あの事件はルサンチマンの暴走!?

あの惨劇について一言、。
スルーしようと思っていたんだけど、なんか言っておかないとメンタル的に次に進めないのでいっておきたい。

世間では「民主主義への冒涜だ」とか「政治と宗教の癒着」などを問題視する人がいるけど、まあそういう側面もないことはないだろうけど、なんか的外れな気がしている。

犯人の動機は(現状伝えられている限りではあるけれど)「私怨」でしょ。

古今東西、思想信条の違いで暗殺された政府要人は数いるけど、「私怨」は歴史的にもかなり珍しいのではないかと思う。しかもかなり遠回りだし。

振り返れば、京都アニメーション放火事件、小田急や京王の殺傷事件、大阪のメンタルクリニック放火事件などなど、中高年男性による理由なき無差別殺傷事件が相次いでいる。それらの出来事と今回の暗殺は、通底で似通っていると思えてならない。

犯人の抱えている闇も似ている。もちろん個人的な事情は様々だけれど、世代的には40歳前後、結婚していない、仕事がうまく行ってない、貧乏、孤独、など共通項は多い。

世代でくくってしまえば、いわゆるロストジェネレーション、失われた世代、経済的に言えば就職氷河期世代だ。

先の参議院選挙。自民圧勝の背景の一つに、アベノミクスによる財政拡大、雇用増大が挙げられている。あの期を境に雇用は400万人!も増加し、現在30歳前後より若い世代は、「安倍さんのおかげで職につけた」と思っている人が多いという、彼らが岩盤支持層になって自民は圧勝したと、遅まきながら各所で指揮されている。

一方で、いわゆるロスジェネ世代は、学校卒業時からバイトや派遣でかろうじて生活を支え、政治的にも経済的にも制度的にも、ぽっかりと置いてけぼりをくらっている。

政府による支援策もなくはなかったらしいが、どうにも的外れで、効果が出ていない。むしろ政府にだけ頼るのもお門違いだろう。困窮と孤独には、親、兄弟、親戚、友人、地域社会全体で問題を顕在化し、対処していくことが必要なのではないだろうか。

マスメディアは犯人の生い立ちや宗教問題ばかりに目を向けているけど、そこは違うんじゃないかと思わざるを得ない。世代論だけで全てを語れるとはもちろん思わないけど。

困窮と絶望を内に秘め、しかも彼らルサンチマンたちは、これから高齢化する親を抱え、さらに先鋭化していくだろう。同種の事件が今後も増えていくと予想せざるを得ない。人は追い詰められれば過激に走る、それは古今東西の歴史で実証済みだ。

社会が悪いと逃げ口上に走る気は毛頭ないけど、政治的、経済的、制度的、コミュニティ的、そして心情的な課題として捉え直し、多角的に対処していくことが必要なのではないか、と愚考する次第です。


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