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【本の紹介】信長の原理

愛知県出身であるせいか、3英傑(信長・秀吉・家康)物の小説が好きだ。一番好きなのは家康だが、信長のキレっぷりも結構な頻度で好きである。

なんとなくタイトルに惹かれて、久し振りに信長物でも読むかと予備知識無しで気軽に手に取って読みはじめた。が、少し読み進めていくとなんとなく様子がおかしい。

きっちりと歴史的な事象も押さえてある。しかし、これはほとんど内容的にビジネス書なのではないか?と勘ぐり始める。読み進めるほどに確信が高まる。これはほぼ組織論の本だ!

本書で全体を貫くのは、有名な「パレートの法則」である。これに絡ませて、信長の一生が書き連ねられている。何故譜代のあの武将がいつの間にか脱落していったのか、何故あの武将は反旗を翻したのか。

凄惨とも言える心理描写の数々。その奥に潜むパレートの法則。本能寺の変に至るまでのその内容が実に説得力のある内容で描写されている。なるほど、こういった状況であればそういう行動を取らざるを得ないかな、と思わされてしまう。

この内容は「効率化」に傾倒しきっている現代の組織運営にも、実に通じる所がある。今現在は過度の効率化に反発が来ていて働き方改革が叫ばれ始めているが、個々人の心理的には本書で描写されているような思いが少なからず潜んでいるのではあるまいか。

歴史小説の好きな仕事人には是非読んで欲しい一冊である。

人間、擦り切れるまで働いてはいい事無いね、、、


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