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年の瀬の夜に

年の瀬の夜もお供になれたら^ ^

"眠れない夜に"シリーズのスピンオフみたいな詞集です。

最初から見ていくと 詞の季節感が
夏〜冬 へと変わっていってる感じにも思えます。

虫と夏

様々 虫の音色が響く夜

灯りの下、私は微かな期待や
静かな呼吸のなか、

賑やかに唄う虫達を網で掬って
何となく昔に戻った

振りをする 
振りだけする


子どもの頃、よくしていた
虫とりも、しなくなったな
夏は優しくて、どこか寂しいから


やっと飲める様になった
ビールを 口に傾ける
涙が出そうでも、月が拭ってくれそう



灯ろうを浮かべて遠く
夏祭り、街がなつかしい

私の蒼さの全てと
透明さの全てを


空を見ると思い出す
あの嘘 その嘘 のなかの 本音も

もどかしさも今じゃ
ないと思った方が気楽さ


子どもの頃の夏と
見え方も変わってくるな

季節は 側に居るようで
不確かな物で 不確かな物さ


やっと飲める様になった
ビールを 口に傾ける

涙が出そうでも、
月が拭ってくれそう


拭いてくれそう

Now

今、遠い 遠い 遠い土地の
また、何も 何も ない土地の

今、深い 深い 深い空と
また、長い 長い 長い海の


味を知る


味を知る



まるで此処は底のない
底のない哀愁 漂って

まるで残像を揺らして
そこに歩く人々がいる


まるで此処は底のない
底のない哀愁 漂って

まるで残像を揺らして
今心踊らす人々がいる



今、遠い 遠い 遠い土地の
また、何も 何も ない土地の

今、深い 深い 深い空と
また、長い 長い 長い海と


今、遠い 遠い 遠い土地の
また、何も 何も ない土地の

今、深い 深い 深い空と
また、長い 長い 長い海を

入道雲

入道雲が空に咲いては
花びらが散るように すがたを変える
年はあっという間だと こどもの頃
思い出したりした 思い出したりした


入道雲に夢を誓ったのは いつだろう
空っぽになるまで 青を捲り尽くして
アイス棒齧った自分


ジオラマみたいな
ジオラマみたいな街が現実味を増す
堅実になる

僕の心内はもうすこし
深く炒りないと 炒りないと


両の目でもっと確かめたいのは
君のことやその歌が

あまりにも綺麗だから
あまりにも綺麗だからです


こどもの頃 見ていた空は
モノトーンの記録になって
遊ぶこともすくなく
語ることも減っていくかな

あぁ雨だね いつもしずかに空を見てたいけど
そうもいかないよ
そうして大人になるのか


ジオラマみたいな
ジオラマみたいな街が現実味を増す
堅実になる

僕の心内はもうすこし
深く炒りないと 炒りないと


両の目でもっと確かめたいのは
君のことやその歌が

あまりにも綺麗だから
あまりにも綺麗だからです


ちいさなユーモア 書き溜めたノートも
よくある言葉も いっそその儘にしては

僕の心内もいっそ
飾ることもなく 飾ることなく


ふと声に出してみれば
自分の気もちや言葉は

変わらない儘
やっぱり 伝えたいんだ



入道雲が空に咲いては
花びらが散るように すがたを変える
年はあっという間だと こどもの頃
思い出したりした 思い出したりした


入道雲の下 変わらないのは誰だろう
群青照らすなか 紙に描いた
アイス棒齧った自分

Meow

純文学の方に行った猫
僕の横目に風の種が笑ってます

純文学の方に行った猫
書店の扉 開けて


僕の論理や感情は蕾です
起床して読む本に君を感じます

僕の論理はいまだに未熟です
深く炒って その時を見出してます



見上げる 果実の時雨 雨予報
瓶に入れて 飲み干す人たちよ

俯く 思わぬ暗幕 曇天の実が
空に生えていく いきます



夏終い 笹舟がひとつ浮かんでる



純文学の方に行った猫
僕の横目に風の種が笑ってます

純文学の方に行った猫
書店の扉 開けて


比例する 喩えのない貴方への想いやら
あの本のページと膨らんでいく

数を数えて 気付けば百をこえていた
こえていた



見上げる 果実の時雨 雨予報
瓶に入れて 飲み干す人たちよ

俯く 思わぬ暗幕 曇天の実が
空に生えていく いきます


颯爽と 猫が 野良駆けてく
額に入れて 絵になる瞬間

文学的に現すよ そろそろ空がひとつ
日溜まり 糸垂らす


糸垂らす

雨に本音

傘を出して 傘を開き
雨粒の それぞれのリズム

雨に濡れたい 雨に触れたい 
無邪気なこども 自分の横目

傘が並ぶ 街を回る 
雨音の それぞれの唄よ

雨に濡れたい 雨に触れたい 
その内 そう想う

 
視界は雨に溢れている 心は雨には触れている
言葉を水に流している それは戯言も掻き消して
ふりそそぐ世界に

 
しゃら しゃら しゅら しゅら 
言葉 河に流している

しゃら しゃら しゅら しゅら 
言ってみ放題

しゃら しゃら しゅら しゅら 
冗談も口遊んでは

固くなりすぎずに ああ笑い出してる

 
本音口含んでは それも軽く流している
気持ち重くなればさ 雨が優しく撫でていく

きちんとすればするほど 本音強く隠している
そんな日々にさ

 
ああ笑いがとまらぬギャグを
傘から傘へ伝わらせて いっそ馬鹿馬鹿しくなってもいいよ

雨は晴れ 雲抜く日が 照らす笑みを

 
しゃら しゃら しゅら しゅら 
言葉 河に流しても

しゃら しゃら しゅら しゅら 
言っていいでしょ

 
傘が並ぶ 街を回る雨音と それぞれの笑みを

言ってみようよ それぞれの言葉

move

ただ電波の行末を
ノイズの揺れるブラウン管の先を
ながめてる

何百キロメートル位
続いてきたんだろう日々に
やがてうんと有り金を使いこむんだろう

鈴虫をあまり見なかった
今からでも


虫の里へと行くかな
星ふる季節 肩踊らせては
帰りにふと牛丼を食べるか

その雨がっぱを纏って
神がかるあの日を待とうと

思い出したのは高架下
夢見がちに遠目の街を見る


その存在が側にいるのが
すこしほっとする

その存在が幻じゃないのが
何だか夜を鮮明にさせる


独特なムーヴ

泡沫

鉄筋の花が咲いてる様に
見ゆる世界に冬の風
些細な茎に
笑って吹いて 笑って吹いて たなびく

鉄筋の花が咲いてる様に
見ゆる世界に冬の風
些細な茎に
笑って吹いて 笑って吹いて たなびく


遠い土地で鳴いた鳥と
舟を浮かべた旅人
我をわすれ
枯れ葉の束を抱き なつかしく眠る

嘘もまた浮遊する
どうにも話のくらが錆びてく
流動するえにし泡沫ほうまつ
朱鷺が摘んでる


つい前まで 夏でした
つい前迄 夏でした
移ろうごとに拭う言葉の隙間に
また冬季を通す

つい前迄 夏でした
つい前迄 夏でした
移ろう毎に拭う言葉の隙間に
また冬季を通す

Smoke

数字が右から左に流れる
幾多流れては迎えを待ってる

僕もまた記号のような会話と
数の水流に慣れた頃


巨樹のように高く聳えた街並み
夜空は柔らかそうで
どんな心地だろう

躰を預けて、
皮肉の茂る世界を
わすれたいんです。


"ほら、またそうやって"と
君の声 過ぎったよ 
目を開ける 雨がしとしとと

現にやるせなくなると君の声を思い出す


"ほら、またそうやって"と
君の声 笑ったよ
目を閉じて 君のことを振り返る

記憶は朗らかすぎて
ふと儚く霞んでしまいそうです。



数字が右から左に流れる
幾多流れては迎えを待ってる

僕もまた記号のような会話と
数の水流を乗りこなす頃


ちいさな蔓のような 幼心の僕がほら
片隅で佇んで 
影が長く 夜みたく黒く

なってしまって わすれてしまって
それも仕方ないよね なんて
思ってしまいそうで


"ほら、またそうやって"と
君の声 過ぎったよ 
目を開ける 雨がしとしとと

現にやるせなくなると君の声を思い出す


優しいばかりじゃないさ 僕だって
誰だって 陰で思っているのさ

曇りや長い雨のような言葉を 僕だって 
誰だって 言いたくなるのさ


それもまた それぞれさ
それもまた それぞれさ


君のことを振り返る
ふと儚く霞んでしまいそうです。

あそばせ

目が冴える 東雲色の電波塔
夕景飲んで喉の方 麦の味が通う

目が冴える 東雲色 迂回した街角で
朱鷺の面して 笛を吹く
家屋のアンテナ ネジをまく


遊ばせ 遊ばせ 悠久の水辺
遊ばせ 遊ばせ はにかんだみぞれ

遊ばせ 遊ばせ 永久の水で
遊ばせ 遊ばせ 歯に噛んだみぞれ


シンメトリーの夜空です オーダーした感受性
そこの1つの奥深い星で食べて歌にする

目が冴える 東雲色 迂回した街角で
朱鷺の面して 笛を吹く
世界の坩堝に向けて


Asobase..  Asobase..

Milk

星のページを捲る
ひとつひとつの宇宙
いつしか遠いMilky way
行けたら 何を話そうか


朝の街 船を出して
夢現つをたどってく
月の方へ昇ってく
さらに上に昇ってく


空は遠くて近くてさ
君は近くて遠くてさ
そんなことをひとり感じて
気が付けば 月の海


手元の手紙 いつまでも
孤独とさよなら いつの日か
月面に花が咲いていた と
それを歌にして また漕ぎ出して



空は遠くて近くてさ
君は近くて遠くてさ
口ずさむ 歌と共に
気が付けば 星の海


醒めない夢に君を見る
御伽のような音のなか


手元の手紙 渡しては踊ろう 踊ろう
※すこし改変

銀世界(新作)

銀世界に生きてる
野良が辺りを駆け回る

銀世界に生きてる
机の上に積んだ本

読まなきゃさ


永い永い髪を見せる銀河
葉脈の雪が雫になっていく

客観的な星々
街外れへ流動す


ほら溢れんばかりの珈琲みたいな夜空に
Milkが混ざり朝が来る
造形たちが会釈する

思い返せば 激流の年だね
でもあえて何も言わずに
銀世界はるの


なんでこんなにも分かり合えないのだろう
でもあえて何も言わないの
何も言わないの

優しさを含めた身近な言葉が今も
猫の様に寝息をたててる



閲覧ありがとうございます!

良いお年を!☺️

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