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超ショートショート

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超ショートショートとは、短くて不思議な物語。 「誰でも必ず小説が書ける超ショートショート講座」という本を読んで 「僕にも作れそう…!」そう、思いnoteで投稿することに決めました…
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記事一覧

エモーションロッカー【ショートショート】#40

エモーションロッカー【ショートショート】#40

「感情のお預かりが完了いたしました。この感情は3日間を過ぎますと・・・」

AIコンシェルジュが説明を終える前に、ビジネススーツを着た男はボックスから出ていった。ボックスの外からは、まだAIが説明を続けている声が微かに聞こえている。

その男は大きなキャリーバッグを引きながら「エモーションロッカー」と書かれた看板の入口から出てきて、バスロータリー方面へと歩いていった。その男の表情は、まるで長時間我

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パティシエの優先座席【ショートショート】#40

パティシエの優先座席【ショートショート】#40

この街の各交通機関には「パティシエ優先座席」が設けられている。

この街の市民の10人に3人はパティシエで
店舗数は美容院や歯科医院よりも多い。

これは地元出身の国会議員である
甘杉議員の働きかけによるものだ。

スイーツのトレンドは週単位で変わる。
それほどに、この街の市民はスイーツに目がない。
また最近ではスイーツの売り上げの一部が活用され
「パティシエ専用パスポート」制度が導入された。

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消臭する雨【ショートショート】#39

消臭する雨【ショートショート】#39

霧のような細かい雨が特徴の消臭雨は、
浴びることでタバコや汗などの嫌な匂いをかき消してくれる。
そんな日は傘を持たずに出歩く人や運動後のランナーたちが
川沿いの芝生エリアに寝転び日光浴をするかのように雨を浴びている。

たまにアロマやフローラルの香りのする雨を降らせることもあり
住宅街では洗濯物を出しっぱなしになっている。

ただし、良い香りも消えてしまうために
花壇の花の香りは、随分と前に忘れて

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マグロ自転車【ショートショート】#38

マグロ自転車【ショートショート】#38

出勤のため最寄り駅へ向かうのためバス停へ歩いていると
1台の真っ赤な自転車が猛スピードで僕の真横スレスレを通り過ぎて行った。

「危ないなぁ…」と思いながら自転車を目で追いかけていると
その自転車は赤に変わったばかりの信号にも臆することなく走り過ぎる。
さらに停車していたバスに乗りこもうとする
乗客とバスの隙間をも駆けて行った。

ちょうど乗りこもうとしていたご婦人は「ぎゃあ〜」と
仰向けにのけぞ

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夜逃げホテル【ショートショート】#37

夜逃げホテル【ショートショート】#37

「もう夜逃げするしかないな…」
男はそう心に決めると、早速準備に取りかかろうと
目の前についた物を掴もうとしたが
すぐに動きを止めた。

「せやけど、夜逃げって…どないな準備したらええんや?」
ポケットに入れていたスマホを探りながら部屋の隅に腰を下ろしす。
「まずいっぺん調べてみるか…夜逃げスペース準備と」
検索結果をスクロールしていると、ある謳い文句に目が止まった。

<<今すぐ夜逃げしたいあな

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レッド企業【ショートショート】#36

レッド企業【ショートショート】#36

仕事を終え、入り口の自動ドアが開くと
ビジネス街を彷徨っていた寒風に飲み込まれた
「うぅ…さぶ、今日は特に冷えるな」
市内は珍しく雪が降っていた。

「今日、雪降るなんて言うてへんかったぞ。
 チッ、はよ帰ろ」

足早に駅へ向かう途中、
駅前で男女数人が道ゆく人々にしきりに何かを配っている。

「試供品のホットスプレー配布しております!
 ワンプッシュ、身体に吹きかけるだけで、
 あったまりますよ

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命で買いもの【超ショートショート】#35

命で買いもの【超ショートショート】#35

深夜の時間帯にだけ開くスーパーマーケットがある。
このお店にはありとあらゆるモノが売っているが、
全てお金では買うことができない。

ここでは自分の寿命…つまり命の時間と引き換えに
モノを手に入れることができる。

例えば、もやしなら30円ではなく30秒、
アルコール飲料350ml缶なら300秒分の命の時間を切り売りし
購入するといったシステムだ。

もちろん自分の寿命がいつ尽きてしまうのかは当人

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紅葉獅子 #34

紅葉獅子 #34

紅葉シーズンになると賑わう動物園がある。
そこには秋になると立て髪が紅葉する雄ライオンがいるからだ。

よく白変種の動物がメディアなどで話題になっているが
このライオンは、特に珍しいと瞬く間に話題となり、
ライオン目当てに新たな紅葉スポットとして多くの人でごった返していた。

終えるような赤色が勇ましい百獣の王は
経営難だった動物園の救世主となった。

(完)

↓今回の作品ができるまでのワークシ

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祭りの配達 #33

祭りの配達 #33

祭りの配達は、新型ウイルスの感染症拡大により
気軽に旅行が出来なくなっていた頃に誕生したサービスだ。

有名な祭りから地元の人しか知らないものまで、
全国各地で開催される祭りの賑わいを自宅で楽しめる。
このサービスは人混みに巻きこまれることなく楽しめるとあって人気だ。

ただ、顔を赤らめたくなるような奇祭も含まれているので
家族やカップルで楽しむ場合は要注意だ。

(完)

↓今回の作品ができるま

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ベスト謝罪賞 #32

ベスト謝罪賞 #32

今年も「ベスト謝罪賞」が発表された。

ベスト謝罪賞は
近年、社会的な地位のある
個人や団体などが起こした
社会的信用を失いかねない出来事に対して

説明責任を果たさない、時を過ぎるのを待つ、
間違いを認めないなどの
対応が散見されるようになり、

これが世間一般にまで影響が及ぶのを危惧した
社団法人・日本謝罪協議会が
謝罪意識の向上を目的に設立された。

この賞は、謝罪までの
「スピード感・文言

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食事処「実家」 #31

食事処「実家」 #31

近年フードデリバリーの発達や冷凍食品の進化により
いわゆる「おふくろの味」を持たない世代が増えた。

そんな中、「おふくろの味」を経験したことのない
若者世代を中心に「なぜか実家を思い出す懐かしさ」を
感じさせてくれると話題になっている飲食店がある。

そこでは全国の「おふくろの味」が堪能できるだけでなく、
自分の好みに合った「母」(事前に要予約)が出迎えてくれ、
まるで実家に帰ってきたような感覚

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【定期振り返り】ショートショートを30本作りつづけてみた感想と気づきを書き溜めておく.

【定期振り返り】ショートショートを30本作りつづけてみた感想と気づきを書き溜めておく.

どうも、ちんねんと申します。
表題の通り、ショートショートを30本作りつづけ、
noteのマガジン内に投稿をしておりました。

今回の記事は、
実際作りつづけてみての感想や気づきを
簡単にまとめた内容となっております。
もし、この記事の内容が
誰かのお役に立てれば幸いです。

ストーリーのタネを量産する.ということで、
実際に作ったショートショートは
以下、マガジンにまとめています。
よければ、ご

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告白マッチ #30

告白マッチ #30

マッチングアプリを使った恋活が当たり前になり、
数多あるマッチングアプリサービスがひしめきあう中、
新たなマッチングアプリがリリースされた。

その名も「告白マッチ」。
コンセプトは、シチュエーションマッチングサービス。
いわば、シチュエーションから始まる恋愛だ。

パートナーを見つけたい人が
「こんなシチュエーションで告白したい」とアイデアを提案する。
そして、その提案に共感した人はイイね!する

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失恋焼きそば #29

失恋焼きそば #29

失恋したら焼きそばを食べる。

そんな習慣がY市民の中で、
じわりじわりと広がりを見せている。

はるか昔、顔のタイプを
ソース顔、しょうゆ顔などと
調味料に例えるというようなことが
流行ったという。

(カランコロンカラン)

今日も失恋焼きそばを提供しているお店に
うつむきながら入ってくる人がいた。

「焼きそば…ください」

「お味は、ソース、しょうゆ、塩など
 他にも色々あるんですが、どれ

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