感染症の復活

およそ1年前にコロナが5類になって鎖国が解かれたことで子供の感染症は完全にバックファイアーの様相を呈しているわけである。

マスクなんていらない!警察が「コロナはただの風邪!」って絶叫してマスクを外すと、そりゃその外には様々なウイルスがウヨウヨしているわけである。

これまで毎年、インフルエンザの流行期には「みっなさーん!マスクをしてしっかり手洗いしましょう!」と呼びかけていたが誰も守りはしなかったので毎年インフルエンザの流行があったんだなーと思う。なにしろみんながマスクをして手洗いもしっかりしたこのコロナ騒動の三年間はインフルエンザなどピタッと止まってしまっていたのである。

この効果には鎖国で海外旅行の制限をかけたことも関係しているに違いないことは言うまでもない。コロナだって第一波は中国の武漢から来たわけであるが、第二波はヨーロッパで流行しているのを日本から欧州旅行に行った人が連れて帰ってきたのではないかと言われている。まあその後に流行した株は多分、よくわかっていない。

いずれにせよ三年間インフルエンザの流行がなかったと言うことは今3歳までの子供にはインフルエンザの免疫はほとんどないのである。まあ何人かはワクチンを受けて免疫をつけた子供はいるかもしれない。けれども、それ以外の大多数の子供は全く真っ白で育ってきたということが想定されるわけである。そういう子供たちが鎖国が解かれた時に海外から流入してくる様々なウイルスにぶつかったらどんどん感染するのは仕方ないじゃないかと思えるわけである。

インフルエンザはだいたい海外からやってくる。一般にはインフルエンザは鳥インフルエンザと豚インフルエンザがミックスされて新しい型が生まれると言われているので鶏と豚ちゃんを一緒に飼っている地域で新しい型が発生すると言われている。

海外から大量に流入する観光客が持ち込んだのか、日本人が海外旅行に行って持ち帰ったのかはわからないが、まあウイルスは日本にやってきたわけである。ちょっと消毒したりしたくらいでその感染を防ぐことは難しいのである。10年くらい前に流行ったいわゆるH1N1ブタインフルエンザは多分南半球のオーストラリアで流行っていたのが日本に持ち込まれ、9月くらいに神戸の高校生で発見されたのではなかったか。

大人だって抗体を産生する形質細胞がメモリー細胞となって残るとは言え、その寿命は8年程度である。5年くらい感染を免れてきた人はコロナの3年でメモリー細胞の寿命が尽きて免疫的には赤ちゃんと同じように真っ白になっているかもしれない。そういう人には免疫的な防御壁がないわけであるからウイルスがやってきたらあっという間に感染してしまうことになる。

反ワクチンの人が「ワクチンでは感染を防げないじゃないか!」とか叫ぶけれど、本当は程々に感染してメモリー細胞をリフレッシュしないと、せっかく獲得した抗体産生能を失ってしまうことになる。反ワクチンの人は免疫システムを全く理解せずに謎の信仰を語っているのだが、本当のことを言ったとしても理解できないので仕方がないわけである。

手足口病も今年は大流行の様相を示しているというニュースが流れてきているが、おそらくこれは手足口病にかかったことのない3歳までの児童は手足口病の抗体を持っていないということが原因じゃないのだろうかと思うわけである。

本来的にはこれで「はいはい解散解散」でいいと思うのだが、この3年、感染症がコロナだけだったから、他の感染症が増えたことでパニックになっている母親が散見される様子である。

そんなの、昔からあるあるである。乳母日傘で大事に育てられた子が保育園に入った途端にもう毎週に近いくらい感染をもらってきて、ほとんど保育園に行けないなんてことは実は珍しくないのである。大体はゴールデンウィークの明けた今くらいの時期に病院にかかって、担当医に不安を切々と訴えることになる。まあ、検査しても異常がないことがほとんどである。

保育園の時期に何十回か感染を繰り返さないと高校や大学、社会人でその感染症に感染する危険もあるわけである。大学受験の時に感染を起こして一年を棒に振るのはいかにも損失ではないか。それを考えると幼児期に感染を繰り返して抗体産生能を強化しておくのは有意義なことなのである。

でもお隣の〇〇くんは風邪一つ引かずに元気に通園しているんですよ!と文句を言う人もいる。よく観察してほしい。その〇〇くんにはお兄ちゃんかお姉ちゃんはいないだろうか。つまり、そういう子は家族内感染である。お兄ちゃんやお姉ちゃんが先に保育園でもらってきた風邪を家でもっと小さい時期に感染していた可能性は高いのである。

小さすぎる時に感染すると、体力がないために拗らせて肺炎になったりすることもあるのである。決してリスクが低いわけではない。そういう修羅場を潜り抜けてきたであろう〇〇くんには拍手を送ってほしいわけである。

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