【詩】滑らかな世界

早口な人々が言葉をすりつぶして
世界はなめらかになっていく
皺のない脳みそみたいに
美しさと醜さの間に
線を引こうとする図々しい指先
太陽に忘れられた暗い朝
好きな人が「好きだ」と言った歌は
全然好きになれなかった
本当は穴だらけの世界で
ざらざらとした君の肌が
やさしく光っている



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