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地域おこし協力隊としてのコラム。

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2022年4月から着任している地域おこし協力隊での活動を通じて、感じたこと・考えたことを綴っています。
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2022年5月の記事一覧

町を広めている手応え。

僕の地元、宮城県美里町はマイナーである。いきなりざっくりとした断言としたが、たとえば同じ県内の仙台市や石巻市、気仙沼市などに比べたら、知名度はかなり低い。大型商業施設や映画館、テーマパークなんかがあるわけでもないため、宮城県出身の方からクエスチョンマークを頂戴する機会も少なくない。 ただ、この一見するとゆゆしき事態も、僕にとってはひとつの魅力に思えている。地方で生きることに興味を持ったここ1〜2年は、オンラインのコミュニティに参加したり、またさまざまな地域へ実際に足を運んで

協力隊満了の3年後、なにしてる?

「今は試用期間として、3年後を逆算して活動してほしい」 地域おこし協力隊としての僕たちに対する、とある方からの言葉である。町のあらゆる団体のイベントや企画へ参加するのはいいけれど、“タダ”で身をほっぽるのではなく、しっかり“旨味”も蓄えてほしいと。そんな心配じみた、僕たちへの願いが込められていた。 たしかに、おっしゃる通りである。個人的には今、そうして協力隊を歓迎して「関わってもらえること」自体に価値を感じていた。もちろんそれも間違いではないと冒頭の言葉の主は言うのだが、

地域おこし協力隊が入り込むべき“隙間”。

いかにして、地方自治体と住民の間に入り込むか。これこそが地域おこし協力隊が求められている役割ではなかろうか。 きょう、とある事業者さんのもとへ話を聞きに行った。おもに宴会での料理を軸とした飲食業を営むその方は、コロナの影響で売り上げが激減。ただ、お弁当としての提供に切り替えたことで、なんとか事業を保ってきたという。僕が生まれるずっと前から美里町で活動しているそのお店の方々には、地域の知識や人脈が豊富だ。当然ながら、先月着任したばかりの僕たち協力隊なんて比べ物にならない。そし

なるようになるために。

地域おこし協力隊としての、初任者研修会。最終日に待ち受けたプレゼンをなんとか乗り越え、充実の3日間を終えることができた。個人的ないちばんの収穫は、全国の“同期”と知り合えたこと。SNSでつながることができたし、明日以降、彼らが日本のどこかで頑張っているんだと思えるのは励みになるだろう。 そういえば、昨日は協力隊OBによる事例発表のコマもあって、卒隊後に起業家や個人事業主になる、そんな“先輩”たちの活動が紹介された。その質疑応答の中で、とある受講生から「卒隊後の具体的なイメー

やっぱり上手じゃないこと。

議論するのが上手じゃないなあと思う。自分自身の話である。 地域おこし協力隊としての初任者研修会、2日目。講義を聞きっぱなしだった昨日とは打って変わって、今日はグループワークに取り組んだ。ランダムに振り分けられた5〜6人のグループで、地域課題の解決を想定したシミュレーションゲーム。メンバー同士で意見を出し合い、模造紙にマジックやふせんを駆使してアイデアを書き込んでいく。 その意見を出し合う議論の場で、やっぱり自分はそれが上手じゃないと感じた。“やっぱり”とは、そう思うのは今

面白がる力。

4月に地域おこし協力隊となってから、今月下旬に〆切を迎える課題が出されている。それは「町の魅力発見レポート」。宮城県美里町に移住してきて自分の目で見て肌で感じた、そんな町の魅力あるいは可能性をまとめて提出してください、というような内容だ。 しかし、東京からUターンして8年ぶりに美里で暮らしている僕にとって、それは決して簡単な話ではなかった。かつて過ごしていた小学1年生から大学4年生までの期間を含めても、思いつかないのだ。町の魅力ってやつが。魅力がないから僕たち協力隊が必要と

本当に大切なもの。

どうしても、地域おこし協力隊としての話になってしまう。ゴールデンウィークとはいえ、どうやら今の僕の軸足はそこにあり続けているようだ。まあ、あまりわるくないことではないかと思っている。 きのうは出勤日で、また新たな縁とつながることができた。飲食店を2軒まわり、ランチを食べながら、あるいはコーヒーを飲みながら、それぞれの店主との会話に花が咲いた。着任してから1ヶ月が経ったところではあるが、町の人との出会いは少なくない方だと自負している。 千差万別。十人十色。当然ながらそれぞれ