんを見ていると、そんなふうに思えてきた。



本人からの「写真オーケー」
私のスマホではこれが限界

聞いたことがない人は、是非ユーチューブで
「雨が空から降れば」や「私は月には行かないだろう」や
「誰かが風の中で」「おはようの朝」など、聞いて欲しい。



私が好きなのは「一匹のかに」と言う曲なんだけど
それは、どのアルバムにもなさそうで
しかも谷川さんの詩集にも忘れられている。

ユーチューブには違う人が歌っているのがあった。
わりと再現していた。


行って良かった

と声を大にして。


(0075)

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