多汗症と生きる〜手の皮が全部はがれる汗疱〜
多汗症は、普段よりも多くの汗をかく病気です。手のひら、足の裏、わきの下などでよく見られます。
特発性多汗症は原因不明の場合が多く、症状性多汗症は他の疾患や薬の副作用によって引き起こされます。
制汗剤やストレス管理、ボトックス注射、手術などが治療法として使われます。
私は、多汗症です。
子供の頃から手汗がひどく、なんでこんなに汗が出るんだろう、
暑いのかな、発汗がいいだけ?、など、それしか思っていませんでした。
でも、小学生の高学年や、中学生になってくると、
それが普通のことではないのでは、と疑問になってきました。
プリントは触ったところが指の跡に濡れていて、後ろの人にまわすのが申し訳なく。
手のひらが乾いていることはほぼないんです。
少しでも気温が暑い時期になったり、
体温が上がると、TVでよく見るような、汗の滴る手のひらに。
この病名の診断は、初めて私が死ぬまで付き合っていく病気でした。
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最初の症状は、幼少期。
ある時期になると、手のひらの皮が全てめくれて、また皮ができる。
それが毎年毎年あるんです。(おそらく多汗症のせいで起きる汗疱かと。)
小学生低学年だった私は、移動の時に手を繋ぐのが嫌でした。
袖で手のひらを隠そうとしたり、腕のところで汗を拭いたり。
でも、これが普通のことだと思っていた私は、周りのみんなもそうなんだろうと思っていました。
同じなんだろうと。
両親は、なんでだろうねと、言ってくれましたが、解決策がなく、
何もできぬまま、時は過ぎました。
中学生になり、私は周りと違うということを自分の意思で理解できました。
季節問わず、汗まみれの手のひら。
テスト用紙が濡れて破れて書けなくなること。
携帯はもちろん汗で水没し、故障。
汗腺のあるところは足、脇、頭、手、全て滝のように汗が出ました。
ある日皮膚科に行き、その症状を伝えたところ、
多汗症だと診断されました。
病気なんだ。
やっと原因が分かって、嬉しかったです。
その気持ちが強かった。
これでやっと汗をかかない、さらさらとした手のひらになれるのかな、と思ってました。
薬をもらうと、塗り薬で、1時間ほど塗るそうでした。
手のひらに塗り薬を1時間塗ると、何もできないですよね。
今まで以上に何もできない。
中学生ながら、なんでこんな塗り薬があるんだろうと思いました。
効果がのちに効いてくるのかはその時聞かなかったですが。
結果、薬は使わず、代わりにタオルを持ち歩くようになりました。
社会人になると、握手をするケースがあり戸惑いました。
部屋の中であっても、濡れていて、手が冷たく感じるんです。
手が冷たいね、って言われることは多分あるあるなのではないでしょうか。
ハンドルが滑るので、車の運転にはタオルは必須。
紙に文字を書く時は紙が濡れるので接着部分は最小限に。
長袖の手首部分は濡れるので、こまめに袖を伸ばす。
誰でも使えるようなペンはなるべく拭いておく。
万が一汗で濡れてしまったところがあるなら拭いて乾きやすいようにしておく。
無意識に気をつけています。
なるべく嫌な思いをされないように。
自分も嫌な思いをしないように。
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