見出し画像

EC事業マーケター・プロデューサーを目指しませんか?

こんにちは、株式会社chipper COO西田です。
EC/D2Cの総合支援をビジネス領域としております。

本記事では、chipperで開始した「実践ECマーケティングスクール」について説明させていただきます。

簡単に申し上げると「西田の元で学びながらマーケティング支援代行をする」という座組みです。社内通称では「弟子制度」とも呼んでおり、Twitterでは何度か「弟子募集」ということで告知をしていました。


chipperが何をしているか

事業領域

株式会社chipperでは、EC事業者への支援業をしており、コンサルティングや運営代行業をメイン事業としております。他支援会社と異なる点としては、非常にご支援する範囲を広くさせていただいているという点でしょうか。
わかりやすく申し上げると、EC事業をありとあらゆる範囲から全方向的に見る「ECプロジェクトマネジメント」を事業領域としています。

chipperの業務全体像

なぜこういった事業モデルとしているかですが、この業界に長くいると、ECの成功例以上にECの失敗事例を数多く見聞きします。その失敗例のほとんどの共通項は、多くがこのような物でした。

  • ECは儲かるという情報を得た人が古いノウハウの情報を信じてEC事業を開始

  • 競合リサーチが甘く、既に飽和している市場に向けて商品を開発

  • 具体的な戦略がなく小手先のテクニックでプロモーションを実施

これらを包括的に解決するためには、「部分最適ではなく全体最適で」「戦略と戦術をセットで実行できる会社」を作っていくことが必要と考えました。

chipperをこういった支援ができる人材を育成していく場所にすることで、EC業界の不足している部分を補うことができると信じています。

必要スキルセット

EC事業の全てを見ようと思うと、本当に見るべき範囲が広く大変です。モール知識や広告知識は当然のこと、法律知識や財務知識、包括的な提案ができるようになるためにはシステム知識まで必要となり、求められるスキルセットは果てしなく遠いです。

これらのスキルを網羅して把握するために、マンダラチャートを作成しています。これを全て網羅した人材になることは容易ではなく、自分も未だ道半ばです。

chipper人材マンダラチャート

他の支援会社との違い

包括的な支援ができるようになるということは、本当に努力も必要で道のりは長いですが、クライアント様からのご相談に対しての提案の自由度と質という観点では圧倒的に競合他社に優位性があります

なぜならば、一般的な支援会社では「自分達が得意な領域」や「事業ドメインとしている領域」の提案をしますが、chipperでは領域を定めず市場の穴と消費者インサイトを見つけて、最も最適な提案/運用代行をさせていただきます。

市場の穴を考える戦略設計プロセスは、こちらで長文でまとめておりますので、ご興味ある方はご覧ください。

ご相談の多い案件

このような背景から、chipperへご相談をいただける層も、その相談内容も、非常に幅が広くなってしまいます

  • 企業規模:スタートアップ〜中小〜大手

  • 範囲:市場調査/商品企画/戦略設計/広告企画/運用代行

  • チャネル:モール/自社EC

  • パターン:実行代行/アドバイザー契約(月1〜週1)

ただ案件比率的には、右側の全体戦略系の案件が多いです。
EC業界には全体知識を持って分析や提案をすることのできる会社が比較的少ないため、必然的にchipperへのお問い合わせはそうなってしまうのだと思います。

実践ECマーケティングスクールが解決したい課題

ここで、なぜこの座組みを作ろうと思ったか、どのような課題を解決したいかという点について説明させてください。
本取り組みにおいては「どのような課題を解決したくてこの座組みを作ったのか」が非常に重要だからです。

chipperの課題

chipperの課題は、「人材の定着率が悪い」ということです。
前述の通り、chipperの事業モデルはECの幅広い知識と高いスキルが必要となります。

  • スキルが不足している人材は「スキルを得るまでに時間がかかるため、スキルを得る過程で自己肯定感が上がらず離職する

  • スキルが充足した人材は「自分のやりたいこと=夢を見つけて実現したくなるため独立する

  • つまり上記の中間となる人材しか定着しづらい状況

chipperの課題をWill×Skillマトリクスで表す

Will×Skillマトリクスをご存知でしょうか? 人のやる気・熱量と、スキルの高さを二軸にして、人材のセグメントを示すものです。

「やる気」とひとことで言っても、言葉だけやる気があって実態が伴わないケースもあるため、実際の努力と紐づいているケースを「Willが高い」と定義しています。

なお、一般的な各セグメントへの人材へのマネジメント手法としては、

  1. 作業者:成果に繋がるためのアクションを細かく分解して「管理命令型」マネジメントをする

  2. ドリーマー:技術やノウハウを教え、挑戦する機会を与える「指導型」マネジメントをする

  3. 職人:本人のモチベーションポイントを把握し、やる気を出させるための「着火型」マネジメントをする

という手法で、右上のエース人材になるように育成していくことが重要と言われています。

先程の弊社の課題をWill×Skillマトリクスに落とし込むと、このようになります。弊社の採用基準はこの青色の領域となります。

この採用基準を変更することも考えましたが、EC事業者様からのニーズがある状況を考えると、この基準を下げるということはビジネスモデルを変えるにも等しい判断だったため、なんとか変えずに行く方法はないかを徹底的に考えました。

その中で「もしかしたらchipperのビジネスモデルは、フリーランスの方の一部が抱える課題を解決できるのではないか?」という仮説に行き当たったのです。

フリーランスの課題

交流を広げる中で、色々なフリーランスの方と出会う機会が増えました。

ちなみに日本には、フリーランスと言われる人口は797万人おり、労働人口の11.5%ほどが該当します。

その中で「もしかしてフリーランスと一括りにしているが、2種類のタイプがいるのではないか?」と感じました。

  1. 報酬/効率重視型フリーランス
    一般的なフリーランスはこちらの属性だと思います。自らの持っているスキルセットを使って「効率良く稼げる案件とのマッチング」を望んでいるフリーランスです。
    「時間や場所の働き方を自分で選択できること」を望んでフリーランスになる方が一般的であるため、この属性の方が多いのは当然と思います。

  2. 成長重視型フリーランス
    会社や上司に縛られることが嫌でフリーランスとして独立したはいいけど、フリーランスへの依頼は即戦力としての依頼ばかりのため、「自分の経験のない案件を受けて成長をすることができない」という課題を感じているフリーランスです。
    同時に組織に属していないため「壁打ちや成長のための指摘をしてくれる相手がいない」という課題も並列で存在していることが多いです。
    詳しくはこちらの方が詳しく解説くださっていますのでぜひご一読ください。完全に同じ課題について言及されています。

フリーランスの分類マップ

私のコーチングの知識を活かして人材育成スキームを構築しやすい点や、chipper業務はかなり幅が広く成長しやすいという属性を持っていることから、もしかしたら2の「成長重視型フリーランス」はchipperとの相性が良く、双方WIN-WINな関係を築けるのではないかという仮説を作りました。

ただ、過去に何度かフリーランスの方をプロジェクトにアサインさせていただいたことがありましたが、chipperの案件は非常に難易度が高く、フリーランス目線ではインプットする情報が多く、非常に脳のリソースがかかるということがわかりました。スキルのあるフリーランスの方にとっては楽に稼げる案件ではないため、案件を受けていただくメリットが弱いのです。

逆を言うと「生活するための収益は別で持っているが、成長意欲が高いフリーランス」には非常に良い環境が整っていると考え、このように分類分けをし、どの層とchipperのマッチングをするといいのかを考えました。

【分類軸】
縦軸:フリーランス人材/副業人材、成長意向の高さ、スキルの高さ
横軸:短期的な収益を希望するしない、chipper業務との相性、コミット量(=成長速度)

成長意欲が高くても、ハイスキルなフリーランスは、稼ぐ方法は多くあるが故にどうしても短期的収益を求めてしまいます。
そのため成長意欲が高く、スキルは中程度のフリーランスはchipperとの相性も良さそうであると考えました。

chipperの人材育成の考え方

なぜこの座組みを作ったのか、私の人材育成への考え方を除いて語ることは難しいため、このタイミングで差し込ませていただきます。色々な書籍や理論から影響を受けた独自の考え方もありますが、前提となっている考え方をいくつか説明させていただきます。

マズローの欲求六段階説

アメリカの心理学者アブラハム・マズロー氏が作った欲求五段階説は有名ですが、マズロー氏はその晩年に「自己実現欲求」の更に上の六段階目の欲求を発見しています。
それが「自己超越欲求」と呼ばれる欲求です。色々な解釈がありますが、私の考えとしては自己を超えて周囲や社会をどのように幸せにしたいかという欲求と定義しています。

マズローの欲求六段階説

内発的動機づけ

「自己実現欲求を既に持っている人」をより具体化すると「内発的動機づけを持っている人」と定義しています。
内発的動機づけとは、人から言われてやる/認められたい/褒められたい/稼ぎたいという何かの便益的欲求ではなく、シンプルな「自分がやりたいと思うミッション」に基づいて行動をすることです。

内発的動機づけのステージ

例えばですが、大谷翔平選手は、稼ぎたいという気持ちや誰かに認められたいという便益的なメリットではなく、「日本中の子ども達に野球を好きになってもらいたい」という想いで活動していることが目に見えてわかります。おそらく彼は彼の命の使い道をそのように使うと決めていて、私はその命の使い道を「ミッション」と定義します。
ここまで壮大ではなくとも「自分がどう生きたいか」を明確に決めている人であれば、苦しいことや楽しくないことも前向きに乗り越えられると考えています。

水平的成長と垂直的成長の連鎖

成人発達理論における水平的成長とは「スキルの成長」、垂直的成長とは「人間としての器の成長」と言われており、私はその2つは連鎖的に絡み合っていると考えています。

水平的成長と垂直的成長の連鎖

必ずしもこのような成長の仕方をする人だけではないかもしれませんが、特にこの中で重要と考えているのが自己効力感です。
自己肯定感(エスティーム)は「今の自分が好きか自信があるか」ですが、自己効力感(エフィカシー)は「未来の自分が達成できていることを信じるか」という違いです。
私の個人的な感覚ですが、これまで成長している人の共通項として「自己肯定感は低い自己効力感は高い」という体験知がありました。現在の自分の力を信じていないが未来の自分は信じている状態だからこそ、その差分がストレスとなるため努力を継続できるという構図です。
その自己効力感の範囲が拡大し、更に自分の知識を拡大したくなったり、影響する範囲を拡大したいという欲求が生まれます。このプロセスが自己超越欲求へのルートであると考えています。

実践ECマーケティングスクールの概要

さて、前段が非常に長くなってしまいましたが、chipper実践ECマーケティングスクールについて解説させていただきます。

案件の役割・フリーランスの役割

先程chipperによく来る案件についてご説明させていただきました。

EC業界に多くいるフリーランスは、左側が得意な人が多いため、右側に向かって成長したいと思っている方であればchipperとの相性が良いです。
一方でこれまでの経験則から、左側が得意な方がいきなり右側の案件を行うことは非常に難しいということもわかっており、クライアント様に対してchipperとしての質を担保しつつ、フリーランス人材が右側の案件を受けられる状態へ成長するために、このようなルートで考えました。

まずは左側の「当人のスキルで成果を出しやすい案件」にアサインをさせていただいて仕事の仕方を見ながら、chipperとしての支援スタイル/考え方をインプットしてもらいます。
次にアドバイザー案件の窓口として入ってもらいつつ、西田もMTGに出ることで、クライアント様の満足度やアウトプットの質は落とさない状態とし、徐々に更に規模の大きい案件にもチャレンジしてもらいます。

この図では一部しか解説していませんが、これらを3つのステージに分けて解説します。

ステージ1 作業者フェーズ

クライアント様からの窓口は、西田が行い、裏側のリサーチやアウトプット物の作成を代行してもらうフェーズです。このフェーズで戦略設計の考え方をインプットしてもらいます。
スクール生からすると「教えてもらう」というフェーズのため、講師代はいただきませんが依頼費用は安価となります。一方で委託費として費用はお支払いするため、プロとしてアウトプットには責任を持っていただきます。

ステージ2 担当者フェーズ

ECの全体像を語れるレベルに成長したと判断したら、クライアント様の担当者を西田ではなくスクール生にします。
このフェーズでは自分がメイン担当者となることで、責任が大きくなりますが、その分成長幅も大きくなるという構造となります。同時に責任も大きくなるため、依頼単価も作業者時よりは大きくなります。
西田が必ずスクール生の壁打ち相手となるため、クライアント様へのアウトプットの質は落ちません。

ステージ3 講師フェーズ

西田の壁打ちが不要となるレベルまで成長したら、他スクール生を教える側に回っていただきます。
人はアウトプットや成果に責任を持つことで成長をするというステージ2の考えに加え、「相手に合わせてわかりやすく教えられるようになることで成長する」という考えが上乗せされています。西田の手を離れるため、依頼単価も上がります。
西田が認定した人材でないとステージ3を任せることはないため、クライアント様への質も落ちないことを想定しています。

ラーニングピラミッドに基づいて設計

人に教える方が成長するというラーニングピラミッドは有名ですが、それを西田式にデフォルメしたのがこちらの図となります。

西田式ラーニングピラミッド

青色の最低限のインプットができる人材を最低要件としつつ、フェーズ1〜3をこの実践ECマーケティングスクールを通じて成長してもらいます。

ステージまとめ

フェーズ1から3をまとめた図がこちらとなります。
2023年末時点でこのスクールには、フェーズ1人材が2名フェーズ2人材が1名います。

フェーズ別まとめ

実践ECマーケティングスクールの参加条件

わざわざ時間をかけてまとめてこの座組みを公開した理由は、もし希望する方がいたら応募していただきたいからです。もし本記事を読んでいただいたフリーランスの方で、合致する方はぜひご連絡ください。
ただし要件をかなり厳しくさせていただいており、下記に要件とその理由も添えさせていただきます。

募集要件

EC Professional
ECの広い領域を見るというゴールを考えると、0から教えることは非常に難しいため、既に何かしらECに関連する得意領域を持っている人とさせていただいております。具体的には、プロと胸を張って言える領域が最低1つはあることです。

Same Comfort Zone
コンフォートゾーン(安心と感じる領域)が同じである人を集めています。
具体的には「努力のコンフォートゾーン」です。私は週1冊以上の読書をしないと居心地が悪いですし、クライアントとの約束を果たせていないのに土日休むなんてことは気持ちが悪くてできません。
この「安心と感じる領域」が同じでない場合、前提条件が異なりハレーションが生まれてしまうことが多いため、弟子(スクール生)は同一基準を持ち合わせている人で統一しています。

Social Objective
人は「自分を幸せにするための目標」だけの場合、苦しいことを乗り越える力学が働きづらいです。そのため、最低でも「社会目標を持つ人に憧れを持つ人」という定義で集めさせていただいております。

Integrity
業務用にchipperの契約ツールや独自ツールの貸与を行うこともあります。一方でこのツールを悪用や私的利用をしようと思えばいくらでもできてしまうため、モラルがある=私欲のための嘘をつかないということも非常に重要です。なお、Integrityという言葉は、正直さ・実直さを指し、Microsoftが最も重要視している採用基準です。

参加メリット

EC事業プロデューススキルの習得
chipperの事業の手伝いを通じて、EC事業をプロデュースする力を身につけることができます。様々なツールを利用した分析を経て、0→1、1→10、10→100のスキルを身につけることができるようになります。

土日の少人数研修でのスキルアップ
不定期で土日に実践教育をしています。この時間でスキルアップが望めるため、可能な限り参加していただくことが望ましいです。

スキルの可視化
私が独自で作ったECに関連するスキルを把握するシートを使い、スキルの可視化をしています。

このシートでは30個のスキルに分かれているスキルを入力することで、このようにそれぞれの力が可視化されるように作っています。

Willの具体化
今後どういう成長をしていきたいか、その成長はなぜしていきたいか、コーチングをした上で具体化をさせていただきます。
その上で自分のスキルがどのように成長していくといいか、時系列で整理をし、案件の割り振りの参考にします。

応募方法

応募方法は、現在はTwitterのDMのみとしています。

https://twitter.com/niskek

理由はいくつかありますが、

  • 可能なら私の発信を常に見ていただき、内容に共感していただける方であって欲しい

  • 常にTwitterを使いながら最新の情報収集をしている方であって欲しい

  • 存在する求人への応募ではなく、勇気がいる能動的なアクションができる方であって欲しい

よくある質問

Q.フリーランスではないですが問題ないですか?
A.クライアント情報のNDAがあり、競合忌避問題も発生するため、フリーランス以外の方にどのように参加してもらえるかは現時点では未定となっております。将来的には考えているため、アップデートがありましたら告知させていただきます。

Q.フェーズの成長にどの程度時間がかかりますか?
A.その人次第です。フェーズ1から2までで2ヶ月で成長したメンバーもいますが、その期間は土日フルコミットで成長していました。本人が成長したいという限り、私は深夜でも土日でも、空いている時間は全て付き合います。

Q.卒業後、chipperの競合サービスを立ち上げたいのですが可能ですか?
A.競合かどうかという軸はそこまで重要ではないのですが「マーケティング戦略設計支援会社を立ち上げたい人」は、募集要件の「Social Objective」と異なるため、審査対象となりません。あくまでマーケティング戦略設計ができるスキルを身につけることは、何かを解決するための手段であり目的ではないという考えです。
手段として結果競合サービスとなることはOKですが、それこそ戦略設計の考え方として「バリュープロポジション(競合が提供しておらずニーズがある領域)を探す」というアプローチからも外れているため、いずれにしても要件外となります。

Q.一人法人ですがフリーランス扱いとなりますか?
A.はい、なります。フリーランスのみと決めているわけではなく、コミットする時間が多いかどうかを基準とさせていただいています。

以降、質問があり次第追記していこうと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?