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随筆

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音楽とか映画とか読書とか。
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#向井秀徳

芸術作品としての『らんど』

芸術作品としての『らんど』

ここで言う芸術作品とは、商業主義一切抜きで、かつ受け手のことをあえて考えない、純粋に自分自身に向けられて作られたARTのことを指す。しかし、この芸術作品『らんど』(2024年1月24日発売)を生み出す時点でZAZEN BOYSは少なくとも稼ぐためにやっているのだろうし、リスナーのことだって意識して考えているはず。それでも、根底にあるのはビジネスでもファンサービスでもなく、自己探検だとわたしは確信し

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透明から永遠。

透明から永遠。


待ちに待ちすぎた!

《向井秀徳が少女だ。》
ZAZEN BOYS『永遠少女』を聴いてそう思う、聴き重ねる度にその思いは強くなるばかり。

12年も待たされた。
でも、待った甲斐があった。新曲のタイトルが『永遠少女』と来れば、『透明少女』という魔法のような曲を思い出さずにはいられない。あれから四半世紀経とうとしているが、『気づいたらオレは夏だった!!』という歌詞の鮮度は冷凍保存されたようにフレッ

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使命は音楽を鳴らすこと。

使命は音楽を鳴らすこと。

❏ライブレポート
ZAZEN BOYS/長野クラブジャンクボックス

序章~今夜も泣けなかった~

泣けない自分が情けなかった。手も足も出ない自分が悔しかった。だからこそ、わたしは書き続けることで戦っていくんだと決意した。

久しぶりの再会と初の対面

2023年11月16日木曜日、午後7時に開演。定刻通りに登場したメンバー4人を目撃した時、静かにわたしは興奮。ライブ参戦人生で、初めて最前列で陣取

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ひとりも好き

ひとりも好き

カネコアヤノさんがブリブリするくらい大好きです。バンド編成も最高素敵ですが、わたしはどちらかと言えば、弾き語りされている姿/声に心がユサユサ揺さぶられます。CD音源やライブでのバンド感も荒々しく、グルーヴ感もあります。

でもおひとりの演奏の方が、より*生々しくて、超*獰猛で、反対に淑やかで、かと思えばクセもあって、存在感際立ちます。《カネコアヤノ人間そのまんま》な感じがして、その味わい深い人間力

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