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地域おこし協力隊としてのコラム。

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2022年4月から着任している地域おこし協力隊での活動を通じて、感じたこと・考えたことを綴っています。
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#自分

できることと、やりたいこと。

昨年の4月から、地元の宮城県美里町で地域おこし協力隊を務めている。1年目は種を蒔き、2年目に芽吹かせ、3年目に花を咲かせる。一般的に最長で3年と言われる任期の中で、自分の活動および事業を進めるイメージである。2年目を過ごしている現状を踏まえても、個人的にしっくりきている考え方だ。 種を蒔いた1年目を経て、地域に知り合いが増えてきた。さまざまなイベントや企画を通して、協力隊として、あるいは僕個人として認識いただいている。そして、この地域で何かしらの自己表現や地域貢献を目指すよ

企画倒れを受け止めて。

地域の企業を巻き込んだとある企画が、参加人数の不足により中止となった。企業の方は「日を改めて秋頃に開催しましょう」と言ってくれたが、さあ果たして、実際の未来はどうなるだろうか。あまり意気込みすぎることなく、いやもちろんリベンジしたいけれども、できるだけフラットに生きていようとは思っている。 中止による精神的なダメージは、正直なくはない。せっかく声をかけて賛同してもらえて、楽しく打ち合わせもしていたのだから、予定通りに開催したかった。何より僕個人が、今回の企画を楽しみにしてい

地域に種を蒔いて。

ある程度のところまでは、できたのではないだろうか。そんな問いを抱きながら、自分自身を勇気づけている。 一般的に最長で3年の任期とされている地域おこし協力隊。市町村外から移住のともに未来やスキルのある人材が委嘱され、そのおもな目的は「定住」である。隊員としては任期中に起業するなり就職を決めるなどして、その自治体に住み続けることが理想とされている。 とはいえ、基本的にゼロから始まる地域での暮らしは、そう簡単な話ではない。1年目に種を蒔き、2年目に芽吹かせ、そして3年目に花を咲

どれだけペースを保てるか。

地域おこし協力隊として、2年目の活動を迎えている。気づけばもう6月も中旬に差し掛かり、今年度もあっという間に2ヶ月を過ぎようとしているわけだ。ここまでの自分の活動を振り返ると、どうしても「できていないこと」が目につく。それはほかのまちの先輩隊員をはじめとする、自分以外の隊員の活動と比べてしまうからである。あるいはあえてポジティブ言えば、自分自身に期待しているからである。 調子に乗って、ここらで自らを勇気づけてみることにする。たとえば今日は、良い意味で仕事にならない1日だった

ガールズバーとまちづくり。

新卒で就職したての頃、先輩との飲み会の帰りにガールズバーへと連れて行ってもらった。正直そこはまあ、料理やお酒の質が高いとは感じられず、それでも結構いい値段がした記憶がある。もちろん席には女性の従業員がついてくれて、その場を盛り上げてくれてはいたのだけれど、当時の僕は人間的に今よりずっと未熟だったこともあり、その「陽のノリ」を受け入れられずにいた。 割に合わないなあと思っていた。これしか飲んでいないのに、あれしか食べていないのに、そんなに値段がするのかい、と。ただ今となれば、

信じるということ。

占いという概念が苦手である。たとえば占い師に“僕の未来”を話されたとて、いったいどう捉えればいいのだろう。ポジティブな内容には喜び、ネガティブな内容には落ち込むのだろうか。それを踏まえて、未来に向けた行動を変えようと思うのだろうか。いや、ポジティブなものしか聞こえないような気もする。というか僕はそもそも、未来の話をすっかり信じることができないし、結局占いがあろうがなかろうが“僕の未来”は変わらないというか、つまるところ自分次第だと思う。ここに帰結してしまうから、占いとの距離感

本質をつらぬけ。

総務省が主催する、地域おこし協力隊対象のオンラインセミナーを受講した。おもなテーマは、任期満了後の起業について。ビジネスの専門家や協力隊のOBが登壇し、その知識や経験を授けてくれた。特に移住先で実業家として活躍する“先輩隊員”の話は説得力があり、おこがましくも少しばかりの共感もあり、とても興味深い内容で満ちていた。 とはいえ、その軌跡は、ときに僕を情報過多に陥れる。協力隊時代はどんな苦労をどんなふうに乗り越えて、卒業してからはどんなことを考えて行動に移して生きているのか。1