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散文〜思いのままに

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そのとき、そのとき、思ったことを。 間違いを恐れず、感情のままに。
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#短編小説

赤い秋

赤い秋

 銀杏並木がとても綺麗な季節になった。そういえば銀杏並木ってのはとても人工的で、不自然なものだ。
 桜並木もそうか。
 並木とつくもののほとんどは人工的なものなのかな。それでも吉野の山の桜のように不自然ではなく、山一面が桜という場所もあるが、不自然ではなく銀杏が一面に広がる景色を僕は知らない。

 そこまで考えて、やっぱり銀杏並木は不自然で人工的なものだと思った。

「街の秋は黄色くて、山の秋は赤

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代替え品

代替え品

 いったい、何に置き換わっていくのだろうか?

 何度も、何度も読み返し、大好きなページは、それこそ暗唱できるのではないだろうか?今は亡き(亡き?)アンジャッシュの渡部のように簡潔にスラスラとスピーディーにストーリーを説明できる小説たち。

 友達の細工でペアになるように仕組まれた肝試しのくじ引き。

 ドキドキ!しながら「香織さんいますか?」と彼女のお母さんに伝えた電話。「はい」という低い声に驚

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【小説】彼女と僕〜あと100日で新型コロナウイルスは終わります〜

【小説】彼女と僕〜あと100日で新型コロナウイルスは終わります〜

 大人になっても少年の心を持っている人がタイプ。なんて言葉を昔はよく聞いた。結局それは嘘で、男前でお金がある前提の中においては、少年っぽい人が更にモテ要素を持っているということだ。

 自分で言うのも変な話だけれど、幸いにも僕はこの最低条件をクリアしている。ただし、「そこそこ」がついてくる。
 そこそこ男前で、そこそこお金持ちである。けれどモテない。なんて話をしていると「限度あるし。」とツッコミを

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