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エントリー者が知りたいことを伝える

こんにちは!ダイバーシティ領域でPR/マーケティングなどをしております、にわと申します。

かかわる領域の関係で私の仕事は中途採用がメインになりますが、新卒採用にかかわる方とお話しする機会も多くあります。

私自身がかつてリクルーターや人事採用を経験したことも踏まえ、今回は新卒・中途問わずエントリーされる方の視点から知りたいことを伝えられているか?を考えてみたいと思います。

エントリーするということ

そもそも、「エントリー(応募)」するとは、どういうことでしょうか。

いまさらそんなこと言う?

と思われるかもしれませんが、エントリーによって起こることを考えてみましょう。

求人やその会社、そこで働く人を知って、エントリーしようと思う。

実際にエントリーする。

選考を受ける。

入社を決意する。

入社、その後の活躍―

この間にも、選考を受けるかどうかとか、採用見送りになって他社に行くとか、入社するかどうか、何らかの理由で退職しようかなど、何度も何度も分岐点があるわけです。

「エントリーする」ということを、いかにも気軽にする人とそうでない人が出るのは、個人の価値観のちがいも大きいとは思いますが、一歩引いて考えてみると当然のことですよね。

私自身は超氷河期の就活を経験したこともあり、結構身軽に「受けてから考えるか」と割り切ってきた方なのですが、転職を重ねるごとに、色々と考えることは増えている気がします。

そもそも、エントリーしたい、してもいいかなと思わせる仕掛けが必要ですし、エントリーした後の逃げ道を用意しておくというのが現代的なのかとも思います。

逃げ道というのは、たとえば「キャリアを一緒に考える」というスタンスを示しておいたり、エントリー後にも考えられるようにミスマッチを避ける資料を随時提供したりすることがありますね。

条件が先か、ほかが先か

オーストラリアにいたときに一部ワーホリの制度を利用したり、未だに時々英文レジュメのお手伝いをしたりする際に感じるのは、

日本の求人の大半は求人票ありき

という点です。

人事計画をたて、予算をとり、そこから求人票を作成していく―

よくあることなのですが、job型採用が進んでいると言われながらも、求人票から書いていくという企業が多いと感じます。

まずは部署とか、人員の数とか、給与とか、会社の制度とか、そういうところから求人票に落とし込んでいくので、条件面は比較的初期の段階で決めてしまうことが多くないでしょうか。

海外の求人では往々にして"Job description"(職務記述書)が用いられます。仕事内容や役割、求めるスキル等が明確に示されています。

なんと、それを決めるのに、結構なフローがあるそうです。役割を記述するためには、ある程度求める人材のキャラクターを定めていることになるので、どんな人を求めるのか、人事と現場サイドとでかなり慎重にディスカッションを重ねるのだとか。

というか、Job descriptionを求人だけでなく、人事評価にも用いるから時間をかけて練るというのもあるようですね。

そして、給与等は最後の最後、超後回しということも多いそうです。

実際に私がアルバイトの面接を受けた場所では、何日くらい働ける?いくらほしいの?と面接の場で直球で聞かれました。学校の都合を伝え、給与はアルバイトなのでお任せしますと答えると、「君はボランティアに来たのか」と失笑されてお祈りされました。
現地事情に詳しい人に教えを乞い、大体の相場観を尋ねて作戦会議して次のオフィスでは採用していただけましたが、給与の欄はあってないようなもので、かなり低めの給与で採用されました。実際に働くと「あなたにはこれだけ支払う」と契約し直すことになったので、少し驚きました。日本でいう「研修中は〇円」みたいなものだったのでしょうかね・・・

ここでお伝えしたいのは、条件面を後出しにして交渉することがすべて、というのではありません。ハローワークに求人を出す際には最低限求められるものでもありますからね。

しかし、交渉する余地を残しておくというのは、エントリーする側にとってもメリットのあるものといえます。

下限を示して採用過程での交渉に応じ、合意形成をはかり、実力に応じて昇給させるほうが希望がもてる場合もありますし、最初から高めの額を提示して厳しい目で選考するのも戦略です。どのような人がどのような方法で検索してくるのか?をイメージしながら情報の出し方をきめていきましょう。

情報の出し方からマッチングが始まっている

情報は業務内容や条件面だけではありません。多くの企業で「企業理念」や「求める人物像」を示していると思います。

ここの見せ方でエントリーする側の印象が大きく左右されます。

明朝体で誠実さをみせるのか、漢字が多いのかカタカナが多いのか、

オンラインが多いのか、紙が多いのか、

イベントが多いのか、公開情報が多いのか―

エントリーする側も、いくつも企業を比較していくと目が肥えてきます。

意外と見られているのは「社員インタビュー」や「どんな人が働いているのか」という点。

働く人の雰囲気から社風を推しはかろうとします。

どのような形でも構わないので、社風を知ることができるチャンスは必ず採用フローに組み込みましょう。

フォーマルな面接だけでなく、対話ができる機会を設ける、インターンを行う、食事会を設けるなど、入社が確定するまでの間に、必ず配属予定先の人とエントリーする側が触れ合う機会を設けることを強くお勧めします。

どんなに情報公開したつもりでも、カッコいい言葉で理念を語っても、実際働いている人のことを知りたいものです。

相手の「どうでもいいこと」を知る

また、エントリーする側が「興味のないこと」を延々と語るのは得策ではありません。

会社説明会で長々と社長や人事部長が語って学生さんの眠気を誘う・・・

これではもったいないことかもしれませんが、あえてお伝えすると

入社後にもこの語りに触れる機会があるならば、そこを隠す必要はありません。

会社説明会で長めのスピーチを聞かせないで、入社後に聞かせるということになると、そのときにはもはや社員になってしまった「元エントリー者」が「会社ダルいな」と感じるようになり、従業員エンゲージメントが下がるという結果に陥りかねません。

エントリーの段階で会社のキーマンの話に対し「眠くなったな」と感じる会社には行かなければよいという決断を、エントリー者自らに促すことにもなるので、入社してから起こりうることは見せておくのがよいと、私は思います。

都合の良いところばかりお互いに見せ合って、本当はミスマッチなのに気づけないまま入社し、結果的に定着しないということのほうが、不幸だと思いませんか?

相手への興味を持ち続けること

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最終的には、エントリーする側も、採用する側も、相手に興味を持ち続けることができなければ、本当の意味でのマッチングとはいえません。

ひとりで働くわけではないし、自分とは異なる人にお願いして働いてもらうわけですから、認識のずれは必ず起こります。

そのときに「どうしてこういう反応を示すのだろう」と興味を持ち、ボールを投げ返すことをやめなければ、マッチングの精度は上がっていきます。

キレイな言葉を並べ、一見有利な条件を出し、採用しても定着しない、合うと思って入社したのになんか違う、思ったほど評価されない気がする・・・というのは、もしかすると

マグレの採用/マッチング

かもしれません。

エントリーする側の方にも私は厳しいことをお伝えしますが、企業側の情報の出し方も、常に考えていきたいですね。

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