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【ぶらり読書の旅】チームワーキング<2021年14冊目>

こうさかです。(2021年3月-4月読書記録)
読んだ本の感想を、音声と合わせてお届けします。

2021年<14冊目>の読書。

<書籍名>
チームワーキング
-ケースとデータで学ぶ「最強チーム」のつくり方-
(著者:中原淳、田中聡)

手に取ったきっかけ

本の要約サイト「flier」にて紹介。

本の概要

『チームを動かすスキル』を学ぶ実践的な書籍。
「優秀なリーダーが一人いれば何とかなる」という考え方では今の時代は通用しない。チームメンバーが「全員参加」で、ダイナミックなチームの動きを創出することが求められる。
そのような状況を『チームワーキング(Team+working:チームがダイナミックに動いている様)』と本書では呼ぶ。

「チーム」に関する書籍は様々ある中で、本書は実際の現場で苦闘した「ニッポンのデータ」を用いて原理・原則をつくり、「ニッポンのチーム」をアップデートすることを目的としている。
書籍内で紹介されるケーススタディは、実際の仕事現場でよく目にする光景が描かれており、自身の職場をイメージしながら、学ぶことができる。

印象に残った内容

①チームは全員でリードするもの。期中にアクションし続ける。

チーム=「全員でリードするもの」であり、チームを「常に想定外の変化をする、動的でダイナミックなもの」(中略) こうしたダイナミックな考え方では、「期中にもアクションし続けること」が最も重要視されます。
【第2章 チームワーキングとな何か? P63】

成果の出ないチームの特徴として、「初期のアクション」を重視する傾向があげられる。期初、綿密に戦略を立て役割分担をすることは重要だし、それ自体は悪いことではない。

しかし、目標を一度定めたきり、各々が自分の役割を着実にこなすだけでは「チーム」の成果が出るとは限らない。誰も気づかぬうちに、チームの方向性にズレが生じている可能性は大いにある。

期初に設定した目標と現状にズレはないか。
「チームは全員でリードするもの」との視点を持ち、お互いの仕事の状況も気にかけながら、定期的に振り返りの場を持つ。

チーム目標に対する意識は、どうしても期初の目標設定時がピークになりがち。期中にどれだけチーム全体の意識を持ち続けられるかで、チームの成果が変わる。

②オープンな人間関係で、チーム目標の見直し・再設定を。

期初に設定した目標が変化した状況にそぐわないということも往々にしてあり得ます。その場合には、思い切って「目標を変更しよう」と言い出すことができるような関係性がチームにあるかどうかが問われます。
【第3章 ケースとデータで学ぶGoal Holding P128】

チーム視点を持つと、目標と現状にズレが生じていることに気付く。
気付いた時に、それをチームメンバーにフィードバックできるか?

「せっかくここまでやってきたのに、今さら何を言うの?」と反発を受けることがあるかもしれない。そう考えると、混乱を避けるが故に言い出すことができず、後戻りができない地点まで来て、「やっぱり、あの時言っておけばよかった・・」なんてことは、よくあること。

思い切って「目標を変更しよう」と言えるような関係は、その場だけで作れるものではない。日頃からオープンに悩み事を相談し合うなど、人間関係の構築に努めているか。

一時的な仲の良さではなく、継続的にチームが良い方向に向かうために、オープンな人間関係づくりが鍵となる。

③チーム全員が主体的に関われるよう、解くべき課題を十分に議論する。

強い思いを抱いていた久保田が、チーム内で、課題の共有が進まないうちに強引に議論を引き取ってしまった。(中略)能動的なアクションが、皮肉にも他のメンバーの受け身な態度を引き出してしまったのです。
【第4章 ケースとデータで学ぶTask Working P149】

チームで仕事を進める際、特定の一人がリーダーシップを発揮して、議論を進める場面はよくある。物事が進んでいるように見えるので、一見頼もしい存在であると感じる。

チームで実現したいことが具体的に共有できており、そこに向けた課題が十分に議論をされているのであれば良い。しかし大抵の場合、一人の頭の中だけで構想が練られ、チームメンバーはよく理解しないまま、「大枠OK」のような形で進んでしまうことがあるのではないか。

人それぞれ、チームに与えられた仕事への想いは違う。人によっては「最低限の労力で、何とかやり過ごそう」という気持ちもあるだろう。
やる気ある一人の能動的なアクションが、皮肉にも他のメンバーを受け身の姿勢にしてしまう。その結果、チームがちぐはぐな方向に向かい、実現したい姿からかけ離れる。

解くべき課題を十分に議論して、全員が納得した上で仕事を進めること、時間はかかれど重要なプロセスである。

感想

ケーススタディの内容が非常にリアルで、自分の職場をイメージしながら現実感を持って読み進めることができた。

書籍を読みながらであれば、「自分ならこういうアクションを取る」と考えることができる。しかし、いざ仕事の現場になると、実際の人間関係・限られた時間など様々な要素がある中で、正しい行動を取れる確証はない。

大事なのは、「自分のタスク」という狭い視野で仕事をするのではなく、「チーム全体の成果」に視野を広げること。個人目線では気付かなかったことも、チーム視点で全体を俯瞰して見ることにより、気付くことがある。

その気付きをチームメンバーにまず伝えてみることが、
オープンな人間関係をつくり、チームで目標を達成するスタートラインに立つことに繋がると思う。

2021年度の期初タイミングで本書に出会えて良かった。
今年度チームで良い成果をあげるために、期中にアクションを取り続ける。

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