著書『起業のファイナンス』を読んでのまとめ 4

art. #39 / 3500 words (4 min.)

こんばんは。
ほうれん草のおひたしにハマっています新田です。

さて。
きょうも、著書『起業のファイナンス』から学んだことをまとめています。

細かい内容は専門家にお任せしようと考えているので、概要・ポイントのみを抽出していきます。

ただの読書メモなので、興味のあるかたはお読みください。

第6章
資本政策の作り方

・資本政策を平たくいえば、「どのような株主に、いくらの株価で、何株分の株式やストックオプションを割り当てるか?」ということ

・①事業計画→②企業価値試算→③資本政策

・資本政策の間違いは、初期の間違いほど、あとになってから修正がきかなくなる

★創業者の持分は、一度薄まったら二度と高まることはない

・事業の失敗はやり直しがきくが、資本政策のやり直しは非常に難しい

・よくある質問「エンジェルやベンチャーキャピタルに株式を何%渡すのがいいでしょうか?」→ケースバイケース

・覚えておくとよい株式比率
 50%、3分の1(3分の2)、40%、20%、15%

・A: 持株比率10%1億円、B: 持株比率20%1億円
 →Aのほうが得に見える
 →しかし、Aはお金だけで何もせず、Bは企業価値をあげようとしてくれる
 →この場合、Bに投資してもらった方が得

 →投資家の出資を受けるということは、その投資家が参加することによって(資金が手に入ることによって)、企業価値が高まるかどうかも重要

★結局は「人」。投資家やファンドが人としてどう対応するのか注意

・シリコンバレーでは、創業者が持株比率10%以内のこともあるが、日本では敬遠したほうがよい。文化や経済の流れが異なるため

・日本は個人資産が銀行に預けられているため、銀行からの債権を中心とした資本政策がおおい

・上場時の時価総額は最低でも300〜500億円。PER20倍(平均以上)として年間純利益が15〜25億円(のような計算・イメージが必要)

・創業者比率高い、時価総額も高い、ファイナンス上の余力が大きい →ポジティブ・フィードバックが働く

★株主構成を考える場合には、それぞれの株主について「この株主が敵に回った場合でも大丈夫か?」ということをよく考える必要がある

 →副代表が株40%もっていてもし途中でやめるとなった場合、この40%を買い取るのにかなりの額が必要になることもある

★株主が50名以上になると、金融商品取引法上、公募にならないように増資をするのが難しくなってくる
 →未公開のベンチャーが公募で資金調達するのは非常に困難と心得よ

★上場前は、株主は極力10〜20名程度までに抑えてコンパクトな運営ができるように心がけたほうがよい
ストックオプション

・ストックオプションに関する資本制作失敗例で多いのが、「ストックオプション発行しすぎ」なケース。重症の場合は、最悪、上場できないことも。
 →上場時に発行済株式数の10%以内であれば特段問題にはならない。多くても20%まで

↑ストックオプションについては、計画性が重要すぎるからもう一度読む

第7章
投資契約と投資家との交渉

基本

・投資契約はなぜ必要か?
 →未来の不確実性に対する考え方はひとまちまちのため。最初に合意してお必要

・VCをカテゴリーだけで分別せず、「この投資家は、どういう投資を求めているのか?」ということをよく考えることが重要
見るポイント(質問事項)

・どのくらいのファンドサイズなのか?
 →5億円サイズで3億円の投資は無理

・次のファンドを集める計画はあるか?
 →1回目投資後、2回目も投資してもらえるのかどうか

★そのファンドは、あと何年くらい期限があるのは?
 →通常が7〜10年縛り。残り2年の段階で投資してもらって「上場しろ」となっても厳しい
 →必須質問「期限がきたら、当社に投資いただいた株式は、どうなりますでしょうか?」

・どういった業種・フェーズの企業に投資しているか?

・担当者は、どのくらいで配置転換されるのか?
 →サラリーマンVC担当者の場合は特に確認

★ハンズオンしてくれるのか?
 
→抽象的になりやすいので、具体的に聞く

結婚相手を決めるくらいの慎重さで、投資家を決めた方がよい。経営が苦しい時にこそ、一緒にやっていける相手なのかどうかが重要
投資を受けるまでのプロセス

①NDA締結
②タームシートを締結
③デューデリジェンス(Due Diligence)
④投資契約締結
⑤投資の実行

①NDA
・詳細な事業戦略が他者に漏れないように
・担当者が変わっても、前任者が口外することがないように

②タームシート
・法的拘束力はないが、会社が丸見えになって弱みを買い叩かれる可能性を減らすためのもの
・どの程度の金額を投資して、何%の持ち分がほしいのか、どんな内容の投資契約が結ばれるのかについて、あらかじめ確認しておく

③デューデリジェンス(Due Diligence)
・直訳すると「当然払うべき努力」。簡単にいえば「内部調査」
・帳簿や資料をチェックされる

⑤投資の実行
・早くて2週間、長くて3ヶ月など、ケースバイケース
契約内容

・取締役の指名
 →基本的にVCは売れる時に売りたい。取締役になると売る機会が年4回くらいに減ってしまうので、上場が見えてきたら派遣取締役を引き揚げることが多い
 →ただ、Living Deadにならないように取締役会に入って経営監督することもある

★株式の買取条項
 ・投資契約でベンチャーが最も気をつけることは、「xx年までに上場できない場合、会社と社長が連帯して株式を書いとらなければならない」というもの

↑内容は理解できるが、1回読んだだけでは厳しい(笑)。あとは、この分野のスペシャリストを連れてくるしかない気がだんだんしている

第8章
優先株式のすすめ

・ベンチャー実務に詳しい専門家に相談することが必須

・上場する際には通常、優先株式を普通株式にすべて「転換」してから上場することになる

・うまく優先株式を使うことで「双方がハッピーなときに売れる」という状況を作れるケースもある(それがメリット)

・創業から日を置かずにVCが高い株価で投資する場合には使える◎

↑少し専門的すぎて、全理解は不可(笑)。ただ、未来を信じて投資してくださるVCに対して個人的にはアリな制度と感じた

第9章
ベンチャーのコーポレートガバナンス

・会社をコントロールする仕組み

・「株式で資金調達をすること」と「コーポレートガバナンスの形をどうするか?」は表裏一体の関係にある。なぜなら、株主が会社の経営を決めるから

・コーポレートガバナンスとは、経営者と株主の利害が食い違う場合に、「経営者が実行したいかどうか?」ではなく、「企業価値を高めるかどうか」で企業が行動するようにすること。さらにいえば、経営者と投資家(株主)がよりよい未来に対して何をすればいいかをすり合わせられる仕組み
・社外取締役の重要性

・IR(Investor Relationship)の重要性。特に、Relationshipであるということ
・取締役会非設置
 →創業初期のスピード感を重視するならあり
 →ただし、取締役会や監査役などのガバナンスの仕組みがないぶん、株主の監督権限が強くなる

・取締役会非設置 →取締役会+監査役 →取締役会+監査役会 と発展するのが一般的

・社外監査役のタイプはいろいろ。でも超重要 ※いろいろすぎて割愛
 →経営陣と投資家の理解を一致させ、企業価値の実現に動くキーマン

・監査役のインセンティブ設定が難しい

おわりに

なんとか、読了できました(笑)。

1回で理解することは不可能なので、何回か読み直したいと感じる本でした。

基本的に本は好きなので楽しく読めたのですが、ちゃんとした現実を知ってしまったのでいい意味で不安です(笑)。

著者の磯崎さんも「さいごに」の章でおっしゃっていました。

最終的に大切なのは「人」ですね。

創業者であるわたし自身の「熱量・想い・人格」というのはもちろんのこと、いっしょに働く仲間や、いっしょに企業価値を上げていく投資家・ステークホルダーのかたがた、すべて「人」で構成されています。

その上で、ファイナンス的な戦略・戦術があるのだなと。

ファイナンスの本ですが、「人」の大切さを学べた一冊でした。

少しだけ景色が変わって見えてきたので、次の一手はどうするのか、明日からあらためて考えてみます。

いやーーー、、、楽しい!怖い!難しい!やりきる!信じる!考える!

いろんな感情でいっぱいです。

心はホットに、頭はクールに、あしたもまたがんばります。

最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

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2021年4月11日(日) 毎日note 39日目 きょうも著書『起業のファイナンス』をまとめたnote、最終章です。 「ベンチャーを立ち上げて上場(or売却)する」って文字で書けば超簡単なんですが、複雑で大変でやりがいしかないことを学びました。 ほうれん草のおひたしを食べてまたがんばります。

Posted by 新田 順 on Sunday, April 11, 2021


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