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ガールズバーとまちづくり。

新卒で就職したての頃、先輩との飲み会の帰りにガールズバーへと連れて行ってもらった。正直そこはまあ、料理やお酒の質が高いとは感じられず、それでも結構いい値段がした記憶がある。もちろん席には女性の従業員がついてくれて、その場を盛り上げてくれてはいたのだけれど、当時の僕は人間的に今よりずっと未熟だったこともあり、その「陽のノリ」を受け入れられずにいた。

割に合わないなあと思っていた。これしか飲んでいないのに、あれしか食べていないのに、そんなに値段がするのかい、と。ただ今となれば、その時間や空間も含めた値段だったということが理解できる。すなわち当時の若い僕は、お金を払うことで「一方的につくりあげられた」サービスを受けられる、ということしか考えられなかったわけである。その文脈で言えば、たとえばガールズバーは「双方的につくりあげる」サービスであるように思う。責任を持って共に盛り上がり、そこで味わえる体験にお金を払うわけだ。

まちづくりも後者のパターンに近いのではないかと、ふと思った。ここまで地域おこし協力隊あるいは会計年度任用職員として役場に勤めているが、町民の方々の中には、税金を納めることで「一方的に」良い制度や施設の恩恵を受けられると考える人がいる。むかしの自分もそうであったし、まったくもってわるく言うつもりはないのだが、そんなスタンスよりもやはり行政と町民が「双方的に」あるのが、まちづくりとしての理想なのではないかと思えているのだ。結局まちの主役は、そのまちに住んでいる人々であると思う。

そのために僕は今後、双方的になれるような仕組みづくりに励む必要もあるだろう。どちらか一方だけが頑張るわけではなく、そのどちらもが歩み寄れることを願って。「双方的につくりあげる」という重要性を感じたら、若き自分の記憶の引き出しが開いたのだった。

いつもいつもありがとうございます〜。