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【やまのぼ ブックレビュー No.22】「日本人はもうセックスしなくなるのかもしれない」湯山玲子と二村ヒトシの対談集<幻冬舎>を読んだ。

「結婚適齢期」とは、男女が結婚するのに適切とされる年齢範囲のこと。しかし、それは国によっても、文化や社会、あるいは時代によっても大きく異なる。

現代のわが国では、大きく晩婚化しているのは、ご存知の通りだ。極端なことを言えば「結婚適齢期」は、わが国において、すでに死語になっている。

<やまのぼ>の青年期では、なんの疑いもなく「結婚するのが当たり前」の社会通念があった。<やまのぼ>は5人兄弟の末子で、兄や姉が年齢順に結婚し、独立して行くのをみて育ったので、自分も何の抵抗もなく結婚した。

あのころ「わたしは、結婚なんてしない!」という選択肢を、考えもしなかった。

ところで、本書で、湯山氏によると「草食化」とは、単にセックスしないという意味ではなく、男による男からの逃避でもあると説く。が、あくまで、それは、「男らしさ」とか「女らしさ」を前提にした解釈のように思う。

男はこうであるべきだという固定観念にとらわれているのだ。「草食男子」は、「生き方の自由度が緩和された時代の産物」のひとつの現れだと<やまのぼ>は思う。

また、湯山氏は言う。自由を縛り、縛られる不自由さを快感と、感じる回路が「恋愛」だと。これには<やまのぼ>も同感である。

また、恋愛の醍醐味って、好きになったことで、こっちの価値観が変わること、と説く二村氏にも、<やまのぼ>は賛同した。

アダルトビデオ監督である二村氏と、著述家でプロデューサーのパワフルな湯山氏の対談集であるので、市井の人からかけ離れた話も多いのだが、結構考えさられることもある対談集である。

タイトルから受ける印象だと、日本の将来を危惧している話なのかとも思われがちだが、けっして「もっとセックスに励んで、人口減少に歯止めを!」という本ではないのは確かだ。

<やまのぼ>は、本書を読んで「セックスレス」も、生き方の多様化のひとつにすぎないと思った。要は、自分の生き方について、他人様からとやかく言われるものではないし、責任さえ負えるのなら、あくまでも自由であるということだ。

「人生にはルールはない!あるのは、自己責任に裏打ちされた自由だ!」が、<やまのぼ>の生きて行く羅針盤であることを再確認した一冊だ。


<やまのぼ>のお薦め度 ★★★☆☆
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<やまのぼ>のお薦め度規準
(独断と偏見です。あしからず)
★★★★★ 蔵書にして読み返したい
★★★★☆ 読みごたえありでお薦め
★★★☆☆ そこそこ読みごたえあり
★★☆☆☆ 時間つぶしにはなります
★☆☆☆☆ 本屋での立ち読みで充分
☆☆☆☆☆ 時間の無駄使いだけです


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