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不都合な真実を突きつけられるよりは、一人のほうが楽【Good Grief】

長年連れ添った相手、死ぬまで一生一緒に居続けると信じていたパートナー。
そんな人が一瞬の事故によって亡くなってしまい、一瞬のうちに独り身となってしまう悲しさ。
そんな展開だけでも悲しいのに、亡くなるクリスマスの日に渡されるはずだった手紙をようやく気持ちの整理がついた一年後に開封して、「好きな人ができた」ことを知らされるなんて、かなり残酷。

亡くなったあとに新しい真実を知ることほど辛いことはない。
ようやく気持ちの踏ん切りがついたのに、またざわつかせることになるなんて。
別の意味で。
しかもパリには 2人のためのアパートを借りているらしい。
知らなかった彼からすれば、新しい男と暮らすための部屋を用意していたことになる。
別れる気満々だったらしいことが、余計腹立たしい。

だから私は生涯のパートナーとかいらないって思っちゃう。
いつか裏切られるのならいっそいないほうがマシ。
変に期待を抱き続けるより、そもそも期待しないようにすればいいんじゃないか。
そう思った私は、彼氏を作らないことにした。

理由はそれだけじゃない。
みみっちい話で申し訳ないけど、彼氏のために休日の予定を空けたり、休日の予定を確認したりするのがめんどくさく感じ、彼氏のために自分の時間とお金をかけるほどの価値があるんだろうか、と割と本気で考えてしまった。

特定の誰が、とか言う話じゃなくて、「彼氏」という存在が今の自分にとって必要なのかどうか疑問に思ったからだ。
今の自分には必要ないけれど、未来の自分には必要になるときが来るかもしれない。
それならそのときに作ればいいじゃないか、作れたら。
今必要ないのなら、無理に作らなくてもいい。

時間もお金も使うのなら、他人のためじゃなくて自分のために使いたい。
消費も投資も、自分のためになることに使いたい。
自分のことが好きな人みたいに見えるけど、多分自分のことが好き。
昔は自分のことが嫌いだった。
イケメンでもないし背も低いし身体も貧相だし、自分の外見が全然好きじゃなかった。

でも 30を過ぎてから考えが変わってきたのか、こんな自分のことを受け入れられるようになってきた。
こんな外見でも自分を育てられるのは自分しかいないし、構ってあげられるのは自分しかいない。
自分のために生きようというふうに考えが変わってからは、他人に期待することも少なくなり、突き詰めれば他人のことなどどうでも良くなり、自分がいかに満足できるかが大事になってきた。

昔は他人に認められたい! って他人に評価されることに頑張ってたこともあった。
でど、他人なんてちゃんと見てくれないし、他人も自分のことしか考えてないんだと薄々気づいてからは、人に評価されるよりも自分を評価してあげることの優先度が上がった。

自分を愛してくれる人がいることは嬉しい。
でもそれは永遠ではないとどこか割り切った部分があったほうが、自分の心を守ることにもなる。
冷たい人間に感じるかもしれないけど、一致の距離感を保つことができれば、冷静に相手との関係を見つめられる、気がする。

「自分を見つめてくれる人がいな」くとも、自分で自分を愛することができれば、他人なんて要らなくなる、のかもしれない。
でもまあ好きな人と過ごす時間があると、人生の満足度も変わってくるだろうけど。

Good Grief / 2023

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