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400字程度で書かれた小説たち。ライフワークであーる。 2020年4月11日より2023年12月31日まで 「なかがわよしのは、ここにいます。」(https://nkgwysn.…
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【400字小説】性癖不足

【400字小説】性癖不足

足の甲を踏んでほしいという性癖。
行為の最中は、そういう気持ちにならないけれど、
終わった途端、無性に踏んでほしいと思っちゃうんだよね。

歴代の彼氏はベッドから出て、
立ったわたしの足の甲を裸足のそれで
踏んでくれる人たちばかりだった、やさしみ。

でも、オーノくんはしてくれない。
彼の性癖は終わった後、そのまま寝落ちすることで、
果てるとスイッチが入ったかのようにカチッと眠り出す。
寝顔を見て

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【400字小説】ビリが一番bang

【400字小説】ビリが一番bang

小学校の時にさ、リレーの選手に
なれなかったんだよね、6年生の時。
その上、運動会当日のかけっこでは
死のグループに入っちゃって、予定調和のようにビリ。

悔しくて泣いたのは、あれからないな。
高校野球部、最後の夏に負けた時も泣いたけれど、
あれは悔しかったのではなく、演出でした。
泣くのが美しかった。
あの時はね、そう思ってたんだよね。

ほかの野球部のメンバーは何で泣いたんだろうか。
めっちゃ

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【400字小説】平均的な天才

【400字小説】平均的な天才

「切腹してお詫びしますっ」と
営業成績優秀の生原が
課長のデスクの前で土下座。
まさか本当に脇差を持っているなんて
思いもしなかったから、初動が遅れた。
それと併せて野次馬な心も出たのは正直なところ。
「まさか刺さないだろ」とも高を括っていた。

刺した瞬間のリアクションは
人間としては正直なそれだったと感じる。
俺も含めたオフィスの誰一人、
身動きできなかったのが、その証拠。
2・0秒してやっと

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【400字小説】マッチョなムード

【400字小説】マッチョなムード

精神障がい者に理解があると思ってた。
でも、面接でのやわらかい態度から、
入社して一転、初日から手のひら返しで、厳しく。
わたしは笑うほど驚いちゃって、混乱。
「いいからやれ!」と怒鳴られて、
同僚たちも「ブラック企業だって、
黙っててごめんね」みたいな顔をしていて、
わたしは恨む寸前で、
なぜか同情してしまった、彼らを。

それで正気に戻って「大きな声、
出さないでください!」と強気になれた。

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【400字小説】左右

【400字小説】左右

横断禁止の四車線の車道を渡ろうとカズマは。
車が来ないから渡ろうとした、その時、
スマートフォンが鳴って確認するとナナからの着信だった。
出るなりナナは「今、大丈夫?」と訊いた。
その直後、中央分離帯の低い段差に
足を引っかけてしまい、見事に転倒。

そこへさっきいなかったはずの
白い軽トラックが向かってくる。
腕に鈍痛が走って、起き上がれない、
轢かれることを覚悟。

軽トラックも危険を察知、

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【400字小説】水平

【400字小説】水平

天秤座のタカヒロは青葉市子に夢中で
B’zが好きなマユを愛してはくれない。
マユはバカにされてるのも知ってる。
ただ、愛することだけに徹する。

昨夜、マユはバンドの練習中に豚汁を差し入れて、
からかわれていたタカヒロが、
とりあえず「ありがとう」と言ってくれたことに昇天。

「メンバーもおいしかったって言ってた」という
LINEが来ないか期待、
でもいつまで待っても来ない。

豚汁の入っていた鍋

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