深海と宇宙のカフェオレ【2022年の短歌まとめ】

どうせなら美しいサイコロを振れ出る目すべてが宝石のような

最後まで気持ちよく好きでいたかった魚が絶滅した海さえも

かろうじて死刑を免れてるような私たちの愛私たちの美

説明書も読めないくせに神様の言う通りになんてほんとにできるの

海底で生まれた新種の生命は誰とも交わらないまま死んだ

絞り器で絞り出される虹を見ていた 君は笑ってそれを食べた

「もし原始時代だったら死んでるよ」原始時代じゃないので生きてる

同じ夜同じ宇宙で同じ夢を見たいと思う種類の"好きです"

「幸せでいて」と言いたいだけなのにぼくには翻訳機が必要だ

12月まで君のことを好きでいる自信がなくて予約してない

絶望と祈りを1:1でよく混ぜたカフェオレひとつください

もうここで死んでもいいわと思わせる君はきっと優秀な死神



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