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【詞】暁闇-2

風声鶴唳ふうせいかくれいのその刹那が 沈んでいく重力と
残る感覚に沿って 招く光に蠢いていく
思い出せない言葉 
電燈
さざめく雑踏の方へ
ひた走るクラゲに見えたんだ


立ち止まる僕は影 心は絡繰り屋敷のように
感情の仕掛が次から次へと
立ち止まる僕は影 心は嵐の夜のように
表情の木々を荒々しく


その暁闇の通りを今一度
粒子ほどの憶えを読み返す
また忘れるほどの遠雷から来る
雨に部屋から抜け出そう
冷えた風に悴んで
砂上の楼閣、改めて
忘れるほどの春を抱き寄せて


星の降る日を思い出すほど瞳の奥透き通る
空気に触れるトンネルまで


その暁闇の通りを今一度
粒子ほどの部屋を飛び出せば
忘れるほどの雷から来る
雨は幾重の雲を招く
冷えた夜に蹲る
理想のほむら、暖めて
見惚れるほどの空の月を輝かせ


風声鶴唳のその刹那が 浮き沈みの重力と
少しの感覚を残し 知らせの中を蠢いていく
思い出せない言葉 
風来
さざめく海の在り処さえ
ひた走るクラゲに見えたんだ



詩集 "ときめく" から

読み返してみて、濃い内容の詞だと思います

こちらは、以前に投稿した「暁闇」という詞の続編、別ver.のようになっていて、
なので「-2」がタイトルに付いています

"風声鶴唳のその刹那" は、原型の詞にある文章で、
他にも"暁闇の通り" "トンネル" なども原型の詞に出てきます

原型の詞は短い文章なので、"-2"では、より長く、
深く潜っていくような文章になったようにも思います

見出し画像は、元の詞に設定した見出し画像のカラーver.になっています


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