見出し画像

無理せず、おいしく、やさしいレシピ。#処暑「シンプルな一皿を究める 丁寧はかんたん」

こんにちは。広報室の下滝です。
毎日の暑さで身体に熱がたまって、食欲がない、元気が出ない、料理をする気が起こらない、なんてことありませんか?

そんな時に、食の良さを思い出させてくれる本はいかがでしょうか。

家庭料理を通して伝わってくる、シンプルに、健やかに生きていくための「考え方」。
今回は、“何事も考え方次第で、丁寧に生きることって簡単なんだよ”と教えてくれる、ウー・ウェンさんの「シンプルな一皿を究める 丁寧はかんたん」をご紹介します。

画像1


意外と知らない!?料理の視点

忙しい毎日の中で、今日は時間ないから炒め物でいいか!とつい冷蔵庫にあるものを雑に調理してしまう、なんてことありませんか?
私はずっとそんな感じで(要はあるもので適当に…)食事の準備をしてしまっていたのですが、本書を読んで考えが変わりました。

じつは炒め物をおいしく作ろうと思ったら、野菜の切り方や火加減、フライパンに投入のタイミングなどの準備が大変。
一見大変そうな煮物は、細かい下準備もいらず、鍋に入れて煮込んでいるうちに他の作業もできるので、忙しい時に向いているのだそう。

たしかに、慌てて作った炒め物は味のバランスが悪かったり、火を通しすぎてイマイチな出来栄えだったりしたことが何度もあるような…。
そうだったんだ、と今更ながら気づかされることがページの随所に潜んでいます。

画像3

その他にも、中国出身のウー・ウェンさんならではの視点で、日本のおいしいものは「水」、中国では「油」など、国で異なる考え方が描かれているのが興味深いです。

中国では、日本でいう出汁のように油そのものに「おいしさ」があるそうで、日本のどちらかというと「油は悪いもの」という考えに新しい風を吹き込んでくれます。

水が豊富な島国と、きれいな水が身近にない大陸との生活の違いの中で、当たり前ですが料理も風土に合わせて進化を遂げている…改めて中国の「食文化」の豊かさに驚かされました。

画像4


無理しない、無駄にしない関係

本書の中には他にも、「野菜との出会いも一期一会」という言葉が出てきます。

はじめて読んだ時、人はともかく、野菜との出会い?と驚きました。
ですが、自分をふり返ると、何度食べきれなかったしなしなのキュウリを捨ててしまっただろう、とか、せっかく春キャベツを買ったのに忘れていて、結局黒ずんだ部分を切り落として使っちゃったなぁ、など、恥ずかしながら悲しい別れをたくさんしてしまったなと思い出したり。

そんな風に無駄にしてしまった野菜たちへ謝罪もかねて、これからは大切に使ってあげないとな、という気持ちにさせてくれる言葉です。

画像5

なんといっても、これから私たちの身体に入って栄養になり、体を動かしてくれる、いわば『生きるエネルギー』になるものですから、友好な関係づくりは重要ですよね。

ただしそのことで料理をプレッシャーに感じるのではなく、あくまで「自分ができる範囲」で、無理せず、できることを少しだけがポイント。

一品、二品。手作りのシンプルな味を身体に入れる。
それだけで私たちの元気がつくられるって、重要かつ素敵なことではないでしょうか。

料理への気持ちを色々と考え直させてくれるような一冊です。
よろしければ、ぜひ本屋さんで探してみてください。

画像2

-今回のここに注目!-
「食材は一期一会」毎日が旬。出会いを大事に☆

日本には四季があり、その時期で一番おいしい「旬」のものたちと、近所のスーパーに行くだけで出会うことができちゃいます。
「なんて艶々のトマトなの?」「丸かじりしたくなるくらい立派なキュウリね」なんて、心の中で語り掛けるように出会いを楽しんでみるのも良いですね。

■シンプルな一皿を究める 丁寧はかんたん

著:ウー・ウェン
出版社: 講談社
定価:本体1500円(税別)
単行本:148 ページ
ISBN:9784062210751

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?