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N中等部グループディスカッション紹介

今回ご紹介する内容はこちらです。

N中等部で実施している2種類のグループディスカッションをご紹介します。
1)グループディスカッション〜議論〜
2)グループディスカッション〜協働〜

グループディスカッションとは

グループディスカッションは一般的に、グループに分かれてそれぞれのテーマについて議論し、結論を出すものとされています。

N中等部にとってグループディスカッションの場は2つの意味を持っています。
1つ目は、授業で学んだコミュニケーションスキルを実践する場
2つ目は、話すことを通じて自分や他者を知り、関係構築をする場

グループディスカッションはPBLの授業で得たスキルを実践し、さらにキャンパスのメンバーとの関係を築く場として活用しています。

グループディスカッション〜協働〜とは

「ここまでは考えているのに」という気持ちがあるものの、自分の意見を伝えられなかった。という経験は、きっと誰にでもあるのではないでしょうか。
グループディスカッションの協働パートでは、「自然と体が動き出す」「自然と言葉が出てくる」という2つの軸を意識しながら、授業を展開しています。

各回ごとに実施内容が異なるため、今回はいくつかピックアップしてご紹介させていただきます。

⚫紹介授業 その1

「ナシナシ折り紙」

折り紙で鶴を折るためには、一般的に鶴の折り方を調べ、手順や図をもとに製作を行うと思います。
このグループディスカッションは、その手順を「口頭で」説明をする。というものです。
生徒たちは、折り紙の手順説明を「図の使用」なし「ジェスチャー」もなしの状態で折り紙に挑戦しました。

授業の流れ
1)グループに分かれ、「折る担当」「説明する担当」を決めます。
2)提示されたお題について、「説明する担当」の人は折り方を調べて、「折る担当」に口頭で説明します。この時、「折る担当」の生徒はお題を知りません。
3)制限時間内で製作したものから、「折る担当」の生徒は答えを予想します。
4)最後は全体で答え合わせをし、グループで振り返り後に次のお題へと進みます。

授業の特徴:
準備するものは折り紙のみで、お題さえあればいつでも実施が可能です。
「説明担当」の生徒は、普段自分の使っている表現が他の生徒に伝わるのかを知る機会になります。
お題の最後に振り返りの時間を設けることで、グループ内での共通言語が作られていきます。

<生徒の反応>
「難しかったけど面白かった!」
「思い通りに伝わらず語彙力の無さを実感したけど、すごく楽しかった」「今度折り紙の練習しようかな」

生徒の授業後の感想

こういったコメントがあり、ワークを楽しみながら自分の説明を客観的に見直す機会にもなっていました。

⚫紹介授業 その2

「ジャストワン」

普段の生活の場面で相手に何かを伝えるとき、私たちは自然と「自分も相手も知っている」表現を探りながら会話をしています。
このグループディスカッションでは、その「共通項」を意識しながらも、グループメンバーで同じヒントを出さないように気をつける必要があります。
生徒たちはどうすれば相手に伝わるか、グループメンバーの気持ちをうまく読み解くことができるか挑戦しました。

授業の流れ
1)グループに分かれ、「回答役」「ヒント役」を決めます。
2)「回答役」に知られないようにお題を提示し、「ヒント役」はそのお題を当てることができるヒントを付箋に書きます。
3)「ヒント役」が書いたヒントを見せあい、被っているヒントがあれば没収。「回答役」は少ないヒントでお題を予想しなければなりません。
4)グループごとのヒントが出揃ったら、「回答役」はヒントを確認して答えを当てます。
5)最後にお題を確認し、どんなヒントなら伝わりやすかったか、振り返りをします。終わったら、次のお題へ進みます。

※こちらのゲームは、ボードゲームを参考にクラスで実施できるようにルール変更を加えてスライド作成しています。

授業の特徴:
準備するものは付箋のみで、お題さえあればいつでも実施が可能です。
「ヒント役」の生徒は他の生徒と被らないようにヒントを出す必要があるため、グループでのヒント作成を通して「メンバーが何を考えるか」を自然と考えることになります。

<生徒の反応>
「うまくいったときとそうでない時の落差がすごくて楽しかった」
「普段話したことない人と話せてよかった」
「グルディスでみんなと仲良く関われた」

授業後の生徒の感想

こういったコメントがありました。

グループディスカッション〜協働〜 こんな人におすすめ
・さまざまな人とコミュニケーションをとりたい人
・自分の気持ちや考えていることを表現することに挑戦したい人


グループディスカッション〜議論〜とは

「自分の意見を伝える」ことは、相手に信頼感を与え、お互いに納得の行く結論を出すための第一歩だと考えています。
また、相反する立場の相手の意見を「きちんと聞く」ことは、ついおろそかになりがちです。
グループディスカッションの議論パートでは、「意見交換」を意識しながら、ディベート形式で与えられたテーマについて討論をしています。

授業の流れ:
1)本日のテーマを共有し、生徒は事前に決められたA側、B側への立場を確認する。。
2)同じ立場となった人同士でグループとなり、自分の立場の根拠を探します。
3)討論開始。それぞれの立場から、立論、質疑応答、最終主張という順番で進めます。
4)最終主張をもとに、メンターがどちらの主張がより説得力があったか判断をします。

授業の特徴:
議論のテーマ設定は、生徒の身近なことや興味のあることだけでなく、日頃の生活では触れる機会の無いようなテーマ設定も行っています。また、生徒たちは「意見交換」のポイントである、反対側の主張を「受け止める」大切さも、この時間を通して実践的に学んでいます。

これまでのテーマ例:
・運転免許返納義務化は、賛成か反対か。
・コンビニの24時間営業は、賛成か反対か。
・時を越えられるなら、過去か未来か。

<生徒の反応>
「内容の濃い議論を交わせた」
「自陣の主張を相手が納得してくれた」
「負けたけどうまい人をみて勉強になった」
「自分の意見をうまくまとめられなかった」
「反対することに気を遣ってしまう」

授業後の生徒の感想

と、意見はさまざまで、意見交換の有意義さが伝わっていたり、ワークを通して自分自身の伸びしろに気づいたりする生徒もいました。

グループディスカッション〜議論〜 こんな人におすすめ
・相手をうまく説得できる主張を身につけたい人
・どんな意見であっても「意見交換」をスムーズにできるようになりたい人

まとめ

N中等部では、授業で学んだ21世紀型スキルを実践できる場を設け、生徒交流のきっかけづくりを積極的に行っています。
アサーションやアンガーマネジメント、対話型アート鑑賞など様々な授業を通して身につけたコミュニケーションスキルを実践することで、「意見交換」がよりスムーズに行えるようになります。
今考えていることや、その時の気持ちを思い通りに言語化することは、大人になっても難しい場面はたくさんあります。
生徒たちがN中等部を卒業する頃には、思考の言語化ができるようになり、生徒同士が楽しく交流していることを期待しています。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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