【連載小説】母娘愛 (2)
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「その人って牛田に住んどる資産家なんよ・・・」母は少し控えめに言った。「あの牛田の?資産家なのかぁ~?」復唱する裕子の身体に、激しく稲妻が走る。静かで落ち着いた住宅街として、広島で断然人気のある牛田。その街並みを思い出してみる裕子。心の色は、ブルーからピンクに変わろうとしていた。
「会うだけでもいいの?」裕子は、高鳴る感情を隠すように淡々と問う。
「そうなの!会うだけでもいいのよ!」母の声は不思議と強気で、とても乗り気で、柔らかな優