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1日で10時間<1日1時間を10日間

Introduction

「2週間後に3kgやせる!」

こういった広告をよく見る。特にネット広告で。信用できるかどうかは分からないが、本当にほしい成果なら乗っかってしまうかも知れない。きっと成果が出る人もいるだろう。でも私の場合に本当に成果が出るかは分からない。そんな時いつだって小さい文字でこう書いてある。

「個人差があります。」

だから信用できない。怖い。私の場合は違うかも知れない。私は理性的な人間だ。だまされるものか。

こうして結局何もせずに1日が過ぎる。

一方

「2年後に3kgやせます!」

という広告文句を見たことがない。宣伝文句としては費用対効果が弱すぎる。きっとあなたは思うだろう。

「2年あれば3kgくらい普通にやせられるじゃん」

はたしてそうだろうか。本当にそうだろうか。

2年で3kgやせられるだろうか。きっと2年のうちに、3kgやせる日は一度は存在するだろう。しかしそこにはリバウンドもつきまとう。2年後に3kgやせた状態でいられるだろうか。

ではもう一回問う。

「あなたは2年で3kgやせることができますか。」

そしてそれは宣伝文句として本当に弱いですか。

ここまで読んだあなたは、その難しさに気付くだろう。

でもその難しさを克服する方法が必要だと思わないだろうか。

達成することができる方法とその大切さを伝えたい。

なんてことない。はじめから長期で考えるだけだ。

「長期思考」

かっこつけすぎーーーーーー笑

いつもと違う感じで文を始めてみました笑。海外のビジネス本をよく読むのですが、それを真似してみました。いかがでしたか?

もし今後本を書く機会をいただけたら・・・という夢を勝手に想像して書きました。

ちょっとかっこつけすぎでわなわなしてますが、ここからはいつもの私の文にしますので、できればこのあとも読んでください笑。

短期思考の授業

さて、私は11年間小学校の先生でした。

先生とはみなさんご存じのように授業が主な仕事です。だからものすごく短期思考で考えると、生徒が目の前の問題をなるべく速く正確に解けることが、教員の最高の成果です。

よくあるのが九九。8×5=?という問題を速く正確に解く方法は、九九で「はちごしじゅう」と覚えるです。短期思考でいくと、早く覚えさせることができるのが良い教師です。そこで、九九の歌を繰り返し流し頭にすり込むのです。

子どもの脳は驚異的ですから、すぐに九九覚えるでしょう。すると授業もスムーズに進みます。子どももできて自慢げです。そう、その単元の間は。

速さの問題も同じようなことがあります。「時速20kmで進むと4時間30分でつく場所があります。さて、その場所までは何kmありますか?」

「みはじ」といって、〇の中にTを書いて、道のりと速さと時間の関係性で問題を解けるようにする図があるのです。「もくわ」といって割合でも同じような図が使われますが、ご存じですか?

これらは問題を解くことに特化した図です。数量関係を表している図なら素晴らしいのですが・・・そういうわけでもないです。でも、一番楽に問題の答えが出るから、子どもたちの間では人気なんですよね。きっと塾とか兄弟とかから教えてもらうのだと思います。

問題が解けて授業がスムーズに進みます。子どもも自慢げです。そう、その単元の間は。

長期思考

授業は本時のめあてと言って、その1時間でこれを身に付けさせたいというのがあります。授業の最初の方に明示されることが多いです。だからそれを達成すればその1時間は成功です。

でも、教育は人格の完成という一番広い目標があり、それを達成するために、生きる力だとか豊かな人間性とかがあり、それを身に付けるために、教科学習があり、教科の目標があり、単元があり、毎日の授業があるわけです。

最も分かりやすい例は、学活です。子ども目線だと単なる遊ぶ時間と捉えられるかもしれませんが、きちんと目標があります。学活は授業です。

だから確かに目の前の問題を解くことは大切なのだけれど、それよりも広い「あきらめないこと」とか「いろいろな角度から考えること」だとか「学んだことを他に応用させること」だとかを忘れてはいけないと思うのです。

また、問題を解くことを通じて、「友達と一緒に考えること」や「どう説明したらいいのかなと考えること」「相手の困っていることに寄り添うこと」なども育むことができます。

何が伝えたいのかは分かりますかね。

相手の気持ちを考えましょう!と、道徳の時間に考えてただけで本当に考えられるようになるとは思わないですよね。

何度も何度も繰り返し日常の少しずつの積み重ねで、相手の気持ちを考えられるようになっていくのです。

でもその成果は目に見えるようになることは多分ないと思います。なんせ少しずつ少しずつ変わっていくものです。月や太陽が動いているように見えないのと同じです。

だからこそ、長期で達成させることに意識を向け続けることが大切なのです。教育者としては長期を見据えた上で日常に少しずつ取り入れることです。

長期で獲得したことはなかなかくずれません。2年で3kgやせることができたらリバウンドしないと思います。

人を思いやる気持ち、何度も挑戦する気持ち、自己肯定感、などを子どもに必要だと思うことを、日常に少しずつ味わわせていくことで、子どもの中に身につきます。

だからこそ、今日頑張ればできることではなく、長期でやり続けられることを考える必要があるのです。1日10時間でできることと、1日1時間を10日間続けることでは、後者の方が価値が高いと思うのです。そうまさにカメのように一つずつ着実に。

これは教育に限ったことではなく、SDGsとか働き方改革ともつながります。短期での成果を求めるのではなく、長期で続けられることにこそ成果がついてくる。これが私が思う長期思考です。説明しきれていないので、また長期思考について別の機会に書きたいと思います。

優しい世界を目指して。

最後までお読みいただきありがとうございました。何かの参考になれば幸いです。素敵な一日をお過ごしください。

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